最終更新日:2020/12/9
なぜ契約書は重要なのか?契約書の存在意義とその役割
ビジネスの場面でも、契約書はよく使われています。
普段、契約書は作成されていますか?
ビジネスにおいても、契約書は重要な役割を果たします。
そもそも契約書とはどんな役割をするのでしょうか。
目次
そもそも契約書とは?
契約というものは、実は、契約書がなくても「口頭」で成り立つものです。
お互いの合意があれば、「口頭」でもやりとりが成立します。
しかし、「口頭」であれば、トラブルが発生した時に、必ずと言っていいほど「言った、言わない」の水掛け論になります。
そうしたトラブルを防ぐために、「契約書」を作成しておく必要があります。
契約書の作成は必要?
ビジネスにおいては、いつもやっている取引だから、前と同じだから、と言って契約書を作成していない、というケースが多々あります。
いちいち契約書を作成するのは面倒ですよね。
でも、契約書作成には、大きなメリットがあります。
メリット1 トラブル回避
受注者は、いつもの色だと思って赤色で製造したけど、発注者は、オレンジ色で発注したつもりだった。
そんな誤解や誤発注を防いでくれるのが、契約書です。
いつも同じだから、と口頭で注文しても、実は、色が違う、形が違うなどのトラブルが発生することがあります。
そんな時、こういう形と色で、と契約書で指定しておけば、トラブルになった時に、どちらが間違えたのかが、すぐに分かります。
また、継続的に取引をする場合には、期間を定めて契約しておけば、途中で取引を投げ出される、といったことも防ぐことができます。
メリット2 契約が実現しやすい
口頭でよろしくね、と言っておいても、口だけだから、と実際はなかなかやってくれない。
そんなことってよくありますね。
契約書があると、当事者間でやらなければならない、という意識が高まり、契約の内容が実行されやすくなります。
契約書に契約違反の時のペナルティなどの記載があれば、実行されやすくなりますね。
メリット3 トラブル時に証拠になる
契約書は、トラブルが起こった時の重要な証拠になります。
これが、契約書の大きなメリットです。
「言った、言わない」の水掛け論になってしまったら、裁判になっても判断がつかなくなります。
でも、契約書があれば、その内容については、「合意した」という証拠になる可能性があります。
契約書が「ある」のと、「ない」のでは、トラブル発生時には、大きな差になります。
契約書作成のポイント
トラブル回避などのメリットがある契約書ですが、きちんと書かないと契約書の効果が薄れてしまいます。
契約書を作成する際は、どんなところに気をつけたらいいでしょうか。
ポイント1 契約当事者の表示、日付
誰が誰と契約したかを、はっきりさせることがポイントです。
契約書とはいえ、誰と誰の契約なのかがはっきりしなければ、有効にならない可能性があります。
個人事業主であれば、住所、屋号、氏名と押印、法人であれば、本店住所、商号、代表者の資格(代表取締役など)、代表者名、会社印を捺印します。
法人の場合、会社の実印を捺印してもらうのがよいでしょう。
また、商業登記簿謄本を確認しておくと、会社代表者が本当かどうか確認することができます。
契約日は必ず記載するようにしましょう。
いつ契約したのかわからなければ、いつから有効なのかも不明になってしまいます。
ポイント2 契約内容の項目
契約内容には、あいまいな表現は避け、はっきりとした分かりやすい文章にします。
特に、金額や数量、期限、場所などは、明確に記載し、損害賠償や契約解除の決まりについても記載しておきます。
万一、損害等が発生した場合に、契約書に損害賠償の記載があれば、対応することができます。
ポイント3 契印、印紙
意外と忘れがちなのが、契印です。
契約書が2枚以上になった場合には、とじているページにまたがって双方捺印をします。
複数ページにまたがる場合は、袋とじをして製本テープに捺印をする方法もあります。
契約書の内容によっては、印紙税の対象にもなります。
その場合は、印紙を貼り、双方の印鑑で消印しましょう。
必要に応じて捨印をしますが、捨印をすると、軽微な修正をしていい、ということになりますので、必要がなければ、あまり捨印はしない方がいいですね。
いつも取引しているから、よく知っているから大丈夫。
本当にそれで大丈夫ですか?
契約書は、トラブル回避だけでなく、大切なビジネスの取引を守ってくれる役割を果たします。
契約書があればよかった、となる前に、契約書を作成しておきましょう。