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初めての相続で不安な方へ

遺族年金をもらっていますが、65歳以上になった時の年金の金額はどうなりますか?

先日、主人が66歳で亡くなりました。

まだ定年退職してから何年もたっていないところで突然亡くなってしまったため、周りの人みんなが驚いています。

あまりに突然のことで、何の準備もしていないままのことであったため、私自身、これからどのように生活をしていけばいいのか、非常に不安を感じています。

そのような中で、友人から遺族年金を受け取ることができるのではないかといわれました。

亡くなる直前、すでに年金を受給していましたが満額を受給するようになってからは1年ほどしかたっていないため、実際にもらえるのか不安です。

すでに子供は2人とも結婚して独立しており夫と2人暮らしでしたが、このような状況でも遺族年金を受給することができるのでしょうか。

専門家の解答

遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」と呼ばれる2種類の年金があります。

それぞれ、年金を受給できる要件や受給額が異なるため、2つの遺族年金について分けて考える必要があります。

まず遺族基礎年金については、亡くなった人に子供がいない場合、あるいは亡くなった時点で子供が20歳以上の場合は遺族基礎年金の支給対象にはなりません。

今回のご質問の内容からはっきりとはわかりませんが、おそらく亡くなった時点で子供さんの年齢は20歳以上だったと思われるため、遺族基礎年金の支給対象には該当しないと思われます。

一方の遺族厚生年金について、その受給に関する要件を確認しておきましょう。

まず亡くなった人に関する要件については以下のような定めがあり、いずれにも該当しない場合は遺族厚生年金をもらえないこととされています。

  • ①厚生年金保険の被保険者である間に死亡した時
  • ②厚生年金保険の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で、初診日から5年以内に死亡した時
  • ③1級・2級の障害厚生年金を受け取っている人が死亡した時
  • ④老齢厚生年金の受給権者であった人が死亡した時(保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算した期間が25年以上ある人のみ)
  • ⑤厚生年金保険の保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算した期間が25年以上ある人が死亡した時

このうち1つでも該当すれば遺族基礎年金を受給することができます。

ご質問の内容からすると④の要件に該当するため、亡くなった人に関する要件は満たしています。

次に遺族に関する要件について確認しておきます。

遺族厚生年金を受給することができるのは、亡くなった人によって生計を維持されていた人です。

生計を維持されていた人とは、原則として、亡くなった時に亡くなった人と生計を同一にしていた人で、年収が850万円未満の人が該当します。

また、亡くなってから5年以内に年収が850万円未満になると見込まれる場合も遺族厚生年金を受給できます。

遺族厚生年金の受給額は、老齢厚生年金として受給していた金額のうち報酬比例部分の4分の3です。

遺族厚生年金と受給者自身の老齢基礎年金は一緒にもらうことができますが、遺族厚生年金を受給する人が自身の老齢厚生年金を受給する場合は、どの年金を受給すると特になるか、事前に確認して受給する必要があります。

公的年金の仕組みを確認しよう

公的年金の種類(遺族年金、老齢年金、障害年金)
障害になった際や老後など、自身や家族が安心して生活していくために、公的年金は欠かせません。

受給できる年金は遺族年金、老齢年金、障害年金の3種類があり、標準報酬額などによって受給額は決まってきます。

遺族年金とは

年金制度の加入者が亡くなったとき、亡くなった人によって生計を維持されていた家族の生活を守るために支給されるのが遺族年金です。

子を持つ配偶者や子に支払われる遺族基礎年金と、一定の親族に支払われる遺族厚生年金があります。

老齢年金とは

老齢年金は、原則、65歳から受給される年金です。

国民年金加入者に対しては老齢基礎年金、厚生年金加入者に対しては老齢厚生年金用意されています。

国民年金は自営業者や専業主婦など、厚生年金は会社員や公務員などが加入する年金の種類です。

障害年金とは

病気や怪我などが原因で起きる一定の障害によって、日常生活に支障が出る場合に支給されるのが、障害年金です。

国民年金加入者に支払われる障害基礎年金と、厚生年金加入者に支払われる障害厚生年金があります。

受給できる年金の組み合わせは決められている

受給できる年金は、それぞれのパターンごとに決められています。

ここでは、受給できる年金の組み合わせを説明していきます。

公務員・会社員として働いたことがある場合

公務員・会社員として1カ月以上働いた経験がある場合には、老齢基礎年金のほかに老齢厚生年金が上乗せされて受け取れます。

配偶者が亡くなっている場合であれば、遺族厚生年金もあわせて受給できます。

しかし、遺族厚生年金は全額が受給されると限らない点に注意が必要です。

65歳以降の老齢厚生年金は、配偶者が亡くなっている場合には「遺族厚生年金額」か「遺族厚生年金の3分の2+自身の老齢厚生年金の2分の1」のうち高い金額が支給されます。

公務員・会社員として働いたことがない場合

個人事業主や専業主婦だった人の場合には、老齢基礎年金が支給されます。

また、厚生年金に加入していた配偶者が亡くなっていた場合には、遺族厚生年金に加えて支給される年金を、遺族基礎年金か老齢基礎年金の2通りから選ばなくてはなりません。

遺族基礎年金を受給するためには、条件として18歳未満の子がいる配偶者である必要があります。

また、老齢基礎年金は、保険料の支払期間が短いと支給額が少なくなります。

自身の条件を確認して、支給方法を決定しましょう。

受給する年金種類を選択する場合

亡くなった配偶者が、亡くなった段階で公務員・会社員でなかった場合、原則的に遺族厚生年金の対象外になります。

そのため、遺族年金か老齢年金の両方は受給できず、両者のうちどちらか片方を選択して受給しなければなりません。

選択の際には受給の条件や受給額なども確かめながら、受給する年金種類を決定しましょう。

65歳以上で働くなら在職老齢年金について知っておこう

在職老齢年金とは、60歳以降に厚生年金に加入して働きながら受け取る老齢厚生年金のことをいいます。

65歳までは、基本月額と総報酬月額相当額の合計が28万円を超えると、老齢厚生年金の一部または全部の支給が停止されます。

65歳以降の場合は、基本月額と総報酬月額相当額の合計が47万円を超えたときに老齢厚生年金の一部または全部の支給が停止され、年金支給月額の計算式は
「基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-47万円)÷2」
です。

まとめ

遺族年金は、年金の種類によって受給の組み合わせなども異なります。

自身がどのパターンに当てはまるのか確認して、最も効果的な方法を選ぶことが大切です。

遺族年金・老齢年金・障害年金の仕組みを理解して、自身が受け取る年金のパターンを把握しましょう。

また、65歳以上で働く場合には、在職老齢年金についても知っておくと安心です。

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