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初めての相続で不安な方へ

相続税の申告をするのは財産の額がいくらからと決まっているのでしょうか?

私の母が、先月90歳で亡くなりました。
5年ほど前に父が先に亡くなってからは、母は父の残した自宅で一人暮らしをしており、自宅と入院先の病院をいたり来たりする生活を続けていました。
父が亡くなった時には、その父が残した財産を母と私を含めた子供4人の合計5人で相続しました。
今回も母が残した財産について、子供4人で相続することになります。
ただ、母が残した財産の大半はもともと父から相続した財産がほとんどであるため、前回の父の相続の時に比べるとかなり金額は少なくなります。
また、前回の父の相続の際に相続税の申告をしている財産がほとんどですから、今回は申告しなくてもいいのではないかという者もいます。
はたして、いくらから相続税の申告をしなければならないのでしょうか。

専門家の解答

相続税の計算を行う際には、その計算に欠かせない2つの金額があり、まずはその金額を求める必要があります。
1つは相続財産の評価額、そしてもう1つは基礎控除の額です。

相続財産の評価額とは、亡くなった人が保有していた財産の評価額のことです。
相続税の計算を行う際には、相続財産の評価額を基礎として相続税の額を求めることとされています。
評価額の計算方法については、その相続財産の種類ごとに決められています。
例えば、預貯金についてはなくなった日の残高が評価額となります。
また、土地についてはその所在地により、国税庁の定める路線価を使って計算する路線価方式、あるいは市町村が定める固定資産税評価額をもとに計算する倍率方式のいずれかとなります。
さらに、建物については固定資産税評価額が、そのまま相続税の評価額となります。
このように財産の種類に応じて計算方法が定められているため、詳しい評価額の計算方法については税理士などの専門家に確認する必要があります。

一方、基礎控除の額とは「3,000万円+600万円×法定相続人の数」として計算される金額のことです。
法定相続人が4人いる場合は、基礎控除の額は5,400万円となります。

相続税の申告を行う必要があるかどうかを判断する際には、相続財産の評価額がいくらになったかにより判断するわけではありません。
相続財産の評価額の合計から基礎控除の額をマイナスし、残った金額があるかどうかにより判断することとなります。
つまり、相続財産の評価額の合計より基礎控除の額の方が大きくなった場合には、相続税の申告をする必要はなく、相続税の額も発生しないこととなるのです。
一方、相続財産の評価額の合計が基礎控除の額より大きくなった場合には、相続税の申告書を税務署に提出しなければならないのです。

ただ、相続税の申告書を提出しなければならない場合でも、相続税が必ず発生するわけではありません。
評価額が減額される特例や税額が軽減される特例があり、要件に合致した場合にはその特例を適用して相続財産の評価額や税額を減額することができるためです。
この特例を適用した結果、相続税額がゼロになったとしても、申告書を提出しなければならないことに変わりはありません。
どのような特例があり、その特例を適用することができるのかについて、専門家に確認する必要があるでしょう。

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