私の母が、先日亡くなりました。
若い頃に父を病気で亡くしてからは、母が女手一つで私と兄、そして妹の3人の兄弟を育ててくれました。
10年ほど前から軽度の認知症を発症していたものの、それ以外には大きな病気もなかったのですが、2か月ほど前に心臓発作で突然亡くなってしまったのです。
軽い認知症となってからの約10年間、兄が母の生活全般の面倒を見ていました。
ただ、病院代や介護施設に係る費用は、母が自分で負担していました。
というのも、母は若い頃に事業を始めて成功し、金銭面では困っていなかったからです。
しかし、亡くなってから母の預金口座を確認すると、ほとんどゼロになっていました。
おそらく、母の口座を管理していた兄が、預金を引き出して個人的に使っていたようです。
もし、本当に兄が母のお金を横領していた場合、そのお金を返してもらうことはできるのでしょうか。
被相続人のお金を横領した人がいるのであれば、そのお金を返してもらうことができます。
不当利得の返還請求を行う場合、相続開始から5年、あるいは使い込みがあってから10年経つと時効となってしまうので注意が必要です。
また、不法行為にもとづく損害賠償請求の場合は、横領があったことを知ってから3年で時効となります。
不当利得返還請求を行う場合、預金通帳やその履歴が最も重要です。
また、口座の名義人が認知症であることを示す診断書や介護認定の資料も必要です。
なお、認知症となった人の財産の使い込みを避けるためには、成年後見人を利用する必要があります。
ただ、軽度である場合には任意後見制度や家族信託が利用できる場合もあるため、弁護士などの専門家に相談してみるといいでしょう。
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