

東京弁護士会所属。イギリス(ロンドン)出身。
立ち退きは、人生という演劇における「幕間のセットチェンジ」のようなものです。次の新しいステージへスムーズに、かつ最良の状態で進むためには、適切な準備とプロフェッショナルによる調整が欠かせません。
私は都内の大規模・中堅法律事務所で培った高度な法的知見を活かし、居住用から事業用まで、数多くの「立ち退き料増額交渉」や「建物明渡し」の問題に取り組んできました。
「どれくらいの金額が妥当なのか」「いつまでに明け渡すべきか」といった不安に対し、法律の専門家として明確な見通しをスピーディーに提示いたします。皆様が正当な権利を守り、納得して次の一歩を踏み出せるよう全力でサポートいたします。ぜひ一度ご相談ください。

賃貸物件の借主が大家や他の入居者に対して迷惑行為を繰り返している場合、借主に立ち退いてもらいたいと考える大家もいるでしょう。
借主に立ち退きを求めるときは、単に迷惑行為があったのみでなく、迷惑行為によって大家と借主の信頼関係が破壊されたと認められる必要があります。
借主の立ち退きへの合意なしに、大家が勝手に鍵の交換や荷物の搬出などを行うと違法になるため、法的な明け渡し手続きを行いましょう。
ここでは、借主の迷惑行為による立ち退きの基準や手続きの流れなどをご紹介します。
目次
借主への立ち退き要求は、立ち退きを求めるのにやむを得ないと認められる正当事由や契約違反などの行為があるときに認められます。
たとえば、以下のようなケースです。
借主と大家の信頼関係が修復不可能なほど破壊されているかが最大の争点となります。
具体的な内容を確認していきましょう。
近隣住民の迷惑となる大音量の音楽やゴミの放置、悪臭、暴言などの行為は、一般的に賃貸借契約書で禁止されています。
迷惑行為は他の入居者の退去原因となり、大家の損害に繋がるためです。
迷惑行為について大家から何度も警告があったにも関わらず改善されない場合、信頼関係が破壊されるほど悪質だと認められる可能性があるでしょう。
賃貸契約は借主と大家の信頼関係に基づく契約であり、大家と面識のない第三者に無断転貸する行為は重大な契約違反です。
契約者以外の無断同居やペット禁止物件でのペット飼育も違反行為となり、契約が解除される事由となります。
家賃の支払いを失念してしまった場合、初回は大家に連絡をしてすぐに振込みをすれば通常は退去までは求められないケースが多いでしょう。
以下のように、大家からの支払督促を無視し続けているときは信頼関係の破壊が認められる可能性があります。
迷惑行為による立ち退きが認められるには、感情論ではなく客観的な証拠を基に信頼関係が破壊されたと認定される必要があります。
具体的な要件の内容を確認していきましょう。
賃貸借契約は、売買契約などのように単発の契約ではなく、長期的な継続や人的な信頼関係を前提としているケースが多いです。
長期的な継続が困難になるような信頼関係の破壊があると、契約の解除や立ち退き要求が認められる原因となります。
賃貸借契約でトラブルが起きた場合、大家と借主の信頼関係が破壊されたと認められるかが重要な基準となるでしょう。
軽微な違反や、単に感情を害する行為があったのみでは、原則として信頼関係が破壊されたとは認められません。
大家と借主の信頼関係が修復不可能なほど破壊され、契約の継続が困難であるときに解除や立ち退きが認められます。
たとえば、違反行為があっても大家からの改善勧告にすぐに応じた場合、信頼関係の破壊まで認定されるケースは少ないかもしれません。
過去の判例から、大家からの改善勧告を無視し続け、将来的な改善が見込めないケースなどで信頼関係の破壊が認められる可能性があります。
借主が不法な迷惑行為をしていても、大家が勝手に部屋の鍵を交換するなど自力で退去させる行為は禁止されています。
裁判上の争いとなった場合、かえって大家の立場が不利になってしまう可能性もあるため、必ず法的な手続きによって解決しましょう。
大家への暴力から信頼関係の破壊が認められ、契約の解除と立ち退きが認められた判例があります。
事例事件名:家屋明渡等請求,同附帯控訴事件
共同賃借人のうち1人が大家へ暴力を振るい、ガレージを無断で築造した行為について、信頼関係の破壊が認められました。
共同賃借人の1人は、家屋の明け渡しを巡る紛争から大家に暴力をふるいました。
その後に大家からの抗議にも関わらず、ガレージを無断で築造した事件です。
賃借人の家屋の用法は、義務違反のみだけでは済みません。
大家の抗議を無視する態度から将来的な信頼関係の回復も期待できないとして賃貸借契約の即時解除が認められました。

迷惑行為を繰り返す借主について、法的な手段で立ち退きに至るまでの流れは以下の通りです。
それぞれの内容を見ていきましょう。
迷惑行為の証拠は、借主に改善勧告を行うときや裁判上の争いとなったときに重要となります。
たとえば以下のように、裁判官に納得してもらえる客観的な証拠の質が結果に大きく影響するでしょう。
監視カメラの設置や、スマホでの動画撮影なども有効な証拠として採用されます。
証拠を収集した後は、管理会社や弁護士などを通じて借主に改善勧告を行います。
裁判上の争いになったときに、勧告の事実が「改善の機会を与えた」という有利な証拠として結果に影響します。
改善勧告は、裁判上の証拠として利用するために内容証明郵便で送付されるケースが多いです。
弁護士に依頼した場合は、弁護士名義で内容証明郵便を送付してもらえるため、法的手段も辞さないというプレッシャーを与えられるでしょう。
大家が直接借主に改善勧告を行うとトラブルになる可能性もあるため、できる限り弁護士などの第三者を介する方法が望ましいです。
借主が迷惑行為を止めない場合、賃貸借契約の解除通知を送付します。
解除通知は、送付日や通知内容を証拠として残すために内容証明郵便で送付するのが一般的です。
迷惑行為による契約解除は、債務不履行による解除として借主の帰責性が大きいため、原則として立ち退き料は発生しません。
貸主に正当事由があって退去を求めるときは、通常は立ち退き料の支払いが必要になる点と区別しましょう。
借主が建物の明け渡しをしない場合、裁判所へ建物明け渡し請求訴訟を提起します。
訴訟手続きでは、賃貸借契約書や迷惑行為の証拠などの資料を基に審理が行われます。
大家が勝訴すると、借主へ建物を明け渡すよう命令が下されます。
早期解決を望む場合、借主と和解条件を交渉する方法もあるでしょう。
和解交渉では、退去期日や迷惑行為による慰謝料など柔軟に条件を設定でき、訴訟手続きよりも早く解決できる可能性があるのがメリットです。
勝訴判決の後、借主から自発的に建物が明け渡される場合もありますが、そうではないときは裁判所に退去の強制執行の申立てを行います。
退去の強制執行とは、裁判所の執行官によって強制的に家財の搬出や鍵の交換を行い、借主を立ち退きさせる手続きです。
強制執行を実行するには数十万円ほどの費用がかかり、大家が建て替えなければなりませんが、実行後に借主へ請求できます。
借主による迷惑行為がある場合、放置すると他の優良な入居者が退去してしまい、物件の資産価値を毀損する恐れがあります。
大家が自力で借主を退去させる行為は違法であり、かえって大家が不利になってしまうため、法的な手段によって明け渡しを求めましょう。
借主の迷惑行為にお困りの方は、賃貸トラブルの解決実績が豊富なVSG弁護士法人にご相談ください。
トラブルが発生してしまうと、借主が態度を硬化させる恐れがあります。
できる限り早く弁護士に相談し、立ち退き料なしに明け渡しを実現するための証拠固めから着手しましょう。