非嫡出子(ひちゃくしゅつし)とは、法律上の婚姻関係になかった人との間にできた子供のことをいいます。相続をめぐっては非嫡出子に相続分が認められるかどうかが問題となるケースは少なくありません。
用語の意味
非嫡出子とは、法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子供をいいます。婚外子という言葉で説明されることもありますが、事実婚の状態にある男女や婚姻届を提出する前の男女から生まれた子供も、法律上は非嫡出子に該当します。
嫡出子と非嫡出子の違いとは?
かつては、非嫡出子の法定相続分は嫡出子の相続分の2分の1とすると民法に規定されていました。しかし、この民法の規定は法の下の平等を保障した憲法に違反するという最高裁判所の判決が2013年に出たため、その後削除されています。そのため、嫡出子でも非嫡出子でも相続できる財産の割合に差はありません。
しかし、非嫡出子は父親または母親から認知されないと、父親または母親が亡くなった際に相続人になれないというデメリットがあります。この点は、父親または母親が亡くなった際に自然に相続人となる嫡出子とは取扱いが異なります。認知されると、非嫡出子は父親または母親の戸籍に認知されたことが記載されます。
また、認知されていない非嫡出子は法定相続人ではないことから、相続税を計算する際の基礎控除の計算(3000万円+600万円×法定相続人の数)や死亡保険金の非課税額の計算(500万円×法定相続人の数)における法定相続人の数にも含まれないこととなるため注意が必要です。