父が亡くなり、父の名義となっていた自宅の土地・建物と預貯金、有価証券、自動車について遺産分割協議を行いました。
法定相続人は配偶者である私の母と私、そして妹の3人です。
その結果、自宅の土地・建物については母が単独で相続することとなりました。また、預貯金と有価証券については母のほか、私と妹の3人で分け、自動車はいったん私が相続することとして、遺産分割協議書を作成しました。
ところで、相続財産について遺産分割協議が成立した際には、法務局で相続登記しなければならないと聞いたことがあります。
今回の相続でも、すべての財産について相続登記しなければならないのでしょうか。
また、もし相続登記しなかった場合には罰則規定などがあるのでしょうか。
相続登記を行う法務局は、不動産登記や会社関係の商業登記を取り扱う法務省の地方機関です。
相続する際に登記が必要な財産は、土地や建物など、不動産登記が必要なものに限られます。
したがって、今回の相続ではお父様が所有していた自宅の土地や建物について、法務局で相続登記を行う必要があります。
一方で、これ以外の預貯金や有価証券、自動車については法務局での相続登記の必要はありません。
それぞれの財産で相続手続きを行う場所が異なるため、確認しておきましょう。
預貯金については、その口座がある金融機関での手続きが必要です。
また、有価証券のうち上場株式については、その有価証券を保管している証券会社での手続きを行います。もしその有価証券が非上場株式である場合には、その株式を発行している会社に連絡して、名義変更の手続きを行って下さい。
お父様が所有者となっていた自動車の名義変更を行うのは、運輸支局と呼ばれる役所での手続きとなります。
それぞれ、相続の手続きに必要な書類の種類や数が異なるため、事前に必要書類を確認しておき、一度で相続手続きを終えることができるようにしましょう。
なお、土地や建物を相続した場合には、相続した人が登記する義務はないとされています。また、相続した後何年以内に相続登記しなければならないという期限もないため、相続登記が適切に行われていないケースが見られます。
しかし、相続登記が行われていない土地や建物については、その後さらに相続が発生した際に誰が所有者か証明できなかったり、そのままでは売却できなかったりするため、メリットはありません。
今回はお母様が相続するということですから、できるだけ早く法務局での登記を行うようにしましょう。
今後、不動産の相続登記について義務化しようという動きも見られます。そうなれば、相続登記をしていないことで罰則が科される可能性も出てきます。2020年4月現在では、相続登記は義務化されていませんが、今後の動向については注意が必要です。
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