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これで安心!会社設立時の資本金の払込みや払込証明書の作成手順を完全解説

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

この記事でわかること
- 資本金の払込みのタイミングと払込み方法
- 紙の通帳とネットバンクを利用する場合の違い
- 払込証明書の作成と製本の仕方
資本金の払込みは、法人登記に必要な重要な手続きの1つです。
払込証明書の作成や提出書類の準備には、いくつかのルールがあります。
この記事では、資本金をいつ、誰の口座にどの方法で払い込み、どのように証明書を作成すればよいのかを初心者にもわかりやすく解説します。
会社設立をスムーズに進めるために、ぜひ参考にしてください。
▼目次
資本金を払い込むタイミング
資本金の払込みは会社設立時に行います。
ただし、払い込むタイミングは株式会社か合同会社かで異なります。
タイミングを誤ると手続きをやり直す必要があるため、違いを確認しておきましょう。
株式会社は定款の認証後
株式会社を設立する場合、公証役場で定款の認証を受けた後に資本金を払い込みます。
「定款認証(ていかんにんしょう)」という言葉は、あまり耳にすることがないかもしれません。
定款認証とは、会社の設立に必要な「定款」が適切な内容であることを、公証人の立場から確認してもらう手続きのことです。
株式会社は、定款認証の手続きをすることで、法人登記が可能になります。
合同会社は定款の作成後
合同会社は、公証役場での公証人の定款認証が不要です。
定款の作成が完了した後に、資本金を払い込む流れになります。
公証役場での認証がないため、タイミングの判断が曖昧になりがちです。
定款に資本金の額を記載した後、資本金の払込みを行いましょう。
次に、資本金の払込みの方法を見ていきましょう。
資本金は発起人の個人名義の口座に払い込む
資本金の払込みをする時点では、まだ法人名義の銀行口座は開設できません。
そのため資本金の払込みは、発起人の個人名義の銀行口座を使用して行います。
なお個人名義の口座は、設立手続きのために新規で開設する必要はありません。
普段から使っている銀行口座をそのまま使用できます。


最近はスマートフォンの普及で、紙の通帳を発行しない銀行やネット銀行を利用する人も増えています。
無店舗型のネット銀行でも資本金の払込みは可能です。払込証明書の作成に必要な情報を提出できるかを事前に確認しておきましょう。
発起人が複数いる場合
発起人が複数いる場合は、代表者となる1人の銀行口座を使用して資本金を払い込むのが一般的です。
ただし後々のトラブルを避けるため、払込み方法について発起人全員の同意を得ておくことが大切です。
また、発起人それぞれが、自身の個人口座に出資額を払い込む方法も認められています。その場合は、各発起人の通帳のコピーが必要である点に注意しましょう。
株式会社と合同会社の違い
資本金の払込みは、株式会社と合同会社でルールに違いがあります。
誤った名義の口座に払込みを行うと、手続きが無効となる可能性があるため気をつけましょう。
株式会社の場合、必ず発起人の個人口座に払込みを行います。
発起人とは、出資金を出して株主になる人のことです。
発起人ではない、取締役や監査役などの役員の口座に払い込むことはできません。
合同会社の場合、必ず代表社員の個人口座に払込みを行います。
代表社員以外の業務執行社員の口座には払込みはできません。
株式会社 | 合同会社 |
---|---|
発起人の個人口座 | 代表社員の個人口座 |
資本金を払い込む3つの方法
資本金の払込みには、3つの方法があります。
- 銀行の窓口
- ATM
- インターネットバンキング
どの方法を選んでも、資本金の払込みは可能です。
ただし、それぞれメリット・デメリットがあります。
自身の生活スタイルや普段から使い慣れた方法を選ぶとよいでしょう。
窓口で払い込む
定款の認証が終わったら、金融機関の窓口で資本金を払い込みます。
窓口で払い込むメリットは、振込限度額に上限がなく、まとまった金額の払込みに対応できることです。ただし、窓口が混雑する時間帯は、待ち時間が長くなるデメリットもあります。
また、10万円を超える現金振込の場合、「取引時確認」が必要になります。
取引時確認とは、本人確認書類の提示に加えて、取引の目的や職業などの情報を確認する手続きです。振込金額によって、別途手数料が必要な場合があるため、事前に確認しておきましょう。


平日は仕事で時間が取れない人は、ATMでの払込みやインターネットバンキングを活用しましょう。
ATMで払い込む
ATMを使って資本金を払い込むことも可能です。
ただし、1日に入金できる金額には上限があるため、事前に自身の限度額を確認しておきましょう。
ATMの振込限度額は、利用するキャッシュカードの種類や契約内容により異なります。
必要に応じて、インターネットや窓口で限度額の引き上げ手続きを行っておくと安心です。
1日で全額の資本金を払い込むことができない場合は、数日に分けて入金することも可能です。
インターネットバンキングで払い込む
最近は、インターネットバンキングを利用して資本金を払い込む人が増えています。
スマートフォンやパソコンから手続きができるため、24時間いつでも振込みが可能です。
また、銀行窓口やATMへ行く必要がありません。
振込手数料が窓口やATMに比べて安くなることが多いのもメリットです。
忙しい人やコストを抑えたい人には、便利で経済的な方法でしょう。


「払込証明書」を作成する際に、資本金が入金された事実を証明するためです。
口座から一度出金してから、改めて払込みを行いましょう。
資本金の払込証明書に必要な情報
資本金の払込みが完了したら、法務局に提出する「払込証明書」を作成します。
払込証明書に必要な情報は、「紙の通帳」と「ネットバンク」で少し異なります。
それぞれに必要な情報と注意点を確認していきましょう。
紙の通帳に資本金を振り込む場合
紙の通帳で資本金の証明を行う場合は、以下の3カ所のコピーを提出します。
- 表紙
- 見開きのページ(表紙を開いた最初の1ページ目)
- 資本金の入金が記帳されたページ
ネットバンクに資本金を振り込む場合
ネットバンクで資本金の証明を行う場合は、画面のキャプチャーを書類として提出します。
ただし、パソコン画面のキャプチャーとスマートフォンのキャプチャーを混ぜると無効となる可能性があります。
パソコン画面または、スマートフォン画面のいずれかに統一して準備をしましょう。
ネットバンクで資本金の証明を行う場合は、以下の項目がわかる部分のキャプチャーを提出します。
- 銀行名
- 支店名
- 口座番号
- 名義人
- 資本金の入金履歴
払込証明書を作成する
次に、払込証明書を作成します。
払込証明書とは、資本金が入金された事実を証明するための書類です。
払込証明書に必要な内容は以下の6つです。
- 払込金額の総額
- 払込株数(株式会社の場合)
- 1株あたりの金額
- 払込年月日
- 会社の本店所在地と会社名(商号)
- 代表取締役(合同会社の場合は代表社員)の氏名
法務局のHPには、払込みのあったことを証する書面の例が掲載されているので、参考にしましょう。


現在、払込証明書は会社実印の押印が不要な書類となっています。
払込証明書の書式は、株式会社と合同会社で記載内容が異なります。
順に見ていきましょう。
株式会社の払込証明書
以下は、株式会社の払込証明書の記載例です。
「設立時発行株式数」には、資本金を1株あたりの金額で割った数を記載します。100株発行する場合は、「設立時発行株式数 100株」と記載します。
「払込みを受けた金額」には、払込金額の総額を記載します。
年月日は、資本金を払い込みした日付を記載します。
会社名は、定款どおり省略せず正確に記載します。
代表者名は、代表取締役の氏名を記載します。
合同会社の払込証明書
以下は、合同会社の払込証明書の記載例です。
合同会社の場合、株式を発行しないため、設立時発行株式数の記載が不要です。
「払込みを受けた金額」には、払込金額の総額を記載します。
年月日は、資本金を払い込んだ日付を記載します。
会社名は、定款どおり省略せず正確に記載します。
代表者名は、代表社員の氏名を記載します。


すべての資本金が払い込まれた時点で、会社設立の要件を満たすためです。
次に、払込証明書の製本の仕方を確認していきましょう。
払込証明書と通帳コピーなどを製本する
払込証明書の作成が完了したら、払込証明書と通帳のコピーをまとめて製本します。
製本した書類は、法務局へ提出します。
製本する際の書類の順番は以下のとおりです。
- 払込証明書
- 通帳の表紙のコピー
- 通帳の1ページ目のコピー
- 資本金の振込内容が記載されたページのコピー
4の「資本金の振込内容が記載されたページ」は、該当箇所にマーカーや下線を引き、振込日や金額がわかるようにしましょう。
順番に重ね、一番上に払込証明書、一番下に入金記録のあるページが来るように並べます。
左端をホッチキス留めし、各ページを開いて境目に代表者印を押印します。
これで払込証明書の書類が完成します。
会社設立時の資本金は、払込みのタイミングや手順にルールがあります
資本金の払込みは、法人登記に必要な重要な手続きの1つです。
払込証明書に不備があると、法務局で受理されない可能性があります。
資本金の払込みのタイミングやルールを理解し、会社設立をスムーズに進めましょう。
不明点や自信がない場合は、税理士や司法書士などの専門家に相談することも大切です。
正確に手続きを行い、安心して事業のスタートを切りましょう。
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