

東京弁護士会所属。東京都出身。
弁護士になる前、私は公務員として自治体業務に携わってきました。その経験から、法的な正しさだけでなく、社会的な公平性や、一人ひとりの生活に寄り添うことの重要性を深く理解しています。
立ち退き問題は、住まいや事業所といった生活の根幹に関わる問題であり、そこには多大な不安やストレスが伴います。私は「弁護士は敷居が高い」というイメージを払拭し、何でも気軽に話せる相談相手であることを常に心がけています。
複雑な法律用語を分かりやすく整理し、今後の見通しを丁寧にご説明した上で、依頼者様が「相談して良かった」と心から思える解決を目指します。公務員時代から大切にしている「誠実に向き合う」姿勢を貫き、皆様の正当な権利を守るために全力で取り組んでまいります。

建物から退去しない賃借人と立ち退きについて交渉し、和解し退去期日を設定しても、賃借人が退去せず居座り続けるケースもあるでしょう。
賃借人を法的に退去させるには、通常は建物明渡請求訴訟を提起し、勝訴判決を得た後に強制執行の申し立てを行わなければなりません。
一方で、当事者双方の合意が成立している場合、即決和解という簡易迅速な手続きで確定判決と同様の効果を得られます。
この記事では、即時和解のメリットとデメリットや、即時和解を行うための手続き方法などを解説します。
即決和解とは、「訴え提起前の和解」と呼ばれる民事訴訟法275条で規定された和解手続きです。
賃借人を強制退去させるには、原則として裁判所の強制執行手続きによらなければなりません。
即決和解は、通常訴訟と比べて簡易迅速に確定判決と同様の効力を得られるため、立ち退き交渉の実務で利用されるケースが多いです。
強制執行の申立てをするときは、執行の法的な根拠となる債務名義が必要です。
即決和解の成立によって作成される和解調書は、債務名義として利用できます。
裁判外での和解の場合、賃借人が退去期日を過ぎても居座り続けると、建物明渡請求訴訟を提起しなければなりません。
勝訴判決の確定後も退去しない場合、確定判決を債務名義として強制執行の申立てを行い、執行官による強制退去の実施によって物件が返還されます。
一方即決和解は、簡易裁判所で行なわれる和解手続きです。
この際の和解調書が強制執行の債務名義とみなされるため、訴訟を提起せずに強制執行の申立てができます。
当事者間の合意に強制執行につながる効力を持たせる文書として、公正証書を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
公正証書に、債務者が「履行を怠ったときは直ちに強制執行に服する」旨を記載することで、一定の金銭債務などについて、債務名義として強制執行を申し立てる際に利用できます。
ただし、公正証書に基づく強制執行の対象に、建物の明渡しは含まれていません。
建物の明渡しは非金銭債務であるためで、立ち退きの合意に強制執行力を持たせるには、即決和解の手続きを利用するのが一般的です。
即決和解は簡易迅速に進められるメリットがある手続きですが、賃借人との関係によっては訴え提起前の和解が困難なケースもあります。
即決和解のメリットとデメリットを把握して通常訴訟と比較し、最適な方法を選択しましょう。
即決和解は通常訴訟と比べて簡易迅速な手続きであり、主に以下のようなメリットがあります。
即決和解が成立して作成される和解調書には確定判決と同一の効力があり、債務名義として強制執行の申立てができます。
裁判外の和解では、成立後に賃借人が約束を反故にするリスクもあるでしょう。
即決和解の手続きをしておくと、賃借人が約束を反故にしない抑止力になるとともに、実際に居座り続けた際に対処できます。
即決和解を簡易裁判所に申し立てた後、おおよそ1〜2カ月ほどで手続きは完了します。
一方で、通常の建物明渡請求では以下のように時間がかかるケースも珍しくありません。
訴えの提起前に相手方との和解が成立していると、即決和解の方が通常訴訟より迅速に手続きが完了します。
通常訴訟で解決までの期間が長くなると、手続きが複雑な上に、労力のみではなく弁護士報酬などの費用も増える傾向にあります。
即決和解は比較的短期間で手続きが完了するため、費用も通常訴訟より割安になるケースが多いでしょう。
即時和解には、以下のようなデメリットもあります。
即決和解は、当事者間で和解した内容について条項案を作成し、裁判所の認定を得て成立します。
条項案の作成は弁護士などの専門家に依頼できますが、前提として当事者間の希望条件を話し合いによって調整しなければなりません。
当事者間の希望条件が一致せず、双方が譲歩できないときは交渉が難航するケースもあるでしょう。
即決和解が成立するためには、原則として裁判所での和解期日に当事者双方が出頭しなければなりません。
突然の事情により出頭できなくなったときは延期の申し入れができますが、出頭を拒否されると即決和解は不成立とみなされる可能性があります。
相手方に出頭してもらうには、以下の点を賃借人に理解してもらう必要があるでしょう。
個人で相手方と交渉をするときは労力や精神的負担もかかりますが、弁護士に交渉代行を依頼すると負担を大幅に軽減できます。
ここからは、和解交渉から裁判所での期日出頭など即決和解の手続きについてご紹介します。
裁判所に即決和解の申立てをする前に、当事者間で次のような和解条件について話し合います。
立ち退き料の支払日は、退去前にすると支払後に賃借人が退去しないなどのトラブルにつながる恐れがあるため、退去期日以降に設定しておきましょう。
一方で、退去費用の不足を理由に賃借人が立ち退きしない場合は、立ち退き料の一部を先払いにすると合意を得やすくなる可能性があります。
期日までに退去しなかった場合の違約金や強制執行について定めておくと、約束の反故や建物への居座りの抑止にもつながります。
現実的ではない条件を設定すると、相手が和解に応じてくれません。
交渉の中で相手の譲れない条件やこちら側が譲歩できる限度なども考えておきましょう。
和解条件について双方が納得した後、明け渡しの合意書にまとめます。
以下のような書類を相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に提出して、即決和解の申立てを行います。
裁判所に納付する手数料として、申立手数料や返信用の郵便代などが数千円程度かかります。
必要書類は事案によって異なるため、弁護士に確認しましょう。
申立て書類の審査が完了した後、簡易裁判所と当事者の間で和解期日の調整が行なわれます。
和解期日の決定後、申立人は以下の書類を裁判所へ提出しなければなりません。
書類提出後、簡易裁判所から期日呼出状と和解条項が当事者へ発送されます。
和解期日には裁判所へ当事者双方が出頭し、和解条項について合意の意思を確認した後、裁判所の認定により即決和解が成立します。
弁護士を代理人とする場合は、本人の出頭が不要なケースが多いでしょう。
出頭しなければならない期日の回数は、原則として1回のみです。
即決和解の成立後、和解調書の正本が発行されるため、大切に保管しておきましょう。

立ち退き問題にお困りのときは、専門家である弁護士への相談がおすすめです。
即決和解は、賃借人と賃貸人の和解成立を前提として裁判所へ申し立てる手続きです。
和解を成立させるためには、交渉によって双方が納得した上で合意書の作成などを進めなければなりません。
個人が直接交渉しようとすると、合理的な立ち退き料の算定や法的な要件を満たした合意書の作成などが難しいケースもあるでしょう。
相手方との感情的な対立や合意書の不備などにより、将来的にはトラブルに発展するケースも珍しくありません。
弁護士に依頼すると、過去の判例などの根拠に基づいた立ち退き料やその他条件などを提示できるため、交渉が円滑に進みます。
交渉には時間的・精神的な負担がかかるケースがほとんどですが、弁護士の代行によって負担を大幅に軽減できるでしょう。
管理会社が法的な交渉などを代行すると、非弁行為に該当して処罰される可能性があります。
非弁行為とは、弁護士資格を持たない者が弁護士の独占業務である交渉や法律事務などの報酬を得て代行する行為です。
直接的な報酬のみでなく、手数料や仕事の紹介など間接的な報酬なども幅広く含みます。
相手方と合意した内容が無効となり、将来的にトラブルが生じるリスクが高くなるため、正式な資格を持つ弁護士に依頼しましょう。
立ち退き問題は、重大なトラブルが発生して相手方との話し合いが困難になる前に弁護士へ相談しましょう。
口約束や簡易な合意書のみでは、相手が義務を履行しないときに対処が難しいケースもあるため、合意文書の作成が重要です。
手続きの不備や交渉の決裂などを避けるため、立ち退き問題に強い弁護士へ相談して確実な明け渡しと補償を実現しましょう。VSG弁護士法人では、初回無料相談を実施しています。
立ち退き問題でお困りの方は、初回無料相談を積極的に活用して弁護士との相性などを確認しましょう。
即決和解の手続きを検討されている方は、賃貸人との交渉実績が豊富なVSG弁護士法人にご相談ください。