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合同会社vol.3 合同会社(LLC)代表者の権限について教えて
この記事の執筆者 税理士 森健太郎
ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック
会社の代表権とは?
LLCの代表権について考える前に、一般的な会社の代表者の権限について考えてみます。
社内では代表者が「社長」や「会長」などの呼び名で呼ばれます。
また、会社によっては「副社長」が代表者になっているケースもあります。
これらはあくまでも社内でのルールです。
例えば株式会社であれば、法律上の代表者は代表取締役ということになります。
代表権の内容とは
一般的に代表者には「業務執行権」と「代表権」があると理解されています。
代表者には唯一会社を代表して取引を行う権限があるのです。
一般の従業員がそれぞれに会社を代表して契約を行うと混乱してしまいます。
これを防ぐために、会社として業務を執行できる人を限定しているのです。
会社は私たち人間と異なり概念上にのみ存在するものです。
これを自然人に対して法人と呼びます。
法人は自ら動いて取引をすることはできませんから、代わりに取引をしてくれる人が必要になります。
具体的には、相手方との契約書にサインをして押印をすることです。
これを行うことができるのが代表者なのです。
代表権の一部委譲も認められる
基本的に業務執行は代表取締役にしか行うことができません。
しかし、大きな会社で行う取引のすべてに代表取締役1人が目を通し、押印することは現実的ではありません。
実際には支店長などの名前で決済を行うこともあります。
これは、代表取締役から権限が一部委譲されているということになります。
もっとも、無制限に契約に関する権限が委譲されているわけではありません。
例えば、決済金額に上限を設けるなどして、適切に役割分担がなされています。
LLCの代表者は全員!
LLCの代表者は出資した社員の全員ということになります。
株式会社は多くの株主から集めたお金を経営のプロである取締役が運用して、株主に利益を分配する仕組みです。
従って、お金の運用を最終的に任せる代表者を決める必要があります。
これに対して、LLCは少人数の出資者が自ら経営を行うことが前提の組織です。
このため、LLCにおいては出資した社員全員に代表権があります。
つまり、全員がそれぞれ会社を代表して取引を行うことができてしまうのです。
例えば、家族経営のLLCの場合には家族それぞれが迅速に取引先と契約することができて非常に効率的な運営を行うことができます。
代表者は定款により制限することができる
複数の他人同士がノウハウやお金を持ち寄ってLLCを立ち上げたような場合に、全員に代表権があると問題になる場合がります。
この様な場合には、定款で定めることによって代表者を限定することができます。
定款とは、会社のもっとも根幹のルールです。
会社が活動する上でこの定款の内容は必ず守らなければなりません。
定款は会社設立の際に公証人の認証を受けていますが、その後社員総会により変更することも可能です。
定款に業務執行者を限定する定めを盛り込むことにより1人の代表者を定めることもできるのです。