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底地の立ち退き料の相場はいくら?計算方法や増額のコツを解説

弁護士 水流恭平

この記事の執筆者 弁護士 水流恭平

東京弁護士会所属。イギリス(ロンドン)出身。
立ち退きは、人生という演劇における「幕間のセットチェンジ」のようなものです。次の新しいステージへスムーズに、かつ最良の状態で進むためには、適切な準備とプロフェッショナルによる調整が欠かせません。
私は都内の大規模・中堅法律事務所で培った高度な法的知見を活かし、居住用から事業用まで、数多くの「立ち退き料増額交渉」や「建物明渡し」の問題に取り組んできました。
「どれくらいの金額が妥当なのか」「いつまでに明け渡すべきか」といった不安に対し、法律の専門家として明確な見通しをスピーディーに提示いたします。皆様が正当な権利を守り、納得して次の一歩を踏み出せるよう全力でサポートいたします。ぜひ一度ご相談ください。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/tsuru/

地主から底地の立ち退きを求められ、立ち退き料の相場や計算方法、増額交渉について弁護士へ相談を検討している借地人のイメージ画像

この記事でわかること

  • 底地の立ち退き料の相場・計算方法がわかる
  • 立ち退き料の増額を目指すためのポイントがわかる
  • 立ち退き料を受け取ったら税金はかかるのかがわかる

長年利用してきた土地について、地主から「立ち退いてほしい」と求められた場合、「立ち退き料はいくらもらえるのだろう」「提示された金額は妥当なのだろうか」と悩む方も多いでしょう。

もっとも、立ち退き料には一律の相場があるわけではありません。土地の価値や借地権の評価額、建物の状況、移転費用などさまざまな事情を考慮して決まるため、ケースによって大きく異なります

この記事では、立ち退き料の相場や計算方法、具体的なシミュレーション、増額交渉のポイント、税金の取扱いについて、立ち退きにくわしい弁護士がわかりやすく解説します。

目次

立ち退き料の相場はいくら?

立ち退き料には明確な相場がありません。土地の価値や借地権の評価額、建物の利用状況、地主が立ち退きを求める理由などによって金額が大きく変わるためです。

また、同じ地域や似た条件の土地であっても、借地契約の内容や契約期間、建物の用途などによって補償額は異なります。そのため、「立ち退き料は〇万円程度が相場」と一律に示すことは難しく、個別の事情を踏まえて判断する必要があります。

底地の立ち退きでは、借地人が借地権という財産的価値のある権利を失うことになるため、借地権価格が立ち退き料を検討する際の重要な基準となります。もっとも、立ち退き料は借地権価格だけで決まるものではありません。

実際には、建物の移転費用や引越し費用、移転後の賃料増加分に対する補償、店舗や事業所であれば営業損失に対する補償なども考慮されます。そのため、立ち退き料が数百万円程度にとどまるケースもあれば、数千万円を超えるケースもあります。

立ち退き料の内訳・計算方法

立ち退き料は、単に土地を明け渡すことに対して支払われるものではありません。借地人が立ち退きによって失う権利や利益、移転に伴って発生する費用などを考慮して決定されます。

もっとも、立ち退き料の算定方法は法律で一律に定められているわけではなく、地主と借地人との交渉によって決まるのが一般的です。そのため、どのような補償項目を含めるかによって金額は大きく変わります。

ここでは、立ち退き料として考慮されることが多い代表的な項目について解説します。

借地権を失うことに対する補償

立ち退き料の中で最も重要な項目となるのが、借地権を失うことに対する補償です。

借地人は、借地契約によって他人の土地を利用する権利を有しており、この借地権には財産的価値があります。そのため、地主の都合によって土地を明け渡す場合には、失われる借地権の価値を踏まえた補償が検討されます。

借地権の価値を算出する際には、土地の更地価格と借地権割合を参考にすることが一般的です。

借地権価格=更地価格 × 借地権割合

たとえば、更地価格が1,000万円、借地権割合が60%であれば、借地権価格は600万円となります。借地権割合は、国税庁が公表している「路線価図・評価倍率表」で確認できます。

もっとも、実際の立ち退き料が借地権価格と同額になるわけではありません。地主・借地人双方の事情や建物の利用状況、交渉経緯なども考慮しながら補償額が決められます。

建物移転や引越しにかかる費用

立ち退きによって転居や移転が必要となる場合には、そのために生じる費用も立ち退き料に含まれることがあります。

具体的には、引越業者への支払い、荷物の運搬費用、不用品処分費用などが挙げられます。また、新たな住居や事業所を契約するために必要な仲介手数料、敷金、礼金などが補償対象として検討されることもあります。

これらの費用は、家族構成や移転距離、移転先の条件によって大きく異なるため、実際の見積書や契約資料をもとに算定することが重要です。

移転後の賃料増加分に対する補償

立ち退き後に利用する土地や建物の費用負担が増える場合には、その差額について補償が認められることがあります。

たとえば、現在より条件の近い物件を探した結果、毎月の賃料が高くなるケースも少なくありません。このような場合には、立ち退きによって生じる経済的負担を軽減するため、一定期間分の差額を立ち退き料として請求することがあります。

賃料差額の補償額=月額の差額 × 補償期間

たとえば、移転によって毎月5万円の負担増となり、それを2年間補償する場合には、120万円が補償額の目安となります。

ただし、補償期間や算定方法に明確な基準はなく、個別事情や交渉内容によって大きく変わります

店舗・事業所の移転に伴う営業損失の補償

借地を店舗や事業所として利用している場合には、営業上の損失に対する補償も問題となります。

移転によって一時的に営業を停止しなければならない場合や、移転後に顧客が減少する場合には、事業に大きな影響が生じるためです。

営業補償として考慮されるものには、次のような費用があります。

  • 休業期間中の売上減少分
  • 休業期間中の人件費
  • 設備や内装の移設費用
  • 移転先での広告宣伝費
  • 営業再開後に売上が安定するまでの損失 など

事業内容や規模によって損害額は大きく異なるため、営業補償の金額は立ち退き料の中でも特に争いになりやすい項目です。適正な補償額を検討するためには、売上資料や決算書などの客観的な資料を準備しておくことが重要です。

【計算例】立ち退き料シミュレーション

ここでは、居住用の借地について立ち退きを求められたケースを例に、立ち退き料のシミュレーションを見てみましょう。

前提条件
・土地の評価額(更地価格):6,000万円
補償項目金額の目安
借地権を失うことに対する補償2,400万~4,200万円 
建物移転・引越し費用50万~100万円
新居に関する費用100万~200万円
想定される立ち退き料総額約2,550万~4,500万円

上記はあくまで一例ですが、立ち退き料の大部分は借地権に対する補償が占めることが一般的です。一方で、引越し費用や新居の契約費用なども無視できない金額となるため、立ち退きによって発生する支出を漏れなく整理することが重要です。

また、店舗や事業所として利用している借地の場合には、これに加えて営業損失に対する補償が認められることもあります。そのため、実際の立ち退き料は今回のシミュレーションを大きく上回るケースもあります。

底地の地主が立ち退きを求める際に必要な「正当事由」とは?

借地契約では、地主が「土地を返してほしい」と希望しただけで借地人を立ち退かせることはできません。地主が契約更新を拒絶したり、借地契約の終了を求めたりするためには、「正当事由」が必要です。正当事由とは、借地契約を終了させることが合理的であると認められる事情をいいます。

そして、正当事由の有無は、地主側と借地人側の事情を比較しながら総合的に判断されます。主な判断要素は次の4つです。

  • 地主と借地人の土地利用の必要性
  • 借地契約の締結から現在までの経緯
  • 土地の利用状況
  • 立ち退き料など補償の申し出があるか

以下、それぞれについて解説していきます。

地主と借地人の土地利用の必要性

正当事由を判断するうえで、最も重要な要素が地主と借地人の双方の必要性です。地主がどの程度その土地を必要としているのか、また借地人がどの程度借地を利用し続ける必要があるのかを比較して判断します。

地主側に有利に働く事情

  • 地主自身や親族が居住する住宅を建築する予定がある
  • 会社の事務所や工場、店舗の拡張のために土地が必要である
  • 再開発や建替え計画が具体的に進んでいる
  • 借地人自身は建物に住んでおらず、第三者へ賃貸している
  • 借地人が他にも住居や事業用不動産を所有している

借地人側に有利に働く事情

  • 借地上の建物に自ら居住している
  • 借地以外に住居や事業拠点を所有していない
  • 高齢や病気、介護などの事情で移転が困難である
  • 長年その場所で生活や事業を営んでいる
  • 地主が他にも土地や建物を所有しており、その土地を利用する必要性が低い

たとえば、地主が「土地を更地にして高値で売却したい」と考えているだけの場合には、正当事由が認められにくい傾向があります。一方で、地主自身が居住する住宅を建築する必要がある場合には、地主側の必要性が強く評価される可能性があります。

借地契約の締結から現在までの経緯

借地契約がどのような経緯で結ばれ、その後どのように継続してきたかも判断材料となります。契約締結時の事情や、借地人が契約内容を守ってきたかどうかなどが考慮されます。

地主側に有利に働く事情

  • 地主が借地人の経済的事情に配慮して特別に土地を貸していた
  • 地代が近隣相場より著しく低い
  • 借地人が地代を滞納したことがある
  • 契約で定めた用途に反する利用をしていた
  • 更新料の支払いが行われていない

借地人側に有利に働く事情

  • 借地契約時に権利金を支払っている
  • 長年にわたり地代を滞納したことがない
  • 更新料を継続的に支払ってきた
  • 契約内容を守って土地を利用している
  • 地主とのトラブルがなく良好な関係を維持してきた

たとえば、数十年にわたって地代を支払い続け、更新時にも適切に手続きを行ってきた借地人については、借地契約を継続すべき必要性が強いと評価される可能性があります。

土地の利用状況

現在の土地や建物の利用状況も重要な判断要素です。土地がどのように利用されているのか、建物が適切に管理されているのかなどが考慮されます。

地主側に有利に働く事情

  • 建物が営業用として利用されている
  • 建物が低層で、土地の利用効率が低い
  • 建物が建築基準法に違反している
  • 建物の老朽化が著しい
  • 長期間空き家になっている

借地人側に有利に働く事情

  • 建物を自宅として利用している
  • 建物が適切に維持管理されている
  • 建物の耐用年数が十分に残っている
  • 土地を継続的かつ有効に利用している
  • 立ち退きによる生活への影響が大きい

たとえば、周辺地域では高層マンションや商業施設が建設されているにもかかわらず、対象地だけが老朽化した平屋建てのまま利用されている場合には、地主側の事情が考慮されることがあります。

もっとも、その場合でも地主には明渡し後の具体的な利用計画が求められます。

立ち退き料など補償の申し出があるか

地主が借地人の不利益を補う意思を示しているかどうかも判断材料の一つです。ここでいう補償には、立ち退き料だけでなく、代替地の提供や移転費用の負担なども含まれます。

地主側に有利に働く事情

  • 借地権の価値に見合った立ち退き料を提示している
  • 引越し費用や移転費用の負担を申し出ている
  • 代替地や代替物件を用意している
  • 営業補償なども含めた提案を行っている

借地人側に有利に働く事情

  • 立ち退き料の提示がない
  • 提示額が著しく低い
  • 移転に伴う費用負担への配慮がない
  • 代替地や代替物件の提案がない

たとえば、地主が借地権の価値を無視して数十万円程度の立ち退き料しか提示していない場合には、正当事由を補強する事情としては弱いと考えられます。

一方で、借地権の補償に加えて引越し費用や代替物件の確保まで提案している場合には、地主側に有利な事情として考慮される可能性があります。

ただし、立ち退き料はあくまで補助的な要素です。どれだけ高額な立ち退き料を提示していても、それだけで正当事由が認められるわけではない点には注意が必要です。

立ち退き料の増額を目指すためのポイント

立ち退き料は法律で金額が定められているものではなく、地主と借地人との交渉によって決まるのが一般的です。そのため、借地人側の事情や立ち退きによる不利益を適切に主張することで、立ち退き料の増額につながる可能性があります。

ここでは、立ち退き料の増額を目指す際に押さえておきたいポイントを解説します。

借地を利用し続ける必要性を具体的に伝える

立ち退き料の交渉では、「なぜ借地を利用し続ける必要があるのか」を具体的に示すことが重要です。たとえば、借地上の建物に家族と長年居住している場合や、高齢・病気などの事情から転居が容易ではない場合には、立ち退きによる不利益が大きいといえます。

また、店舗や事業所として利用している場合には、「移転すると顧客が離れる可能性がある」「近隣に代替物件が見つからない」などの事情も考慮されることがあります。

主張できる事情の例

  • 借地上の建物が唯一の住居である
  • 高齢や介護などの事情で転居が難しい
  • 長年その地域で生活している
  • 事業の継続に借地が不可欠である
  • 近隣に代替物件が見つからない

立ち退きによって受ける影響が大きいことを具体的に説明できれば、交渉において有利に働く可能性があります。

更新料を支払ってきた実績を示す

これまで更新料を支払ってきた実績がある場合には、その事実が立ち退き交渉で有利に働く可能性があります。

更新料は、借地契約を継続する際に借地人が負担する費用です。長年にわたって更新料を支払いながら借地を利用してきたという事実は、借地人が契約の継続を前提として生活や事業を営んできたことを裏付ける事情といえます。

また、更新料だけでなく、これまで地代を滞納することなく支払ってきた実績や、契約内容を守りながら土地を利用してきた経緯も重要です。こうした事情は、借地人が契約を誠実に履行してきたことを示すものであり、地主側の都合によって立ち退きを求められる場合には、より手厚い補償が必要であるという主張につながる可能性があります。

借地契約書や更新契約書、更新料の領収書、地代の支払記録などを整理し、長年にわたって適切に借地を利用してきたことを客観的な資料によって示せるようにしておくとよいでしょう。

早期の明渡しと引き換えに条件交渉を行う

地主が早期の明渡しを希望している場合には、その事情を交渉材料として活用できる可能性があります。

地主としては、建替えや再開発、土地の有効活用などの計画を進めるために、できるだけ早く土地の明渡しを受けたいと考えていることが少なくありません。そのため、借地人が早期の退去に協力する代わりに、立ち退き料の増額や追加補償を求められる場合があります。

たとえば、「一定期間内に退去する代わりに立ち退き料を上乗せしてほしい」「引越し費用や新居の契約費用も負担してほしい」といった条件を提示することも考えられます。また、退去までの地代の減額や免除などが交渉の対象となるケースもあります。

立ち退き交渉では、単純に提示金額の増額を求めるだけでなく、退去時期や移転に伴う負担も含めて総合的に条件を調整することが重要です。地主が早期の明渡しを強く望んでいる場合ほど、借地人にとって有利な条件で合意できる可能性があります。

建物買取請求権の行使も検討する

借地契約が終了する場合には、建物買取請求権を行使できる可能性があります。

建物買取請求権とは、借地人が地主に対して借地上の建物を時価で買い取るよう求めることができる権利です。たとえば、借地人が自費で建築した住宅や店舗について、立ち退きに伴って取り壊さなければならない場合でも、一定の要件を満たせば地主に買取りを請求できることがあります。

建物買取請求権が認められる場合には、建物価格が実質的に立ち退き料へ上乗せされる結果となるため、交渉上の重要なカードとなります。

もっとも、すべてのケースで行使できるわけではなく、借地契約の内容や終了原因によっても結論が異なります。そのため、建物買取請求権の利用を検討する際には、事前に弁護士へ相談することをおすすめします。

立ち退き料を受け取ったら税金はどうなる?

立ち退き料は原則として課税対象です。ただし、受け取った立ち退き料のすべてが同じ税金の対象になるわけではありません。

立ち退き料は、その性質によって主に次の3つに分類されます。

  • 借地権を失うことに対する補償:譲渡所得
  • 営業上の損失に対する補償:事業所得
  • 引越し費用など上記以外の補償:一時所得

どの所得に該当するかによって計算方法や税負担が変わるため、まずは立ち退き料の内訳を確認することが重要です。

譲渡所得税|借地権の消滅に対する補償として受け取った場合

借地人が立ち退きによって借地権を失い、その対価として立ち退き料を受け取る場合には、譲渡所得として扱われることがあります。借地権には財産的価値があるため、税務上は「借地権を地主へ譲渡した」と考えられるためです。

譲渡所得税は、以下のような計算式で算出します。

譲渡所得税=譲渡所得 × 税率

譲渡所得

譲渡所得は、受け取った立ち退き料から取得費や譲渡費用を差し引いて計算します。

税率

譲渡所得税率は、借地権の保有期間によって異なります。立ち退き料を受け取る年の1月1日時点で、保有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得、5年以下であれば短期譲渡所得として扱われます。

区分所得税住民税
長期譲渡所得15%5%
短期譲渡所得30%9%

参照:土地や建物を売ったとき|国税庁

なお、居住用として利用していた借地権については、一定の要件を満たすことで3,000万円特別控除などの特例が利用できる場合があります。

適用できる特例の有無によって税額が大きく変わることもあるため、具体的な申告方法については税理士や税務署へ確認することをおすすめします。

事業所得税|営業補償として受け取った場合

借地上で店舗や事業所を運営している場合、立ち退きによって発生する営業上の損失に対する補償金を受け取ることがあります。たとえば、休業による売上減少分や従業員の人件費、営業再開までに必要な費用などを補填するための金銭がこれにあたります。

このような営業補償として受け取った立ち退き料は、一般的に事業所得として課税対象になります。 事業所得税は、以下のような計算式で算出します。

事業所得税=事業所得 × 税率

参照:No.2260 所得税の税率|国税庁

事業所得

事業所得は、総収入金額から必要経費を差し引くことで算出します。総収入金額とは、それぞれの事業から生ずる売上金額のことです。

税率

事業所得税率は、課税される所得金額によって5%〜45%で変動します。

なお、営業補償は損失を補填するための性質が強いため、通常は消費税の課税対象にならないと考えられています。もっとも、支払われた金銭の内容によっては税務上の取扱いが異なる場合もあるため、注意が必要です。

一時所得|その他

借地権の譲渡対価や営業補償に該当しない部分については、一時所得として扱われることがあります。代表的なのが、引越し費用や転居に伴う諸費用などを補うために支払われる補償金です。

一時所得の課税対象額は、次の計算式で求めます。

一時所得 = 総収入金額 − 支出した費用 − 特別控除額(最高50万円)

参照:No.1490 一時所得|国税庁

さらに、計算によって求めた金額の2分の1を他の所得と合算して所得税や住民税を計算します。

もっとも、実際の立ち退き料には複数の性質の補償金が含まれていることも少なくありません。どの部分が譲渡所得・事業所得・一時所得に該当するのかによって税額は大きく変わるため、不明な場合には税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。

立ち退き交渉を弁護士に相談するメリット

立ち退き料には明確な基準がなく、借地権の価値や個別事情によって金額が大きく変わります。そのため、適切な補償を受けるためには専門的な知識が必要となる場面も多くあります。

ここでは、立ち退き交渉を弁護士に相談・依頼する主なメリットを解説します。

立ち退き料を増額できる可能性がある

弁護士に相談する最大のメリットの一つが、立ち退き料の増額を目指せることです。

地主から提示された金額は、必ずしも適正な金額とは限りません。借地権の価値や引越し費用、移転による不利益などが十分に考慮されていないケースもあります。

弁護士であれば、借地権価格の評価や過去の裁判例などを踏まえながら、適切な立ち退き料を検討できます。また、借地人に有利となる事情を整理したうえで交渉を進めるため、自分だけで対応する場合よりも有利な条件で解決できる可能性があります。

特に、地主側が不動産会社や弁護士を立てている場合には、借地人側も専門家のサポートを受けたほうがよいでしょう。

交渉を任せることで精神的な負担も軽減できる

立ち退き交渉は、想像以上に大きな精神的負担を伴います。長年住み続けた自宅や事業所の移転を求められること自体が大きなストレスであるうえ、地主との交渉が長期間に及ぶことも少なくありません。

また、「提示された条件で応じるべきなのか」「どこまで主張してよいのか」と悩み続ける方も多くいます。

弁護士に依頼すれば、地主や地主側代理人とのやり取りを任せることができます。そのため、直接交渉による精神的な負担を軽減しながら、冷静に今後の対応を検討しやすくなります

調停や訴訟に発展した場合も対応できる

立ち退き交渉がまとまらない場合には、調停や訴訟へ発展する可能性があります。実際に、正当事由の有無や立ち退き料の金額について当事者間で意見が対立し、裁判所で争われるケースも少なくありません。

調停や訴訟では、借地契約の経緯や土地利用の必要性、借地権の価値などについて法的な主張や立証が必要になります。こうした手続きに個人だけで対応することは容易ではありません

弁護士に依頼していれば、交渉段階から一貫してサポートを受けることができます。万が一、調停や訴訟に発展した場合でも、状況に応じた適切な主張や証拠提出を任せられるため、より有利な解決を目指しやすくなるでしょう。

立ち退き料に関してよくある質問(Q&A)

Q. 借地上の建物が古くても立ち退き料は受け取れる?

建物が古いからといって、直ちに立ち退き料を受け取れなくなるわけではありません。立ち退き料は建物の価値だけで決まるものではなく、借地権の価値や移転に伴う不利益なども考慮して決定されます。

もっとも、建物の状態は立ち退き料の金額に影響することがあるため、具体的な補償額については個別の事情に応じて判断されます。

Q. 立ち退き料の提示がある場合、必ず立ち退かなければならない?

いいえ。地主から立ち退き料を提示されたとしても、必ず立ち退かなければならないわけではありません。
地主が借地人に明渡しを求めるためには、借地借家法上の「正当事由」が必要です。立ち退き料は正当事由を補完する事情の一つにすぎず、高額な立ち退き料を提示しただけで明渡し請求が認められるわけではありません。

Q. 提示された立ち退き料に納得できない……どうすればよい?

提示された立ち退き料に納得できない場合は、すぐに合意せず、まずは金額の根拠を確認しましょう。

立ち退き料には借地権の補償や引越し費用などが含まれるため、提示額が適正とは限りません。借地を利用し続ける必要性や移転による不利益を踏まえて、増額交渉ができる可能性もあります。

まとめ 立ち退き料の増額交渉は弁護士に任せるのがおすすめ

立ち退き料には明確な相場がなく、借地権の価値や引越し費用、移転による不利益などを踏まえて個別に決まります。また、地主が借地人に立ち退きを求めるためには正当事由が必要であり、立ち退き料の提示があれば必ず明渡しに応じなければならないわけではありません。

もっとも、立ち退き料の算定や増額交渉には専門的な知識が必要となることが少なくありません。提示された金額が適正か判断できない場合や、地主との交渉に不安がある場合には、早い段階で弁護士へ相談することをおすすめします。弁護士であれば、借地権の価値や個別事情を踏まえて適切な補償額を検討し、より有利な条件での解決を目指すことができます

相談先に迷ったら「VSG弁護士法人」にお気軽にご相談ください。親身に状況を伺いながら、最適な解決策をご提案いたします。

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