

東京弁護士会所属。東京都出身。
弁護士になる前、私は公務員として自治体業務に携わってきました。その経験から、法的な正しさだけでなく、社会的な公平性や、一人ひとりの生活に寄り添うことの重要性を深く理解しています。
立ち退き問題は、住まいや事業所といった生活の根幹に関わる問題であり、そこには多大な不安やストレスが伴います。私は「弁護士は敷居が高い」というイメージを払拭し、何でも気軽に話せる相談相手であることを常に心がけています。
複雑な法律用語を分かりやすく整理し、今後の見通しを丁寧にご説明した上で、依頼者様が「相談して良かった」と心から思える解決を目指します。公務員時代から大切にしている「誠実に向き合う」姿勢を貫き、皆様の正当な権利を守るために全力で取り組んでまいります。

賃借人が亡くなったときは、賃貸借契約は当然には終了せず、相続人間の協議によって契約の継続や終了が決まります。
相続人がいない場合や、相続人全員が相続放棄した場合でも、賃貸人が自ら残置物を処分すると罰則を受ける可能性があります。
ここでは、賃借人が死亡したときに必要となる手続きや相続人と締結する覚書などを解説します。
目次
賃借人が死亡したときでも、賃貸人は賃貸借契約を一方的に解除できません。
相続人の調査を行い、契約の継続や終了について相続人と交渉する必要があります。
相続人がいないときは、相続財産清算人を選任し、法的な手続きによって残置物の処分や契約の解除を進めていきましょう。
賃借人の地位は、相続財産として賃借人の相続人が承継します。
賃貸人が契約終了を望む場合、相続人と賃貸借契約の解除について交渉しなければなりません。
契約書で「賃借人が死亡したときは契約終了する」旨の特約を定めていても、借地借家法や公序良俗の観点から無効となる可能性が高いでしょう。
賃借人の地位を承継した相続人が物件へ居住するときは名義変更の覚書を、居住しないときは合意解約書を締結します。
相続財産清算人とは、承継人のいない相続財産を管理・清算するために利害関係者からの申立てによって家庭裁判所が選任する管理者です。
相続財産清算人は相続財産から賃貸人を含む利害関係者への弁済などを行い、最終的には物件が賃貸人へ明け渡しされます。
相続人がいないときや、相続人全員が相続放棄したときでも、賃貸人が勝手に残置物を処分すると自力救済とみなされる恐れがあります。
自力救済とは、法的な手続きによらず財産や権利の回復を実現する行為です。
後に相続人や残置物の所有者を名乗る者が現れたときにトラブルになる恐れがあるため、法的な手続きを経て残置物の処分や契約解除を行いましょう。
賃借人が死亡したときに契約を解除または継続するときの手続きの流れは以下の通りです。
以下の流れで相続人の意思確認から合意解約書の締結までを行いましょう。
<ステップ1>
入居時の書類などから相続人が判明しているときは、賃借人の死亡と今後の賃貸借について意思確認をしたい旨を連絡します。
相続人がわからないときは、賃借人の出生から死亡までの戸籍謄本を調査し、相続人の範囲を確定しなければなりません。
<ステップ2>
賃貸借契約を承継した相続人と賃貸人の間で、賃貸借契約の終了に関する合意書を締結します。
滞納家賃の支払や敷金の返還、残置物の処分方法、原状回復費用の清算方法などについても、合意解約書の内容として定めておきましょう。
家庭裁判所に相続財産清算人の選任を申し立て、残置物の処分や賃貸借契約の解除を行います。
申立てをするときは、相続人の不存在を証明するために戸籍謄本や相続放棄の申述受理証明書などの提出が必要です。
契約を継続するときは、同居の相続人のみでなく、相続人全員との間で手続きを進めなければならない点に注意しましょう。
<ステップ1>
賃借人と同居していた相続人のみでなく、相続人全員の遺産分割協議や遺言書の指定などで承継者が決まります。
<ステップ2>
賃借人の地位は相続人が当然に取得するため、法律上は覚書を締結しなくても有効に賃貸借契約が継続します。
一方で、契約書の名義が亡くなった方のままだと相続人のうち誰が賃借人の地位を承継したのか曖昧になります。
相続人がいる場合は名義変更の覚書を締結するのがおすすめです。
連帯保証人の義務は新たな賃借人に引き継がれないため、必要に応じて再度設定しましょう。
ここからは、合意解約書と名義変更の覚書について具体的な記載例をご紹介します。
賃借人の地位を承継した相続人と締結する合意解約書の記載例は以下の通りです。

物件の明け渡し日や、敷金の返還、原状回復費用の清算方法などを明確に定めておきましょう。
賃貸借契約の名義を賃借人から相続人へ変更する覚書の記載例は、以下の通りです。

滞納家賃がある場合、金額や支払期限を覚書に明記して債務の支払義務を明確にしておきましょう。
賃借人と締結していた原契約に変更がある場合、条項を追加して相続人との契約内容を定めます。

相続人との交渉や法的な手続きでは、個人が対応するとトラブルが発生するリスクもあるため弁護士への依頼がおすすめです。
弁護士に依頼したときの主なメリットは以下の通りです。
賃貸借契約の継続や解除を巡って相続人間で争いがある場合や、相続人と疎遠になっており連絡がつかない場合など、個人では対応が難しいケースもあります。
弁護士に依頼すると相続人の調査や対応、必要な書類準備や手続きなどを代行してもらえるため、賃貸人の労力や精神的負担が大幅に軽減されるでしょう。
戸籍の調査による相続人の特定や、相続人と締結する覚書の作成などで誤りがあると、手続きが将来的に無効となってしまうなどのリスクがあります。
相続財産清算人の選任は家庭裁判所に申し立てる必要があり、専門的な知見がなければ困難と言えるでしょう。
弁護士であれば適法に手続きや覚書の締結などを行えるため、賃貸人のリスクを最小限に抑えながら手続きを進められます。
賃借人が死亡したときは、相続人への通知や意思確認を行い、賃貸借契約の継続または解除に向けて適法に手続きを進めなければなりません。
残置物を勝手に処分すると、相続人や所有権を主張する者が現れたときにトラブルになるため法的な手続きに沿って処分を行いましょう。
相続人との交渉や相続財産清算人の選任の手続きなどは、弁護士に依頼すると賃貸人の負担を大幅に軽減できます。
弁護士事務所によっては初回無料相談を実施しているため、積極的に活用して弁護士との相性を確認するとよいでしょう。
VSG弁護士法人では、賃貸トラブルや相続手続きなどに精通した弁護士が親身になってお客様の問題解決をサポートします。