遺言書を作成したいと考えていますが、友人から、それなら公正証書遺言を作成した方がいいと言われました。公正証書遺言とはどのようなものでしょうか。自分で作成する遺言書とは何が違うのでしょうか。公正証書遺言のメリットとデメリットについて教えてください。
行政書士 本間剛
遺言書を作成しようとする際に、遺言書には種類があることを初めて知る人が多いかもしれません。特に、自筆証書遺言と公正証書遺言は実際利用する人の数が多いので、その特徴を知ってどの遺言書を作成するかを決めるようにしましょう。
公正証書遺言とは、公証役場で作成する遺言書です。その特徴としてあげられるのが、自筆証書遺言のように自分でその文面を自筆する必要がないことです。公正証書遺言を作成するためには、公証役場へ出かけるか公証人に自宅や病院などに出張してもらい、その内容を口述すれば公証人が文面を作成してくれるのです。そのため、形式的に無効となることはありません。
また、作成した遺言書は公証役場で保管されます。そのため、自宅で保管することが原則である自筆証書遺言と比較すると紛失のリスクがなく、また途中で他の人の目に触れる可能性もないうえ、相続人に発見されないまま遺産分割を完了してしまう、といった事態も防ぐことができます。
さらに自筆証書遺言の場合、亡くなった後にその遺言書を発見した相続人は、家庭裁判所でその遺言書が確かに故人のものであることを確認する検認の手続きを受けなければ開封することはできません。しかし、公正証書遺言は公証役場に原本が保管されているため、それを元に謄本を作成してもらえばよく、相続が発生した際の手間を減らすことができるのです。
一方で、公正証書遺言を作成する際には公証人のほか、証人2人以上の立会いが必要です。そのため、全く誰にも知られずに遺言書を作成したいと考えている人にとっては、財産の内容や遺産分割の方法を知られてしまうというリスクがあります。
また、作成手数料や証人への報酬など、遺言書の作成には一定の金額が必要となる点も無視できません。自筆証書遺言であれば1円もかからなかった費用が、公正証書遺言にしたためにその費用が必要となるのです。
このようなメリットとデメリットを理解したうえで、どのように遺言書を作成するか決めましょう。ご友人の方が言われるように、公正証書遺言は無効になることがなく確実に成立すると考えられるため、そのメリットは大きいと思います。ただ、デメリットもあることは理解したうえで選択するようにしてください。
行政書士 本間剛
相続サポートセンター(ベンチャーサポート行政書士法人) 代表行政書士。昭和55年生まれ、山形県出身。
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昭和55年うまれ、大阪府出身。
大卒後、税務署に就職し国税専門官として税務調査に従事。税理士としても10年を超えるキャリアを積み、現在は「相続に精通した税理士としての知識」と「元税務調査官としての経験」を両輪として活かした相続税申告を実践中。
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