父親が長い闘病生活の末、先月亡くなりました。
ところで、父親が長く入院している間に、もし父親が亡くなったら相続税がどれくらい発生するのか不安に思い、2年ほど前に自分で相続財産の額を概算で求めたことがあります。
その結果、法定相続人が息子である私のほか、母親、姉、妹の4人であり、相続税がギリギリかからない程度の金額であることが分かりました。
前回の計算から2年が経過しているため、改めて相続財産の金額を計算するつもりでいますが、それでも相続税がかからない範囲内の金額となった場合には、相続税の申告書を税務署に提出する必要があるのでしょうか。
また、もし相続税がかかるのに申告書を提出しなかった場合にはどのような罰則があるのでしょうか。
相続が発生した場合、亡くなられた方が所有していた財産に対して相続税の計算を行います。
相続税の額を計算する際には、相続税の計算対象となる金額を求める必要があるため、その概略を説明しておきましょう。
相続税の計算対象となる財産の額は、基本的に亡くなった日の時価や残高から計算を行いますが、土地については路線価あるいは固定資産税評価額をもとに計算した金額、建物については固定資産税評価額がそのまま相続税評価額になるため、間違えないようにしなければなりません。
また、借入金や未払金などの債務がある場合には、その額を財産の額から控除します。
相続税の計算を行う際に、基礎控除と呼ばれる金額があります。これは、財産の額が基礎控除額以内であれば、相続税が発生しないうえ、相続税の申告書を提出する必要もないというものです。
基礎控除の額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」として計算されます。
今回の相続については、法定相続人が4人であるため、基礎控除の額が3,000万円+600万円×4人=5,400万円となります。
したがって、財産から債務の額を控除した後の金額が5,400万円以下であれば、相続税は発生せず申告書を提出する必要もありません。
ところで、相続税が発生するのに申告や納税を行わなかった場合にはどうなってしまうのでしょうか。
相続税の申告・納税義務に違反してしまった場合、①無申告加算税、②延滞税、③重加算税が課される可能性があります。
①の無申告加算税は、文字どおり申告期限までに申告しなかったことにより課されます。②の延滞税は納期限までに税金を納めなかった場合に課されます。また、③の重加算税は課税を逃れるために財産を意図的に隠し、あるいは書類を偽造したような場合に課されます。
申告しなくても分からないと思うかもしれませんが、死亡した日の情報や不動産の登記の情報などは税務書がすべて把握しています。また、毎年の確定申告などの情報もデータとして保管されています。そのため、申告義務があるのに申告していない場合には、後から通常の相続税に加えてペナルティを支払わなければならないため、申告の必要があるかどうかは慎重に判断してください。
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