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<円安・物価高騰による経営への影響実態調査(第2回)>を実施
もはや限界!?値上げは「令和5年3月までに」と回答した人が28.6%と最多!過半数が日本銀行の金融政策による円高の流れに期待を寄せている
ベンチャーサポート税理士法人(会社設立 完全ガイド:https://vs-group.jp/tax/startup/ https://vs-group.jp/zei/)を運営するベンチャーサポートグループ株式会社(渋谷区、グループ総代表 中村 真一郎 https://vs-group.jp/)は、「円安・物価高騰による経営への影響」に関する実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。
<円安・物価高騰による経営への影響に関する調査結果トピックス>
- コスト上昇に伴う販売価格への転嫁の時期は、「令和5年3月までに」と考えている経営者が28.6%
- 6割近くの経営者は、円安・物価上昇が続く日本経済について「経営が難しい」と回答
- 今後の円相場に関して、過半数が日本銀行の金融政策により、円高へ転換すると予測している
- 日本や海外の経済情勢について、経営判断する上で4割近くが「インターネット」から情報を得ている
<調査概要>
- 調査方法:ゼネラルリサーチ株式会社のモニターを利用したWEBアンケート方式で実施
- 調査の対象:ゼネラルリサーチ社登録モニターのうち、全国の経営者を対象に実施
- 有効回答数:1,003人
- 調査実施期間:2022年12月23日(金)~2022年12月24日(土)
コスト上昇に伴う販売価格への転嫁の時期は、「令和5年3月までに」と考えている経営者が28.6%
全国の経営者、男女1,003人を対象に調査を実施。
前回調査(URL設置)では、「円安・物価上昇に伴い、今後、実施予定の内容はありますか?(複数回答可)」という質問に対して、「コストを販売価格に転嫁(値上げ)」と回答した人が40.5%と最も多かった。
そこで、「今後、コスト上昇に伴う販売価格への転嫁はいつ頃を予定していますか?」と質問したところ、「価格転嫁は予定していない(33.3%)」「令和5年3月までに(28.6%)」「令和5年4月(13.8%)」「令和5年5月~令和5年8月(7.4%)」「令和5年9月~令和5年12月(4.6%)」「令和6年以降(2.4%)」「価格転嫁したいが、他社との価格競争により価格転嫁できない(9.9%)」という回答結果となった。
「価格転嫁は予定していない」と回答した経営者は3割にとどまる。
6割近くが値上げを予定しており、値上げ時期としては「令和5年3月までに」が28.6%と最も多く、次いで「令和5年4月」が13.8%となった。
4月は新たな年度となるため、多くの企業は来年度を見据えて、令和5年4月までに値上げに踏み切る考えを持っていることが明らかになった。
一方、約1割の経営者は「価格転嫁したいが、他社との価格競争により価格転嫁できない」と回答しており、値上げの難しさも分かる結果となった。
6割近くの経営者は、円安・物価上昇が続く日本経済について「経営が難しい」と回答
円安・物価上昇が続く日本経済について、経営者としてどのように感じているのか調査を行った。
結果、6割近くが「経営が難しい(56.6%)」と回答した。
一方で、4割の経営者は「ビジネスチャンス(40.1%)」と前向きに捉えていることが明らかになった。
多くの経営者が昨今の円安・物価上昇が続く日本経済について、今後の経営への影響を危惧していることが分かる結果となった。
今後の円相場に関して、過半数が日本銀行の金融政策により、円高へ転換すると予測
令和4年12月、日本銀行の金融緩和政策の修正の発表(長期金利の変動許容幅を「±0.25%程度」から「±0.5%程度」に変更)を受けて、円相場は一時、1ドル=130円台にまで円高が進んだ。
このことを受けて、「今後、円相場はどのようになると予測していますか?」と質問したところ、「日本銀行の金融政策により、円高へ転換する(51.8%)」が最多となった。
昨年12月に発表された金融緩和政策の修正を受け、今後、円相場は円高が進むと予測している経営者が多いことが明らかになった。
最後に、「日本や海外の経済情勢について、経営判断する上で、主に何から情報を得ていますか?」と質問したところ、「インターネット(39.9%)」と回答した人が最も多く、次いで「テレビ(26.9%)」「新聞(17.9%)」という回答結果となった。
【まとめ】
円安・物価上昇が続く日本での経営は厳しい…日本銀行の金融政策によって円高へ転換することに期待している
円安などによるコスト高騰によって、企業の利益は減少している。
コスト上昇に伴う販売価格への転嫁を予定している時期として、「令和5年3月までに」「令和5年4月」と回答した経営者が4割にのぼることから、経費削減といった企業努力だけでは、もはや限界に近いことがうかがえる。
事実、6割近くの経営者が円安・物価上昇が続く日本経済の状況では経営が厳しいと感じており、日本銀行の金融政策によって円高へ転換することに期待していることがわかった。
日本経済や海外の情勢について、常にアンテナを張っておくことが好ましいと言えるだろう。
専門家からのアドバイス
「今さら聞けない金融緩和とは?なぜ円安になるの?」
円安と物価上昇が続く日本経済について、全国の経営者に調査を行った結果、「経営が難しい」と回答した経営者が6割近くという結果となりました。
ところで、どうして円安になるのか、あるいは金融緩和とはどのようなものなのか、ご存じでしょうか。
知っているようで実はよく分からない経済の仕組みを専門家が解説します。
金融緩和とは?
金融緩和とは、簡単に言えば金利を引き下げることで日本国内の景気を良くする政策のひとつです。
金利が引き下げられると、金融機関からお金を借りても、返済する際の利息の支払いは少なく済みます。
低金利となれば、金融機関から融資を受けて設備投資を行う企業や、マイホームを購入する個人が増え、その結果として消費が活発になり、景気が良くなるという仕組みです。
日本では、金利の上昇・下降の方針を決定するのは日本銀行です。
日本銀行が金融緩和政策を決定すると、民間の金融機関からの融資を低い金利で利用できるようになるのです。
金融政策がもたらす景気への影響
日本銀行は、金利の上げ下げを行うことで、国内の景気をコントロールしています。
日本銀行が金利を引き下げると、金融機関から借り入れをした時に支払う利息の額は少なくなります。
その結果、金融機関からお金を借りやすくなるため、投資活動・消費活動が活発になります。
投資・消費が増えることで企業の売上は増加し、業績が良くなると考えられるのです。
一方、日本銀行が金利を引き上げると、金融機関から借り入れをする時の利息の負担が増加してしまいます。
すると、金融機関から借り入れをする企業も個人も少なくなり、消費活動は冷え込むこととなります。
その結果、企業の業績はより悪化することとなるのです。
企業が工場の建物や機械などの投資を行ったり、個人が車やマイホームを購入したりする際には、多額の支出が発生します。
手持ちの現金だけでは資金が不足するため、金融機関からの融資を利用することが多い事例です。
このような高額の消費は、日本銀行の金融政策の影響を特に受けやすいものと言えるでしょう。
中でも住宅ローンは利用者が多く、借り入れの方法も多様であるため、様々な形で日本銀行の金融政策の影響を受けます。
具体的には、変動金利で借りている人は短期金利の影響を受け、固定金利で借りている人は長期金利の影響を受けます。
なぜ円安が進んだ?
日本では新型コロナの感染拡大以降、徐々に経済活動が再開されても、景気回復は思うように進まないため、日本銀行は金融緩和の政策を継続しています。
そして日本以外の各国の中央銀行も、自国の景気をコントロールするために、金利を利用した金融政策を行っています。
世界最大の経済大国であるアメリカは、新型コロナによる経済活動の縮小からいち早く立ち直り、景気は大幅に回復しています。
また、ロシアとウクライナの紛争の影響で、物価が上昇しているために、インフレが起こりやすい状況にあります。
このような中で、アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)は金利を引き上げ、これ以上インフレが進まないような政策を実施しています。
日本では低金利が継続する一方、アメリカでは金利が上昇している状況下では、世界中の資金は金利の高いアメリカに流れ、日本にあった資金もアメリカに流出していきます。
すると、日本円は大幅に売られ、米ドルは大量に買われるという構図が生まれ、円安が進んでいくのです。
令和5年1月18日の金融政策決定会合で、金融緩和政策を維持することを決定
日本銀行がどのような金融政策を選択するかにより、為替相場に大きな影響が出ます。
令和5年1月18日の金融政策決定会合で、日本銀行の政策に変更があるのか注目されていましたが、金融緩和政策を変更しないことが決定されました。
この決定後には、円相場は一時、1ドル128円台から131円台まで、一気に3円ほど円安になるなど、大きな影響がありました。
その後、円相場は1ドル129円台まで戻しましたが、日本銀行がどのような金融政策を選択するのか、大きな注目を集めていることが分かります。
さいごに
日本国内の景気は、依然として不安定な状況にあるため、日本銀行の金融緩和政策は今後もしばらく継続する可能性があります。
この状況では、日本とアメリカの金利差が大きな状態となるため、円相場は円安になりやすくなります。
円安が続けば、さらなる物価上昇も懸念され、会社の経営に影響を及ぼすと考えられるため、注意が必要です。