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初めての相続で不安な方へ

遺産分割をどのように進めていけばよいのでしょうか?

母が90歳で他界しました。預貯金の他、自宅の不動産や貴金属類などが母の財産としてありますが、遺産の総額が一体いくらになるのか全く見当がつきません。
それどころか、半年前に死亡した父の相続手続が完了しないまま今回母が死亡したため、相続関係が大変複雑になっており、誰がどれだけの権利を持つのかもわかりません。
これから遺産分割手続をどのように進めていけばよいのでしょうか?

専門家の解答

相次いでお父様とお母さまが亡くなられたとのことですから、非常につらい状況かと推察します。ただ、そのような中でも相続の手続きを進めていかなければなりません。
最初にお父様が亡くなられた際に、最初の相続が発生しています。遺言書があればその記載どおりに遺産分割を行うこととなりますが、ご質問から判断すると、遺言書がないのかもしれません。すると、相続人全員で遺産分割協議を行い、遺産分割を行うこととなります。
しかし、お父様の相続手続きが完了する前にお母さまが亡くなられたとのことですから、今後は最初のお父様の相続についての遺産分割協議を行うことができません。

このように、1つ目の相続が開始した後に、遺産分割や相続登記などが完了する前に次の相続が発生した場合のことを数次相続といいます。数次相続が発生したものの、最初の相続についてまだ遺産分割が完了していないのであれば、まずその遺産分割をしなければなりません。ところが、既にお父様の相続人であるお母さまが亡くなられたわけですから、まずはお父様の相続財産について法定相続割合で分割することとなります。
お父様の相続人として、亡くなられたお母様とあなた以外にあなたのご兄弟がいれば、その方が相続人となります。お父様の相続財産をお母さまが1/2、あなたとそのご兄弟で1/2を均等に分割したものと考えます。

その後発生したお母様の相続については、あなたとそのご兄弟が相続人となります。この場合、お母様がお父様から相続した財産も含めて遺産分割を行わなければなりません。お母さまもやはり遺言書を作成していないものと考えられますから、あなたとそのご兄弟で遺産分割協議を行うこととなります。
このような数次相続については、2回の相続に関する遺産分割協議書を1つの書類にまとめることができます。ただし、その記載方法は通常の遺産分割協議書より複雑となるため、分からない場合は専門の方に依頼する必要があるかもしれません。

なお、相続財産の額や相続人の人数によっては、相続の際に相続税がかかる可能性があります。後に発生した相続の開始前10年以内に、被相続人が相続や遺贈によって財産を取得し相続税が発生していた場合は、その被相続人から相続などによって財産を取得した人の相続税から一定の税額を控除する制度(相次相続控除)があります。今回のケースでは、まずはお父様の相続について相続税を計算し、その後お母様の相続により発生した相続税から一定の金額が控除できることとなります。

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