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相続税の
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初めての相続で不安な方へ

相続税の改正が行われたと聞きました。配偶者が相続する場合にどのような影響があるのでしょうか。

5年ほど前から相続対策を考えるようになり、現在では公証役場で公正証書遺言を作成して、私の死後も妻や3人の子供で揉めることのないよう、私なりに準備をしています。
ところが、先日テレビで、相続税の改正が何十年ぶりに行われたというニュースを目にしました。私が遺言書を作成したのはその改正が行われる前のことですから、このままでは時代にあっていない内容になってしまうのではないかと思い不安を感じています。
4人の相続人が揉めることのないよう、そして相続税の負担を少なくしながら、妻が相続した後も生活に困ることのないようにしておきたいと考えています。
今回の改正でどのような影響が出るのか教えてください。

専門家の解答

相続に関する法律の改正が2019年から2020年にかけて行われました。この改正により、配偶者が相続する場合の相続税の取扱いがいくつか変更となっているため、確認しておきましょう。

(1)配偶者居住権の創設
夫婦で住んでいる自宅の名義が夫になっていたとします。
この状態で夫が先に亡くなった場合、妻はその自宅に住み続けるために自宅の土地と建物を遺産分割の際に相続することとなります。
ただ、遺産分割を行う際には、預貯金などほかの財産も分割を行います。この時、妻の相続後の生活を安心して送るためには、預貯金を多めに相続したいと考えます。

そこで、相続人が妻と子供2人で、夫の残した財産の額が合計で6,000万円、そのうち自宅の評価額が土地・建物あわせて2,500万円だったとします。
この場合、妻の法定相続分は6,000万円×1/2=3,000万円となりますが、そのうち自宅の評価額が2,500万円となるため、預貯金などの財産は500万円しか相続できないこととなります。

そこで、新たに自宅の所有権とは別に自宅に住む権利として「配偶者居住権」という権利を創設しました。
この権利を相続したものとすれば相続財産に占める自宅の比率は下がるため、そのほかの財産を相続できるようになるのです。
配偶者居住権の制度は2020年4月1日から始まります。

(2)贈与税の配偶者控除を行った場合の取り扱い
贈与税の配偶者控除という制度があります。これは、結婚して20年以上経過した夫婦間で居住用の財産などを贈与した場合、贈与した財産の金額が2,000万円までは贈与税がかからないという制度です。

ただしこの制度を利用して贈与した財産については、その後相続税の課税対象とされていました。そのため、贈与を行っても税金の負担は変わらず、何のために贈与しているのかが分かりにくい制度となっていたのです。

そこで、贈与税の配偶者控除を利用して贈与した財産については相続財産に含めなくてもよいこととされました。
これにより、相続税の負担を減らすことができ、また遺産分割の際に配偶者は預貯金などほかの財産をより多く相続することができるようになったのです。

なお、この改正は2019年7月1日から始まっています。

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