許認可業務は行政書士の王道
今日は、行政書士としてメインで許認可の仕事をされてる中澤さんに、お話を聞かせてもらいます。中澤さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
さて、中沢さん。許認可の仕事をされてるということなんですが、具体的にはどんな仕事なのですか?
ビジネスの中には、国や県、市町村の許可をもらわないとできないような仕事があるんです。たとえば、建設業をしようとすれば、各都道府県の知事の許可がないとできません。こういった申請は、要件も複雑で書類もたくさんありますので、お客様の代わりに書類を作成して、許認可をもらうというのが許認可の仕事のイメージです。
なるほど、こういった許認可の仕事はお客様自身でされるものではないのですか?
中にはご自身でされる方もいらっしゃいますが、多くの方は行政書士に依頼されますね。お客様は忙しい中、なかなか許認可のために時間を取ることができません。建設業許可を例にしますと、申請書類が30ページほどになります。さらに、この書類を作成して役所の窓口に提出するのですが、不足資料や間違いがあればやり直しになります。
単純に書類を出すだけではないのですね。
はい、そもそも書類を出す前に要件に当てはまるかどうかの判定が必要です。判定も表面的なチェックでできるものではなく、「実質的にどうか?」ということも考えないといけません。また都道府県ごとに微妙に審査基準が変わったりすることもあり、ローカルルールも知っておかないといけません。
中沢さんは入社前、何か不安に思っていたことはありますか?
一番不安に思っていたのが、「どうやって仕事を覚えていくのだろう?」ってことです。行政書士の仕事のイメージが全くなかったので、自分できるようになるんだろうかっていう不安が大きかったです。
なるほど、教育面は会社説明会でもよく質問を受けますね。行政書士の業界では教育制度が用意されている事務所が少ないので、心配をされる方が多いです。中澤さんは、入社して実際どんな教育を受けましたか?
許認可に詳しい先輩の隣の席に座って、ひとつひとつ教えてもらいました。許認可は、役所が手引きを用意してることが多いんですが、手引きは分厚くて何が重要かというのがわかりにくいんです。先輩が手引きの重要なところを教えてくれたり、実際の書類の書き方や要件に該当するかの判断の方法を教えてくれます。
他にはどんな教育がありましたか?
社内で書類作成が徐々にできるようになってくると、先輩に同行してお客様の同席をするようになります。書類の説明やお客様とのやりとりを実地で学ぶ感じです。何度か先輩の同席をしていったあと、今度は自分がメインで話をしていきます。フォローを受けながら徐々に任せてもらえるようになる感じです。
中沢さんにとって許認可の仕事の楽しさはどこにありますか?
許可申請の面白さは、業務の幅が広いことと、お客様の喜んでる声を直接いただけることです。
許認可の種類は実際のところ何種類あるかわかりません。本などによると数千種類あるそうです。もちろん全部できるようになるわけではありません。そのなかで、メインとなるものは10種類ほどですが、要件は細かく市町村ごとに解釈が変わることもあります。
許認可ごとに専門的な知識を身に付けて、その知識を使ってお客様と話をしながら申請を進めると、お客様と戦友のような関係になるんです。無事に許可が取れた後、お客様から頂く感謝の言葉は、本当にこの仕事をしていてよかったなと思える瞬間です。
- 中澤さん