賃貸住宅に住んでいる人の中には、フローリングを綺麗にするために自分でワックス掛けをしてもよいのかどうか、疑問を抱いたことのある人は多いのではないでしょうか。
賃貸住宅は、あくまで貸主から借りているものであり、入居者の持ち物ではありません。
そのため、自らの判断でワックス掛けを行う前に、一度立ち止まって考えたほうがよさそうです。
そこで本記事では、賃貸住宅におけるフローリングのワックス掛けについて、詳しく解説してきます。
多くの入居者が迷いやすい、「そもそも自分でワックス掛けをしてもよいのか」という疑問を解決した上で、実際にワックス掛けをする際の注意点や具体的な方法についても、理解を深めていきましょう。
現在賃貸住宅に住んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
原則として、賃貸住宅のフローリングのワックス掛けは、入居者ではなく貸主が行うべきものとされています。
なぜなら、一般的に賃貸住宅で入居者が行うべき室内の管理は、いわゆる通常の掃除のような、物件の状態を最低限維持するための行為のみで十分だからです。
実際に、国土交通省によって定められている「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の中でも、室内のフローリングのワックス掛けは貸主負担であることが明確に記載されています。
合わせて、ワックス掛けはいわゆる通常の掃除の範囲を超えているとの解説も記載されているので、ワックス掛けは貸主が行うのが正しいと捉えてよいでしょう。
また、借主である入居者は、フローリングをワックス掛けする義務がないだけでなく、自己判断によってワックスを掛けた結果失敗してしまうと、原状回復費用を請求されてしまう可能性も考えられるので注意が必要です。
以上より、賃貸住宅を借りている立場である人は、フローリングのワックス掛けは原則として貸主が行うべきものであるということをきちんと理解し、自己判断だけで勝手にワックス掛けを行うのは避けるようにしましょう。
前述したように、原則として賃貸住宅におけるフローリングのワックス掛けは貸主が行うべきものとされていますが、貸主に相談し許可を取った上で行う分には特に問題ありません。
ただし、貸主の許可を得たからといって、必要な注意点を理解せずにワックス掛けを行うのは避けたほうがよいでしょう。
賃貸住宅でワックス掛けをするには、事前に押さえておくべき注意点が複数あります。
ここでは、賃貸住宅のワックス掛けで注意すべき4つのポイントについて解説していきます。
賃貸住宅に住んでいて、これから自分でワックス掛けを行う可能性がある人は、ここでしっかりと注意点を把握しておきましょう。
フローリングにワックスを掛ける際には、まず既に塗られている古いワックスを剥離する作業が必要となります。
古いワックスは、専用の剥離剤を使用しながら、自分の力でこすり落とさなければなりません。
このとき、力加減を誤ってしまったり、雑に作業を進めてしまったりすると、フローリング自体に傷をつけてしまう恐れがあるので注意が必要です。
綺麗にワックスを剥がすことを意識し、丁寧に作業を進めるよう心がけましょう。
また、古いワックスの剥離作業が面倒だからといって、剥離せずにそのまま新しいワックスを上から塗ってしまおうと考える人もいるかもしれません。
しかし、剥離せずにワックス掛けをしてしまうと、フローリングに黒ずみを発生させる原因となってしまう可能性があるので、面倒でもしっかりと剥離することが大切です。
賃貸住宅のワックス掛けにおいて、万が一フローリングを傷つけてしまうと、後々修繕費を請求されてしまう可能性があるので注意が必要です。
賃貸住宅はあくまで貸主から借りているものであるため、いずれは貸主にお返ししなければなりません。
そのため、入居中に破損する、あるいは傷つけた箇所については、借主の責任で直した上でお返しするのがルールとなります。
たとえば、ワックスを掛ける前の剥離作業中に床を傷つけてしまった場合や、使用したワックスの成分が床材に合わずフローリングを傷めてしまった場合などは、後で修繕費を負担することになるかもしれないので、注意しなければなりません。
このような事態をあらかじめ把握した上でワックス掛けを行うことは、非常に重要なポイントであるといえるでしょう。
キッチンや洗面所付近などの水回りでは、耐水性に優れたワックスを使用しましょう。
フローリング用のワックスの中には、複数の種類があり、細かい成分もそれぞれ異なります。
種類によっては水濡れに弱いタイプのワックスもあり、水回りに使用してしまうと失敗するリスクが高まるので、注意が必要です。
賃貸住宅では、設備として床暖房がついているケースも少なくありません。
床暖房がついているフローリングへのワックス掛けを行う際は、耐熱温度の高いワックスを選んで使用するようにしましょう。
耐熱温度が高くないワックスを選んでしまうと、ワックス掛け完了後に徐々に白く浮いてきてしまう恐れがあるので、注意が必要です。
ここでは、賃貸住宅のフローリングにワックス掛けをするときの方法について、5つのステップに分けて解説していきます。
ワックス掛けの方法をきちんと把握した上で、実際の作業に取り掛かりましょう。
ワックス掛けを始める前に、まずは床全体の掃除を行いほこりやゴミを除去しておきましょう。
フローリング上にほこりやゴミが付いたままワックスを掛けてしまうと、最終的に汚い仕上がりになってしまうので、注意が必要です。
そのため、ほこりやゴミの取り残しがないよう、掃除機を使って丁寧に掃除しておきましょう。
また、掃除機では除去しきれない汚れが付いていて、水拭きでの掃除も行う場合は、きちんとフローリングを乾かしてからワックス掛けをするように注意してください。
床全体の掃除が終わったら、ワックスを掛けない部分を養生テープなどで保護しましょう。
たとえば、床と壁の境目部分や、移動できない家具の周りなどは、事前に保護しておくことが必要です。
なお、粘着力が強すぎるもので保護すると、作業後に綺麗に剥がせなくなってしまう恐れがあるので、やや弱めの粘着力のもので保護することをおすすめします。
ワックス掛けを行う前に欠かせないのが、古いワックスの剥離作業です。
専用のワックス剥離剤を使用し、スポンジでフローリング上に塗り広げたら、数分間待ちましょう。
徐々に古いワックスが溶け出してきたところを、スポンジや濡らした布などを使って丁寧にこすり落としていきます。
このとき、力加減を誤ると、古いワックスだけでなくフローリング自体を傷つけてしまう恐れがあるので、きちんとワックス部分だけをこすって剥がすことを意識しましょう。
古いワックスを剥離できたら、実際にワックス掛けを行っていきます。
失敗しないポイントは、部屋の奥から手前に向かってワックスを掛けていくことです。
ワックスを掛ける順序を誤ると、ワックス掛けした部分を足で踏んでしまうことになるかもしれないので、注意しましょう。
また、ワックスはできるだけ薄く塗っていくことで、綺麗な仕上がりになります。
一度に沢山の量を使ってしまうと、乾燥に時間がかかる他、ムラができやすくなってしまうので注意が必要です。
ワックスを掛け終わったら、十分に乾燥させます。
ワックスを乾燥にかかる時間は、使用するワックスの種類によっても異なりますが、少なくとも1時間以上は乾燥させたほうがよいでしょう。
しっかり乾燥させた後は、拭き掃除などをする必要はありません。
ワックスがすべて乾いているのが確認できれば、ワックス掛けは完了です。
賃貸住宅に住んでいる場合、フローリングのワックス掛けは原則として貸主が行うべきものとされています。
しかし、貸主に相談し許可を得れば、借主である入居者がワックス掛けを行うことも可能です。
賃貸住宅のフローリングのワックス掛けは、押さえておくべき注意点をきちんと把握した上で行いましょう。
注意点を押さえずにワックスを掛けてしまうと、ワックス掛けに失敗してしまい、別途費用を請求されてしまうリスクが高まります。
本記事では、賃貸住宅でのワックス掛けに関する注意点や、作業する際の流れについて解説してきたので、今後賃貸住宅のワックス掛けをする際はぜひ参考にしてみてください。