私の両親はともに80代ですが、2人とも健在で元気に生活しています。
まだ相続のことを現実の問題として考えることはできないのですが、それでも父が亡くなった時には相続が発生するため、基本的なことは知っておきたいと考えています。
現在は父親名義の自宅に両親2人が住んでおり、子供は長女の私と弟の2人ですが、2人とも結婚して別の場所に住んでいます。
銀行預金などは人並みには持っていると思いますが、株式など他の財産について詳しくは知りません。
また、祖父から相続した土地を相続しているようですが、現在その土地がどうなっているのかも知りません。
これだけの情報で申し訳ないのですが、親の財産を相続する場合の相続手続きについて、その流れなどを教えてください。
相続手続きの大まかな流れとしては、
⑴相続人の確定
⑵遺言書の有無の確認
⑶相続財産の確定と評価額の算定
⑷遺産分割協議
⑸相続税の申告義務の確認
となります。
まず⑴相続人の確定ですが、例えばお父様が亡くなられた場合、その配偶者であるお母様と子供2人が法定相続人となります。
ただ、念のためほかに法定相続人となる子供などがいないか、戸籍謄本などを確認する必要はあります。
次いで⑵遺言書の有無の確認ですが、遺言書がある場合は原則としてその遺言書に従って遺産分割を行うため、後で説明する⑷の過程は飛ばすことができます。
しかし、遺言書がない場合は遺産分割の方法を相続人で話し合って決めることになるため、今後の手続きが大きく変わるのです。
そこで、まずは遺言書の有無を確認する必要があるのです。
⑶の相続財産の確定と評価額の算定については、現状すべての財産の内容がわかっていないことから、実家にある書類やパソコンの履歴などからどのような財産があるのかを調べる必要があります。
例えば証券会社からの封書が来ていれば、有価証券を保有しているかもしれない、といったことです。
どの金融機関に口座を保有し、あるいはどのような不動産を保有しているかがわかったら、それぞれの財産の相続税評価額を計算します。
⑷の遺産分割協議は、遺言書がない場合に遺産の分割方法を決める大事な話し合いです。
遺言書がある場合でも、相続人全員が遺言書によらないことで合意すれば、遺産分割協議を行うことができます。
遺産の分割方法について相続人全員の合意が得られた場合は、遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名押印します。
⑸相続税の申告義務の確認については、すべての財産の相続税評価額の合計額が相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下であれば相続税は発生しないため、相続税の申告を行う必要もありません。
また、相続税の申告義務はあるものの、特例を適用するために相続税額は発生しないという場合もあります。
申告義務がある場合は、被相続人が亡くなってから10か月以内に申告する必要があるため、必ず期限内に申告するようにしましょう。
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