現在、70代で、工場を経営しています。
家族は妻と長男、次男、長女の3人の子供です。子供たちは皆既に結婚しています。
妻は専業主婦です。長男は私が経営する工場で工場長として手伝ってくれています。
一方、次男はサラリーマンとして働いています。また、長女は結婚して専業主婦をしています。
私自身、まだまだ引退するつもりはありませんが、さすがに70歳を超えたので、万一の場合のことも考えなければと思っています。
私自身の希望としては、今の事業を手伝ってくれている長男に工場を継いでもらいたいと考えていて、工場の不動産、機械を始め、すべての財産を長男に相続させたいと考えています。そこで、そのための具体的な方法としてどの様な方法ができるのかがわかりません。
相続を放棄する旨の念書などをとっておけばいいのでしょうか。
また、すべての財産を長男に相続させるという遺言をすることで、全財産を長男に相続させることができるのでしょうか、
具体的にどうしたらいいか教えてください。
行政書士 本間剛
今の状態のままであなたが亡くなられた場合、奥様と3人のお子様の計4名が法定相続人となります。
工場の事業を手伝ってくれている長男にすべての財産を相続させたいというあなたの希望があれば、その考えを遺言書に残すことはできます。
遺言書があれば、原則としてその遺言書に書かれた内容にしたがって遺産分割を行うこととなりますから、あなたの希望はかなえられると考えるかもしれません。
しかし、長男以外の3名には遺留分があります。
遺留分とは、相続が発生した際に、最低限相続できることが保証されている財産の割合のことをいいます。
具体的には、奥様はあなたが残した財産の1/4、お子様はそれぞれ1/12の遺留分を有することとなります。
仮に長男さんがすべての財産を相続した場合には、ほかの相続人から遺留分侵害額請求の訴えを起こされて、最悪の場合、裁判となる可能性もあるのです。
遺留分をめぐる争いになると、残された相続人どうしの争いとなって、その後バラバラになってしまうことも珍しくありません。
相続人の関係がそのようになってしまうのは、あなたとしても本意ではないはずです。
あなたは長男さんにできるだけ多くの財産を残したいと考えているようですが、特に事業に関する財産については長男さんがすべて相続できるようにしたいと考えているはずです。
この部分については、ほかの相続人の方も強く反対するものではないと考えられるため、遺言書にそのような内容を残しておくといいでしょう。
そのうえで、事業に関係ない財産については長男以外の相続人の方が有する遺留分に相当する額を下回ることのないよう、遺言書に書かれるといいと思います。
なお、相続放棄の手続きはあなたが亡くなってからしかできません。
生前に相続放棄をすることはできませんし、仮に念書をとっておいたとしても、その効力はありません。
したがって、長男以外の方に相続放棄をしてもらうのは現実的ではありません。
どうしても自分が生きているうちに何らかの行動をしておきたいと考えるのであれば、長男さん以外の相続人に遺留分の放棄をしてもらう方法もあります。
ただ、遺留分を放棄するためにはそれに代わる見返りがあることが条件とされているため、いずれにしても長男さん以外の相続人に、一方的に遺留分を放棄してもらうことはできないと考えておくべきでしょう。
行政書士 本間剛
相続サポートセンター(ベンチャーサポート行政書士法人) 代表行政書士。昭和55年生まれ、山形県出身。
ベンチャーサポート行政書士法人の代表行政書士。行政書士の手続き業務全般に精通。特に相続や遺言には専門知識を持つ。相続手続き業務は多くの書類作成が必要になり、お客様のお話を聞き、法律に則った形式の書類作成を心がけている。
日本最大級の実績とノウハウで、あなたにとって一番有利な相続アドバイスを致します。気軽なご質問だけでも構いません。
ご自身で調べる前に、無料相談で相続の悩みを解決して下さい。 [親切丁寧な対応をお約束します]
相続サポートセンター(ベンチャーサポート税理士法人 相続部門) 代表税理士。
昭和50年生まれ、東京都浅草出身。
相続は時間もかかり、精神や力も使います。私たちは、お客様の心理的な負担や体力的な負担を最小にして、少しでも早く落ち着いた日常に戻れるように全力でお手伝いします。
プロフィール
相続サポートセンター(ベンチャーサポート税理士法人 相続部門)税理士。
昭和56年生まれ、神奈川県出身。
相続税の仕事に携わって13年。相続税が最も安く、かつ、税務署に指摘されない申告が出来るよう、知識と経験を総動員してお手伝いさせていただきます。
プロフィール
相続サポートセンター(ベンチャーサポート税理士法人 相続部門)税理士。
昭和55年うまれ、大阪府出身。
大卒後、税務署に就職し国税専門官として税務調査に従事。税理士としても10年を超えるキャリアを積み、現在は「相続に精通した税理士としての知識」と「元税務調査官としての経験」を両輪として活かした相続税申告を実践中。
プロフィール
相続サポートセンター(ベンチャーサポート行政書士法人)代表行政書士。
昭和55年生まれ、山形県出身。
相続手続等の業務に従事。相続はたくさんの書類の作成が必要になります。お客様のお話を聞き、それを法律に謀った則った形式の文書におとしこんで、面倒な相続の書類を代行させていただきます。
プロフィール
相続サポートセンター(ベンチャーサポート司法書士法人)司法書士。
昭和62年生まれ、香川県出身。
相続登記や民事信託、成年後見人、遺言の業務に従事。相続の相談の中にはどこに何を相談していいかわからないといった方も多く、ご相談者様に親身になって相談をお受けさせていただいております。
プロフィール
相続サポートセンター(弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所 相続部門)弁護士。
新潟県出身。
相続問題は複雑なケースが多く、状況を慎重にお聞きし、相続人様のご要望の実現、相続人様に合ったよりよい解決法をアドバイスさせていただくようにしています。
プロフィール
ベンチャーサポート相続税理士法人 税理士。
相続は、近しい大切な方が亡くなるという大きな喪失感の中、悲しむ間もなく葬儀の手配から公共料金の引き落とし口座の変更といった、いくつもの作業が降りかかってきます。おひとりで悩まず、ぜひ、私たちに話してください。負担を最小限に、いち早く日常の生活に戻れるようサポート致します。
プロフィール