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強制退去を逃れて居座ることは可能?立ち退き拒否から強制執行までの流れを解説

弁護士 水流恭平

この記事の執筆者 弁護士 水流恭平

東京弁護士会所属。イギリス(ロンドン)出身。
立ち退きは、人生という演劇における「幕間のセットチェンジ」のようなものです。次の新しいステージへスムーズに、かつ最良の状態で進むためには、適切な準備とプロフェッショナルによる調整が欠かせません。
私は都内の大規模・中堅法律事務所で培った高度な法的知見を活かし、居住用から事業用まで、数多くの「立ち退き料増額交渉」や「建物明渡し」の問題に取り組んできました。
「どれくらいの金額が妥当なのか」「いつまでに明け渡すべきか」といった不安に対し、法律の専門家として明確な見通しをスピーディーに提示いたします。皆様が正当な権利を守り、納得して次の一歩を踏み出せるよう全力でサポートいたします。ぜひ一度ご相談ください。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/tsuru/

この記事でわかること

  • 強制退去とは何か
  • 強制退去(強制執行)を逃れて居座ることができない理由
  • 立ち退きの「正当事由」とは何か
  • 立ち退き拒否・居座りから強制退去になるまでの流れ
  • 強制退去を避けるための対処法

家賃を滞納し続けると、貸主から建物の明け渡し訴訟を提起され、最終的には裁判所の強制執行で退去させられる可能性があります。
強制執行が行われると、運搬業者や鍵屋によって家財の運び出しや鍵の交換が行われるため、居座り続けるのは不可能です。

強制執行を受ける前であれば貸主との和解で解決できる余地があるため、できるだけ早い段階で弁護士に相談しましょう。
ここでは、家賃滞納などで立ち退きを迫られているときに、強制執行を避けるための具体的な対処法などを解説します。

強制退去とは

強制退去とは、家賃を滞納した借主が退去しない場合に、裁判所の命令に基づいて強制的に退去させる手続きです[注1]。
日本では法的な手続きによらない自力救済が禁止されています[注2][注3]。
借主が家賃を滞納しても、貸主から鍵の交換や家財の運び出しなど強制的に退去させる行為はできません。
一方で、貸主が住居の明け渡し訴訟に勝訴した場合は法的な強制執行で借主を退去させられます。
強制執行で運び出された家財などの保管費用や執行費用などは、原則として借主が負担しなければなりません。

強制退去(強制執行)を逃れて居座ることはできない

裁判所から明け渡し命令を受け、期日を過ぎた後も物件に居座り続けると、最終的には強制執行によって退去させられます[注1]。
明け渡し命令を受けた後は、法的には不法占拠の状態となるためです。

強制執行では、鍵の解錠や交換が強制的に行われるため、居留守や病気の場合でも立ち退きを免れません。
執行官の指示で搬出業者が室内の家財すべてを強制的に運び出し、裁判所が指定する保管業者へ預けられます。
結果的には、滞納家賃だけでなく執行費用や遅延損害金、家財保管費用なども請求されるため、経済的なリスクがさらに大きくなるでしょう。

立ち退きの「正当事由」とは

正当事由とは、貸主が賃貸借契約を一方的に解除し、借主に立ち退きを求めるのが相当と認められる理由です。
借地借家法28条に基づき、貸主と借主の物件を使用する事情が比較考慮され、正当事由として認められるかどうかが決まります[注4]。
例外として、次章以降で解説する通り、家賃の滞納などで信頼関係が破壊されている場合は即座に契約解除が認められます

貸主の自己使用の必要性

貸主やその親族が居住用や事業用に物件を使用する必要がある場合、正当事由として認められる可能性があります。
正当事由として認められるのは、単なる希望や将来的な計画などの自己都合ではなく、以下のように物件を使用しなければならない切実な事情がある場合です。

  • 貸主が高齢のため今の住居に住み続けるのが困難になった
  • 貸主の親族に要介護者がおり、他に居住できる物件がない
  • 貸主の事業の都合により、物件を事業用に使わざるを得なくなった

他の物件を所有している場合など、自己使用の必要性が低いと判断されるときは認められにくくなります。

建物の老朽化・建て替えの必要性

建物の老朽化が著しく、建て替えなければ倒壊の危険がある場合は正当事由として認められるケースがあります。
倒壊の危険とは、居住者の安全に重大な影響を及ぼす場合であり、単に築年数が経っているのみでは原則として認められません。
たとえば耐震診断で倒壊リスクが証明されており、補修工事で対応できないなど、客観的な根拠が必要です。

倒壊の危険性が低い場合でも、十分な立ち退き料の支払いがあれば正当事由として補完され、立ち退きが認められる可能性があります[注4]。

借主の家賃滞納など重大な契約違反

貸主と借主の信頼関係が破壊されているとみなされる場合、貸主は正当事由がない場合でも契約解除できます
信頼関係の破壊とは、借主の違反行為が悪質かつ重大であり、関係が修復不可能な状態であると判断されるケースです。
貸主が訴訟を提起した場合でも、裁判上で建物明け渡し請求が認められる可能性が高いでしょう。

信頼関係が破壊されているとみなされるのは、以下のような場合です。

  • 家賃滞納
  • 無断転貸
  • 無断DIYやリフォーム
  • ペット不可物件での飼育
  • 近隣住民への迷惑行為

契約を解除されたときは、原則として立ち退き料はもらえません。

立ち退き拒否・居座りから強制退去になるまでの流れ

立ち退き拒否・居座りから強制退去になるまでの流れ
賃貸契約違反を続けた場合や、立ち退き要求を拒否して居座りを続けた場合、貸主から訴訟を起こされ、最終的に強制退去となります。
ここからは、立ち退き拒否から強制退去までの流れを見ていきましょう。

督促・契約解除

家賃滞納の場合、まず借主へ家賃支払いの督促状が届き、連帯保証人がいるときは家賃を支払うよう連絡があります。
家賃の支払がない場合は、内容証明郵便が届きます。
内容証明郵便とは、郵便物について「誰から誰へ、いつの日付で、どのような内容の文書を差し出したか」を日本郵便が証明する制度です。
内容証明郵便は、契約を解除するときに裁判上で通知日や通知内容などを立証できる重要な証拠です。
貸主が内容証明郵便を送付してきた場合は、訴訟の提起や強制執行の準備をしている可能性が高いでしょう。
調停や裁判などを避けたい場合、内容証明郵便が届く前に貸主との話し合いで解決する必要があります。

建物明渡請求の訴訟

貸主からの内容証明郵便を無視すると、建物明渡請求の訴訟を提起され、裁判所から訴状が特別送達で届きます。
訴状が届いた後、答弁書を出さないまま期日に欠席すると、その時点で敗訴が決まります[注5]

裁判に出席すれば、裁判官の仲介で分割払いや退去期限の猶予などの和解による解決を望める可能性もあるでしょう。
和解とは、裁判外の任意交渉や訴訟手続き内で退去時期や条件を合意する方法であり、訴訟や執行費用がかからず、早期解決できるメリットがあります。
貸主と和解できなければ裁判所から明渡しを命じる判決を受けるため、この段階が和解で解決できる最後のチャンスとなります。

強制執行の申立て

借主が建物明け渡しの判決を受けても退去しない場合、貸主は裁判所に強制執行の申立てを行います。
申立てが受理されると、裁判所の執行官が建物の明け渡しを担当します。
執行官とは、裁判上の判決が任意に実現されないときに強制的に実現する執行機関です。

退去の勧告

裁判所の執行官は、鍵屋、貸主とともに物件を訪問し、借主へ明渡しの催告を行います[注1]。
居留守を使っても鍵を解錠して部屋に入るため、催告は免れません。
催告では、借主へ退去期日が告げられ、公示書が室内に貼られます。

公示書とは、物件や室内の家財が強制執行の対象であり、断行日までに明け渡すよう記載された書面です。
退去の勧告が強制執行前の最後通告であり、断行日までに自主的に退去すれば、家財の運搬費用や保管費用などはかかりません。

強制執行の実施

退去の勧告による期限までに立ち退きをしない場合、強制執行が実施されます。
強制執行では、大勢の運搬業者が室内に立ち入り、家具や備品など室内にある家財をすべてトラックで運び出します。
部屋が空室となった後、鍵が交換されるため、借主は室内に入れません。
運び出された家財などは、裁判所の指定する業者に一定期間保管されます。
借主は、保管費用を支払えば家財を運び出せますが、一定期間が経過すると売却または処分されます。

強制退去を避けるための対処法

強制執行を受けると金銭面や生活面で大きなデメリットがあるため、事前に対処しましょう。
対処としては、主に以下のような方法があります。

  • 大家や管理会社に相談する
  • 公的支援制度を利用する
  • 弁護士に相談する

それぞれについて解説します。

大家や管理会社に相談する

1~2回目の家賃滞納や訴訟を提起する前の段階であれば、貸主や管理会社に事情を説明すると法的措置を猶予してもらえる可能性があります。
一時的に支払いが困難になった場合は、分割払いや支払猶予などを認めてもらえるケースもあるでしょう。

相談するときは、家賃を滞納した事情を説明するのみでなく、支払時期や退去日などを約束し、誠実に履行しなければなりません。
約束を破った場合は心証が悪くなり、法的措置を早める恐れがあります。

公的支援制度を利用する

家賃の支払ができないときは、以下の公的支援制度を利用できる可能性があります。

住居確保給付金[注6]

離職や廃業などで家賃が払えない人に、一定の上限のもとで自治体が家賃を支給する制度です。

生活保護(住宅扶助)[注7]

生活に困窮している場合に給付金を受けられる制度です。
転居費用として敷金や礼金、引越し代の扶助を受けられれば、次の住まいを確保できます。

制度の利用については、役所の福祉課や自立相談支援機関に相談しましょう。

弁護士に相談する

裁判所からの訴状が届いた場合や、貸主との交渉が困難な場合は専門家である弁護士に相談しましょう。
紛争が拡大するのを防ぐため、できるだけ早い段階で弁護士に相談するのが望ましいです。

弁護士に相談すると、貸主の和解によって無理のない退去期限や滞納金の分割払いなどを交渉してもらえます[注8]。
貸主が退去を求める正当事由などが不当な場合は、法的な根拠や判例などをもとに主張し、立ち退き料を請求できる可能性があります。
家賃以外の負債が多く、借金問題の根本的な解決が必要なときは、自己破産など債務整理による生活再建もサポートしてもらえるでしょう。

まとめ

家賃の滞納後、支払督促を無視し続けると最終的には裁判所から強制執行を受ける恐れがあります。
強制執行では解錠や家財の運搬が強制的に行われるため、居座りは不可能です。
貸主や裁判所からの通知を無視せず、和解をめざすのが経済面や生活面で最もメリットの大きい方法です。

家賃滞納により契約を解除された場合、立ち退き料がもらえないケースが多いため注意しましょう。
家賃が支払えないときは、公的支援の利用や自己破産をして生活を再建するのも有効な方法です。
強制退去の通知が届いてお困りの方や、今後の生活再建について相談したい方は、お早めにVSG弁護士法人にご相談ください。

[注1]民事執行法/e-Gov法令検索
民事執行法第168条の1(不動産の引渡し等の強制執行)・第168条の2(明渡しの催告)

[注2]民法/e-Gov法令検索
民法200条1項(占有回収の訴え)

[注3]民法/e-Gov法令検索
民法414条1項(強制履行)

[注4]借地借家法 / e-Gov
借地借家法第28条

[注5]民事訴訟法/e-Gov法令検索
民事訴訟法第159条1項(自白の擬制)

[注6]住居確保給付金:制度概要

[注7]生活保護制度

[注8]弁護士法/e-Gov法令検索
弁護士法第3条(弁護士の職務)

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