

大阪弁護士会所属。京都市出身。
建物の老朽化や土地活用に伴う「立ち退き」の問題は、賃貸人・賃借人双方の利害が複雑に絡み合い、解決が長引くほどオーナー様にとって大きな精神的・経済的負担となります。
円滑な明渡しを実現するためには、正当事由の精査といった法律知識に加え、妥当な立ち退き料の算定や、相手方の状況に応じた柔軟な交渉力が欠かせません。
私はIT企業や経営コンサルタントとしての実務経験を活かし、単なる法律論に留まらない「ビジネス視点での最適な解決策」をスピーディーに提示することを得意としています。 早期解決によって次のステップへスムーズに進めるよう尽力いたします。ぜひ一度ご相談ください。
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書籍:「事業をやり直したい」と思ったときの会社のたたみ方

市営住宅(団地)から退去するときの費用相場は3〜10万円ほどのケースが多いです。
室内や設備の損傷の程度にもよりますが、100万円を超えるような退去費用を請求されたときは不当な項目が含まれている可能性が高いといえます。
高額な退去費用を請求されても、原則としてすぐに合意する必要はないため、まずは金額の妥当性について弁護士に相談しましょう。
本記事では、高額な退去費用を請求されたときの対処法や減額交渉の方法などについて解説します。
目次
市営住宅・団地の修繕費・退去費用の相場は、軽微な場合で3〜10万円程度、部屋が広い・損耗が大きい場合で30〜60万円程度が目安です。
物件の間取りや損傷の有無によって金額は増減しますが、100万円を超えるような請求は通常相場から大きく乖離している可能性が高いでしょう。
築年数が古くなると修繕箇所が増えるため、修繕費や退去費用は割高になる傾向があります。
以下では、修繕費に含まれる項目について紹介します。
市営住宅を退去する際、汚れや傷があるクロスは張替えを行わなければならず、1㎡あたり1,500円前後の費用がかかります。
タバコによるヤニ汚れや黄ばみがあるときは、一居室まるごとクロス張替えとなるケースがほとんどで、以下の費用が目安となります。
| 部屋の畳数 | クロスの張替え費用相場 |
|---|---|
| 6畳 | 3万円~7万円 |
| 8畳 | 4万円〜8万円 |
| 10畳 | 4万5,000円~9万円 |
非喫煙者の入居者だったときはヤニ汚れなどはないため、必ずしも全面張替えを求められるわけではありません。
損傷が一部のみで部分補修が可能なときは、必要な面積に応じて張替え費用は抑えられるでしょう。
フローリングの張替え費用の相場は、おおよそ6畳居室で5万円〜18万円ほどです。
以下の表は、施工範囲に合わせた費用相場です。
| 部屋の畳数 | フローリングの張替え費用相場 |
|---|---|
| 居室(6畳) | 5万円~18万円 |
| 居室(12畳) | 20万円~35万円 |
| 廊下 | 4万円~12万円 |
| キッチン | 5万円~14万円 |
| 洗面所 | 2万円~6万円 |
市営住宅に長期間居住していると、フローリングも劣化し、全体的な張替えが求められる場合もあります。
一方で、部分補修や部分張替えが可能なときは面積に応じて費用が減額されます。
家具設置などの通常損耗による傷は、貸主負担になる可能性もあるでしょう。
費用の内訳を精査すると借主負担ではない項目が含まれているケースもあるため、借主負担の項目のみになっているか必ず確認してください。
エアコンを故意や過失で故障させた場合、借主負担で修理や交換が必要となり、おおよそ12万7,000円〜24万7,000円前後の費用がかかります。
| エアコン本体 | 10万円~20万円 |
| エアコンの取り付け | 2万円~3万円 |
| 既存エアコンの取り外し (リサイクル料を含む) | 7,000円前後 |
| 追加工事費用 | 0円~1万円 |
| 合計 | 12万7,000円~24万7,000円 |
給湯機を故障させた場合は、おおよそ10万円〜15万円ほどの費用がかかります。
トイレやユニットバスなどの交換も必要となった場合、さらに数十万円以上の費用がかかる場合があるでしょう。
設備の故障が重なると高額な請求になりますが、経年劣化によって自然に故障したときは貸主が修理費用を負担します。

市営住宅の退去費用が100万円を超えるのは例外的なケースであり、以下のような複数の要因が重なった場合に限られるでしょう。
それぞれの内容を紹介します。
以下のような故意や過失による損傷は借主負担となり、損傷の範囲が広いときは修繕費用が高額になる可能性があります。
市営住宅を運営する自治体は借主の善管注意義務を厳しく判定する傾向にあるため注意しましょう。
民間では経年劣化と判断される部分も、自治体では過失や注意義務違反とみなされるケースもあります。
一方で、一部の損傷にも関わらず全面張替えを求めるような過大請求を受けるケースもあるため、請求内容は必ず確認しておきましょう。
ペットを飼育している物件では、臭いや引っかき傷、床の損傷などが広範囲になり、除去も難しいため建物全体の特殊損耗とみなされます。
専門業者に依頼してクロスや下地の全面張替えをしなければならず、高額な退去費用の請求を受けるケースも珍しくありません。
契約書でペットの飼育が禁止されている場合、損害賠償などを請求される可能性もあるでしょう。
一方で、ペットを飼育していた場合でも損傷範囲を超える全面張替えなどで退去費用が高額になっているときは、減額を要求できる余地があります。
弁護士に依頼すると、過去の判例などから借主負担となる範囲の線引きをしてもらえるでしょう。
修繕費とは別項目ですが、請求書の内訳として未払いの家賃の滞納や遅延損害金が含まれているケースがあります。
遅延損害金は元本となる滞納家賃に利息を含めて請求される金銭であり、気付かないうちに高額になっているケースも少なくありません。
退去時に滞納家賃や遅延損害金を一括で請求するケースもあり、退去費用の金額に含まれていると総額は高くなるでしょう。
退去費用とは別途交渉が必要になるため、請求書の項目から高額となっている要因をそれぞれ精査するのが重要です。
賃貸物件からの退去時は、入居時に備え付けられていた設備を除き、借主が購入した設備は撤去しなければなりません。
借主が購入した家電や家具、ソファなどが残っていると、貸主が撤去や運搬、処分などをしなければならず、退去費用として請求されます。
特に市営住宅は風呂釜やエアコンを借主が設置するケースも多く、放置して退去すると高額な廃棄費用を請求される恐れがあるでしょう。
設備の処分は、自分で対応すれば費用を抑えられる可能性が高いです。
また、残置物として扱ってもらえるケースや自治体側の管理不備により入居時からあった設備等のケースもあります。
無断で放置せず、本来は払わなくてよい処分費用を払わないように、専門家による精査を受けて適切に対応しましょう。
自治体が運営する市営住宅であっても、すべての請求が正当とは限らず、不当や過大な請求となっているケースは少なくありません。
原状回復の負担は、借主の故意や過失による損傷に限られます。
100万円を超える高額請求の場合、貸主負担となる費用や過剰な修繕が含まれていないか確認が必要です。
損傷が一部であり、部分補修のみで足りるときは原則として借主が全面補修の費用を負担する必要はありません。
一方で、以下の通り一部の傷や汚れにも関わらず、部屋全体の張替えや設備の新品交換を請求されるケースもあります。
これらは過剰請求として減額交渉できる可能性が高いため、請求額を計算するための根拠となる修繕範囲は必ず確認しておきましょう。
耐用年数とは、設備などを本来の用途で使用できるとされる法定の年数です。
原状回復ガイドラインでは設備ごとに耐用年数の基準が定められており、年数が経過すると設備の残存価値はほぼ0円になります。
たとえばクロスの耐用年数は6年で、新品価格10万円のとき、使用から3年を経過したときの残存価値は約5万円です。
退去時には、最新機器への買い替えなど、古い設備でも新品交換費用を満額請求されるケースは少なくありません。
借主の費用負担は残存価値を考慮して算出されるのが原則であるため、新品価格を請求されたときは減額を交渉しましょう。
金額を算定するための内訳が不明確であるときは、本来の費用に上乗せで請求されているケースも多いため注意しましょう。
たとえば「一式◯万円」などの記載があるときは過剰な金額が含まれている可能性があります。
計算根拠が不明なときは、材料費、工賃、処分費などの内訳が適正かどうか確認するために明細の提示を要求しましょう。
自治体から提示される請求額は、計算根拠が不明瞭な場合も少なくありません。
明細の提示を依頼すると、減額交渉で相手から譲歩を引き出しやすくなる傾向にあります。
必要に応じて、弁護士などの専門家へ相談するのも有効な方法と言えるでしょう。
市営住宅の退去費用でも、請求内容に不当な部分があれば減額できる可能性があります。
減額交渉の根拠は、過大な修繕範囲の設定、経年劣化の未考慮、見積の不透明さなどです。
早期に対応するほど減額の余地が見つけやすくなるため、できるだけ早く弁護士に相談しましょう。
弁護士が減額交渉に介入した結果、100万円の請求額を20万円まで大幅に減額できた事例があります。
当初100万円の請求があった後、内訳を精査し、不要な部分の削減によって大幅な減額に成功しました。
弁護士は交渉の専門家であり、過去の判例など法的な根拠に基づいて減額を請求します。
自治体側としては、金額を争っても法的に敗訴となるリスクが高く、減額に応じて早期解決を優先するケースが少なくありません。
意図的な過剰請求を行っているときは容易に引き下げてもらえるケースもあるため、まずは弁護士に内容の精査を依頼しましょう。
自治体の行う行政処分に対しては、行政不服申立てによって異議を訴えられます。
行政不服申立てとは、行政不服審査法に基づいて行政上の処分や権力行使などに審査を要求する制度です。
不服申立てが認められると、対象の行政処分について取消や変更などの是正措置が行われます。
自治体の担当者にとっては、不当な請求として認定される可能性があるため申立ての示唆は大きなプレッシャーとなるでしょう。
実際に不服申立てを行う場合、対象となる行政処分があった事実を知った日の翌日から3カ月以内に申し立てる必要があります。
不服申立てには専門的な判断が必要となるため、弁護士に相談しましょう。
市営住宅の退去費用が払えない場合でも、分割交渉や減額交渉など様々な対応方法があります。
請求を受けた後に放置すると延滞金の発生や法的措置につながり、解決が困難になる可能性があるため、早期対応が重要です。
退去費用の項目のうち、自分で対応すると大幅に節約できる費用もあるでしょう。
たとえば、残置物の撤去は貸主から業者に依頼すると撤去や運搬、処分費などで高額になる恐れがあります。
自治体の手配する業者の費用は、借主への請求を前提としているため一般的な市場価格より高額になるケースも珍しくありません。
大型家具や家電などは自治体が安価に回収している場合もあり、処分費用を大幅に抑えられる可能性があります。
清掃や査定などの手間はかかりますが、フリーマーケットへの出品や買取業者に依頼してリサイクルするのもおすすめです。
退去費用が高すぎて支払いが困難な場合、分割払いや減免措置などを個別に対応してもらえる可能性があります。
現実的に支払いが困難である場合、自治体側にとっても回収不能となるリスクが高いためです。
分割払いなどを交渉するときは、収入状況に応じた支払い計画を提示して現実的な解決手段である旨を説明しましょう。
分割払いを交渉する前に、まずは請求額を減額できるかどうか精査するために請求内容の確認を弁護士に依頼するのがおすすめです。
退去時の立ち会いでは、室内の損傷箇所を説明しながら修繕が必要な範囲を確認しましょう。
後に修繕範囲を超える請求があったときに反論がしやすくなり、不当な上乗せを防止できます。
立ち会いのときに沈黙したままだと、相手からは「同意した」と受け取られる可能性もあるため注意しなければなりません。
合意内容をメモで残す、修繕箇所を写真で記録するなどの方法も、後に不当な退去費用の請求を拒否するときに役立ちます。
不明点があるときはすぐに同意せずに持ち帰り、弁護士へ相談しましょう。
自治体からの請求であっても、不当な内容が含まれているときは不服申立てや減額交渉などが可能です。
個人が直接交渉すると応じてもらえないケースも多いため、減額交渉や支払い条件の調整などは弁護士に依頼しましょう。
早期対応が借主の負担軽減につながるため、自治体からの請求に違和感があるときはできるだけ早いタイミングで弁護士に相談するのがおすすめです。
自治体との交渉は弁護士に代行してもらえるため、借主の労力や精神的負担も軽減できるでしょう。
市営住宅の退去費用は、損耗が軽微な場合で3〜10万円程度、甚大な場合でも30〜60万円程度が目安です。
100万円の請求には、不当な内容が含まれている恐れがあります。
自治体からの請求でも、過大請求の請求や行政不服申立てなどによって減額できる可能性があるでしょう。
請求額が妥当であり、すでに確定している場合でも、分割払いや支払期日の猶予を交渉できるケースもあります。
請求額が妥当かどうかを判断するために、できるだけ早く専門家である弁護士へ内容の精査を依頼しましょう。
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