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合同会社Vol.28 合同会社の資本はいくら必要?|損しない金額の目安や決め方を紹介

会社の設立には資本金が必要です。
資本金は会社の経営資金ですから、過不足のなく用意しなくてはいけません。
また、設立手続時にきちんと資本金が用意されているか、法務局にも確認されます。
しかし肝心の決め方が良く分からずにどうしようか・・・と途方にくれている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は合同会社の資本金の決め方について、目安となる金額や注意すべき点などを解説します。
本記事を参考にして、ご自身の会社にあった資本金額の目処がつけば幸いです。
合同会社設立に資本金はいくら必要?
合同会社を設立するにあたって必要となる資本金は1円からとなります。
平成18年4月までは、株式会社の設立には1,000万円、合同会社の場合は300万円の資本金が必要でした。
しかし現在の会社法にはこうした制限が設けられていません。
そのため、1円からでも会社を設立することができるのです。
「では、1円で設立してしまおう!」と考えるかもしれませんね。
しかし、1円設立にはデメリットが存在します。
また業種によっては資本金に制限があるため、1円では設立できない可能性もあるので注意が必要です。
資本金とは・・・出資者から集めた会社経営の元手になるお金のことです。
会社経営のために自由に使えるお金であり、会社の体力を示すものでもあります。
定款には必ず記載する必要があります。
資本金を1円にするデメリット
資本金1円で会社を設立する場合、以下のようなデメリットが発生します。
- ・対外的な信用を得にくくなる
- ・金融機関からの融資が受けづらくなる
資本金は会社の規模を表すと同時に、会社の体力を測る指標でもあります。
また合同会社の場合は、「社員=出資者」となり、出資額の範囲で運営会社に対しての責任を負う形をとります。
そのため、あまりに出資金が低いと、「すぐ潰れてしまいそう」「責任を持って業務に取りくんでくれなさそう」といったイメージを持たれやすくなってしまうのです。
金融機関においても同様のイメージを持たれやすいことから、融資を断られる可能性もでてきます。
資本金が低いと、将来性、安定性が低いと捉えられてしまうからです。
融資が必要ない場合は資本金が低くても問題はないでしょうが、融資を受ける予定があるのであれば、資本金はあまり低い金額に設定しない方が良いでしょう。
許認可が必要な事業では資本金の制限がある
許認可が必要な事業には絶対ではありませんが、暗黙の了解的な資本金の制限があることを覚えておきましょう。
下記の資本金を下回っても申請はできますが、許可が下りづらくなるので注意が必要です。
業種 | 資本金目安 |
---|---|
一般労働者派遣事業 | 2,000万円×事業所数 |
第一種旅行業 | 3,000万円 |
第二種旅行業 | 700万円 |
第三種旅行業 | 300万円 |
地域限定旅行業 | 100万円 |
一般建設業 | 500万円以上 |
特定建設業 | 資本金2,000万円以上かつ自己資金額4,000万円以上 |
合同会社の資本金の決め方
合同会社の資本金額は、以下のようなことを意識して決めましょう。
- ・平均額の50万円~300万円を目安にする
- ・社員(出資者)が負担できる限度額を合算する
先述したとおり合同会社の資本金は、社員が出資します。
そのため社員1人ひとりの負担が大きくなる資本金額の設定は避けましょう。
また資本金には設立後3~6ヶ月の運転資金という意味合いもあるので、その辺を考慮した額を決めることをおすすめします。
平均額の50万円~300万円を目安にする
政府統計の窓口によると、2020年4月から2021年4月までに設立された合同会社は37,540社です。
資本金別に見てみると300万円以内が81%で3/4以上を占める結果となっています。
事業内容によっても左右されますが、合同会社を設立する際の資本金は300万円以内が適切だと言えるでしょう。
また資本金は当面の経営資金ですから、設立後3~6ヵ月間に必要となる費用を目安に決めると良いでしょう。
最低でも10万円は必要
資本金は低すぎても良くないことはお伝えしていますが、低すぎるラインはどこなのか疑問に思うところでしょう。
一般的に資本金は最低でも10万円以上は用意した方が良いと言われています。
その理由は、銀行口座を開設しにづらくなるからです。
口座を開設できないとなると、融資を受けることも難しくなります。
そのため資本金は最低でも10万円以上用意しておくことをおすすめします。
社員(出資者)が負担できる限度額を合算する
前項で3~6ヵ月間の運転資金をそのまま資本金にするとよいことをお伝えしましたが、算出された金額をそのまま資本金に据えるのは少し危険です。
合同会社の出資者は出資した範囲で会社に責任を負うため、リスクがあるのです。
合同会社の場合、「社員」になる人は全員1円以上出資しなくてはいけません(合同会社における「社員」は出資者のことで、一般的な社員とは異なることに注意してください)。
社員(出資者)は、出資額の範囲で会社に責任を持ちます。
たとえば会社が倒産した場合、100万円出資した社員は100万円の範囲で、10万円出資した社員は10万円の範囲で責任を負います。
そのため出資額が社員それぞれの負担できる金額を超えていないか確認しておきましょう。
超えていた場合は追加の出資者を募るか資本金額を下げるなどの調整が必要です。
出資方法は2種類
資本金の出資方法には、現金出資と現物出資の2種類があります。
これらは併用することも可能です。
・現金出資
現金で資本金を出資する方法です。
いずれかの出資者の口座に出資金を入金し、ほかの会社設立書類と一緒に通帳のコピーを法務局に提出します。
出資金は会社設立後に法人の銀行口座に送金し、運転資金にします。
・現物出資
現金ではなく、物で出資する方法です。
たとえば会社で使う車やパソコンなどを、資本金として出資するのです。
ほかにも土地や有価証券なども現物出資の対象となります。
現物出資は、まずその評価額を算出し、弁護士などの検査役を選任して価格が相当であるという調査を受け、資本金に計上します。
ただし、現物出資の金額が500万円以下の場合は検査役の選任手続きは不要です。
検査役の選任には数十万円の費用がかかり、調査期間も数ヵ月必要です。
特段の事情がない限り、現物出資は500万円以下に抑えるのがおすすめです。
事業者免税点制度で節税をしよう
下記の一定の要件を満たせば、会社設立から2年間の免税を受けることができる、事業者免税点制度という制度があります。
- ・資本金が1,000万円未満
- ・事業開始から6ヶ月の課税売上(消費税抜)および給与等支払額が1,000万円以下
- ・基準期間(前々事業年度)における課税売上高が1,000万円以下
会社を設立したばかりの頃は当然のことながら、過去の売上実績はありません。
そのため、設立から2年間(2期)は免税事業者として認定され、消費税の納付を免除されます。
3年目以降も、前々事業年度(2年前)の売上が1,000万円を超えていなければ消費税の免除は継続されます。*¹
また、資本金の額に関わらず、法人の場合は法人住民税の均等割税金が発生します。
この法人住民税の均等割においても、資本金1,000万円を境に、金額が上がるので注意が必要です。*²
そのため、特に事情がない場合は、資本金は1,000万円未満にしておくのがおすすめです。
*¹ 消費税免除には例外もあるので、詳しくは税務署や税理士に確認してください。
*² 法人税の均等割は地方自治体によって異なります。
まとめ
資本金は会社の信用にかかわります。
あまりに低すぎると、銀行から融資を受けられなかったり、取引先が見つからなかったりする可能性が高くなります。
そのため、資本金は最低でも10万円は準備をしましょう。
もう少し頑張って50~300万円準備すれば文句なしです。
ただし、許認可が必要な業種に関してはこの限りではないので注意が必要です。
また基本的には3~6ヵ月間の運転資金額と、社員が負担できる額を考慮して決めることをおすすめします。
合同会社の場合は社員=出資者となるため、負担額が大きすぎてもいけません。
各方面に配慮しつつ、ちょうどよい塩梅になるように資本金の額を決めてみましょう。