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経営している会社への不良債権がある場合の相続税の扱いについて

建築会社を経営している60代の男性です。妻は10年前に死亡しており、子どもが2人います。
約20年前、会社の資金繰りが苦しかった頃に、一時的な資金繰りとして会社に対して約1億円の貸し付けを行いました。貸し付けのことは忘れかけていましたが、先日、税理士の指摘で貸付金があることを認識しました。
貸し付け時に返済期限や返済条件の定めはしておらず、「貸しっぱなし」の状態です。会社は細々と経営を続けていますので、貸付金の返済は事実上困難で、不良債権化しています。
私個人の財産として預貯金約8000万円があり、子どもたちに相続させたいと考えています。
もし会社への貸付が残ったまま私が死亡した場合、会社への貸付金は相続財産として相続税の課税価格に算入されるのでしょうか。もし貸付金が相続税の対象となるとしたら、生前にどのような対策をすべきでしょうか。

専門家の解答

税理士 三ツ本純

会社を経営されていて、その会社に対する貸付金があるとのことですね。会社と個人は別人格であるため、たとえ会社の資金繰りが苦しくても、個人に対して課される相続税の計算においては、貸付金は相続財産となってしまいます。仮に、会社からの返済が事実上困難で不良債権となっていたとしても、個別の事情を加味して相続財産としての評価額を減らすことは難しいと言わざるをえません。
実際に、会社が会社更生法による更生手続きや民事再生法による再生手続きに入っている場合や、破産手続きを開始しているのであれば、その貸付金を相続財産に含めないことができます。しかし、このような法的手続きに入っていない場合には、資金繰りが苦しくて返済できないからという理由で相続財産から除外することはできません。
もともと会社の経営状態が良いのであれば、個人からの貸付金が発生しないはずなので、よほど会社の経営が好転しない限りは、全額を返済してもらうのも難しいと思われます。

そこで、返済が難しい個人からの貸付金が相続財産として相続税の課税対象とならないようにするためには、①債権放棄、②会社を解散、③デット・エクイティ・スワップといった方法があります。

①債権放棄とは、個人から会社に対して債権放棄通知書とした書面を送付し、貸付金を放棄する方法です。個人からの債権放棄通知書を受け取ったのに合わせて、会社では借入金を消去する会計処理を行います。この方法では、会社にお金がなくても借入金を消去することができるうえ、特別な手続きを行う必要もないというメリットがあります。
一方で、借入金を消去した会社には債務免除益という利益が発生することとなります。会社がもともと赤字で、債務免除益が発生してもトータルで見れば赤字になる場合や、過去に発生した欠損金が多くあるために利益が生じても税金が発生しないのであれば問題ありませんが、そうでない場合は会社に法人税が発生することとなります。会社の状況について確認したうえで、実行するかどうかを判断するようにしましょう。

②会社を解散する際には、すべての債権と債務を消去することとなります。第三者に対する未払金や借入金については支払わなければなりませんが、経営者に対する借入金については支払ができなければ債務を消去し債務免除益を計上する処理を行います。ここまでは①の場合と同じですが、会社を清算する際には過去に発生した期限切れ欠損金を利用することができる可能性がため、法人税が発生しない場合があります。①の方法では法人税が発生する場合にも、この方法では法人税が発生しないケースがあるため、両者を比較してより負担の少ない方法を選択するといいでしょう。
なお、会社を解散しても、個人事業として行うか、新たに法人を設立するなどして事業を継続することは可能です。

③のデット・エクイティ・スワップとは聞き慣れない言葉かもしれません。日本語にすると、債務と資本を交換するという意味になります。会社が保有する借入金を会社の資本に組み入れるため、会社としては債務を減らし、純資産を増やす効果があります。
一方、会社に対する貸付金を保有していた個人は、保有財産が貸付金から会社の株式に変わります。貸付金の相続税評価額はその額面ですが、株式の相続税評価額は会社の保有する財産、経営状態の他社との比較を考慮して算定されます。

選択した方法によっては、会社に他の株主が存在する場合に、その株主に課税が発生することもあります。会社の状況や他の株主の有無も考慮して、最適な方法を選択してください。

専門家プロフィール

税理士 三ツ本純

税理士 三ツ本純

相続サポートセンター(ベンチャーサポート相続税理士法人) 税理士。昭和56年生まれ、神奈川県出身。
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