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最終更新日:2022/6/13

ニッチビジネスとは?日本と海外の成功事例・失敗事例からみる成功のポイント

税理士 鳥川拓哉
この記事の執筆者 税理士 鳥川拓哉

ベンチャーサポート税理士法人 税理士。
大学を卒業後、他業種で働きながら税理士を志し科目を取得。
その後大手税理士法人を経験し、現在に至る。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-tori

この記事でわかること

  • ニッチビジネスとはどのようなものかを知ることができる
  • ニッチビジネスを行うメリットとデメリットがわかる
  • ニッチビジネスを見つける方法や成功させるポイントがわかる

ニッチビジネスという言葉を聞いたことはあるでしょうか。

「ニッチ」という言葉は、ビジネス上も隙間などを意味する言葉として使われます。

ニッチビジネスという場合も、その隙間を狙った事業を意味しているのです。

ニッチビジネスにはどのような魅力があり、また逆にデメリットがあるのでしょうか。

また、ニッチビジネスを成功させるには、どのようなポイントに注意しなければならないのでしょうか

ニッチビジネスとは

ニッチビジネスとは、大企業が事業展開していない隙間を狙ったビジネスのことを言います。

ターゲットとなる顧客の数は極めて限定的であり、大きな売上は見込めません。

ただ、確実に需要があるため、その隙間を狙ってビジネスを行う場合があるのです。

ニッチビジネスが生まれる理由とは

本来、一定の需要がある分野には、必ず大企業が資本を投下して事業展開しているはずです。

しかし、大企業でもすべての需要をカバーしきれていないケースがあります。

それは、大企業が事業展開する際には、多額のコストを費やしても採算が合うものでなければならないためです。

大企業は、提供する商品やサービスの質を落とすわけにはいきません。

また、組織の大きな企業ほど高コストとなる傾向があるため、大企業が行う事業は一定以上の規模が求められるのです。

ニッチビジネスに参入する理由とは

一方、大企業以外の組織は、大企業が参入していない市場を狙って事業展開することがあります。

それは、わずかなニーズを取り込むことで、少ないながらも確実に売上をあげることができるからです。

また、大企業では不採算でも、小さな組織であればコストも少なく済むため、利益をあげることができる可能性があります。

あえて大企業の参入していない分野を狙って事業を展開するため、ニッチビジネスが生まれるのです。

ニッチビジネスのメリットデメリット

ニッチビジネスを行うことには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

また、ニッチビジネスにはデメリットもあります。

ニッチビジネスの立ち上げを考えるなら、特徴について確認しておく必要があります。

ニッチビジネスのメリット

ニッチビジネスのメリットとしてあげられるのは、ライバルがいないことです。

もともと資本力も技術力もある大企業などが参入していないため、中小企業や新規事業者でも事業化しやすいのです。

また、ライバルがいない状態で一定の顧客を囲い込むことができれば、その後新たな参入者がいても太刀打ちすることができます。

わずかなニーズを掘り起こすことで、そこからさらに大きなビジネスに展開できる可能性が広がります

ニッチビジネスから既存のビジネスを巻き込んで、逆に大企業の市場を脅かすこともできるのです。

また、ニッチビジネスを始める時は、わずかなニーズにターゲットを絞って事業を開始することとなります。

そのため、人や資金に限りのある事業者であっても、容易に参入することができるというメリットがあります。

ベンチャー企業と呼ばれる事業者も、まずはこのようなニッチビジネスを始めて、そこから発展させているケースが多いのです。

ニッチビジネスのデメリット

一方、ニッチビジネスには少なからずデメリットがあると考えられます。

隙間を狙って事業展開するため、実際にどれくらいの売上が見込まれるのかを考えるのがとても難しいのです。

そのため、予測を大幅に下回る売上しかあげることができないということも考えられます。

また、事業化することができたとしても、その後を追って別の事業者が参入してくる可能性があります。

一定のニーズがあるとわかれば、そこを狙ってライバル企業が参入してくるため、思うように売り上げが伸びず赤字になってしまう可能性もあります。

さらに、隙間と思っていたものが隙間でなくなってしまう可能性もあります。

時代の変化によって隙間も変化してくるため、市場の動向には常に注視しておく必要があります。

ニッチビジネスの成功事例と失敗事例


ニッチビジネスとして始めた事業で、どのような成功例や失敗例があるのでしょうか。

ここでは、実際のニッチビジネスから、それぞれの事例を検証していきます。

ニッチビジネスの成功事例(1) セイコーマート

コンビニエンスストアといえば、今や全国各地に多くの店舗があり、ニッチなビジネスとは言えません。

しかし、そのような中でも特色を持つのがセイコーマートです。

セイコーマートは、ほぼ北海道に特化したコンビニエンスストアであり、北海道ではトップのシェアを誇っています。

セブンイレブンやローソン、ファミリーマートなど大手チェーンを抑えている背景には、独自の戦略があります

中でも店内で調理したお弁当やスナック類の提供などは、特に他のコンビニエンスストアにはない特徴です。

また、直営店舗を多く持つことで、迅速な新商品の提供を行うことができる体制をとっています。

コンビニエンスストアというビジネスモデルは、一度確立すれば、全国どこでも同じように展開できるものです。

しかし、セイコーマートはあえて北海道での営業に特化して、結果的に成功を収めているのです。

ニッチビジネスの成功事例(2) バルミューダ

日本で家電製品を作っている会社といえば、パナソニックや日立など、古くからの大手メーカーというのが定番でした。

しかし、その市場に挑んだのがバルミューダです。

中でも注目を集めたのは「BALMUDA The Toaster」と呼ばれるオーブントースターです。

それまで大手メーカーが売り出していたトースターは、5,000円ほど出せば十分に購入できるものばかりでした。

しかし、バルミューダが出したトースターは2万円以上と、それまでの商品に比べて非常に高価なものです。

ただバルミューダは、トースターに他にはないデザイン性と機能性を持たせ、一気に人気商品となりました。

それまでの、トースターに高い金額は出さないという常識を覆し、潜在的な需要を引き起こしたのです。

ニッチビジネスの失敗事例(1) 太陽光発電

太陽光発電設備を広大な土地に設置して、売電事業を始める事業者が全国に多く現れました。

最初は環境意識の高まりや原子力発電への不安から始まりましたが、売電収入と自治体の補助金を狙ったビジネスとなったのです。

しかし、売電事業に参加する事業者が増えすぎて、自治体からの補助金が受けられない事例が現れました。

また、売電価格が下がる傾向にあるため、想定どおりの収益をあげられないケースも増えています。

さらに、電力会社による電力買い取りの停止といった事態もあり、しだいにその事業の魅力を失う結果となったのです。

ニッチビジネスの失敗事例(2) 液晶テレビ

液晶テレビには、従来のテレビにはない大きな付加価値があると考えられていました。

そのため、先行したメーカーのテレビはブランド化されるほど価値のある商品となったのです。

しかし、後から参入したメーカーとの競争に巻き込まれ、結果的に多くの家電メーカーは競争力を失ってしまいました。

最初はニッチな存在であった商品でも、一般化してしまうとそのような付加価値を生み出すことはできません。

その結果、過大な設備投資が足を引っ張る結果となってしまったのです。

成功事例からみるニッチビジネスの共通点


成功事例をいくつかご紹介しましたが、この事例から共通点を見つけることができます。

ニッチビジネスを成功させるキーワードとなりそうなものばかりですので、ぜひこのような視点から起業を考えてみましょう。

流行を追わない

ビジネスを立ち上げる時には、時代の流れに乗って、今流行っているものを看板商品とした店舗を運営しようと考えるかもしれません。

しかし、このような流行に乗った商売は、一時的には爆発的な売上を期待できたとしても、その売上を継続することは難しいのです。

また、流行しているものを取り扱うライバルは大勢いるため、後から参入してもその中に割って入るのはなかなか大変なことです。

流行っているものを扱えば、必ず成功すると考えるのはあまりにも短絡的な思考であり、失敗の可能性が高くなります。

ニッチビジネスを成功させるためには、定番商品の中にその隙間を見つけることです。

誰もが必要とする商品の中に、これまでの商品とは異なる特色があれば、その商品を求める人は想像以上にいる可能性があるのです。

付加価値のある商品やサービスを提供する

ニッチな商品を取り扱う際に顧客が求めるのは、その商品やサービスが持つ、他にはない特色です。

特に品質やデザイン、アフターサービスなどの質の高さは、既存の商品との差別化を図るうえで大きなポイントとなります。

どのお店でも、どの会社でも取り扱っている商品の中でも、ひと味違う特色があればそれが大きな売りになるのです。

隙間を探して行うニッチビジネスから一歩進んで、他にない商品やサービスを提供するというビジネスに転換することも可能です。

何でも取り扱うお店にはしない

ニッチビジネスを行う事業者は、自身もまたニッチな存在になる方がうまくいきます。

この場合、ニッチという言葉の持つ意味は、隙間というよりも「専門家」という意味合いで考える必要があります。

つまり、ニッチな商品・サービスを提供するにあたっては、その事業者やお店も専門的な知識や技術が求められるのです。

ニッチな商品を求める人もまた専門的な情報を持っていたり、質の高い商品を求めていたりします。

そのような顧客の要望に応えることができなければ、いくらニッチな商品を取り扱っていても顧客はついてきてくれません。

より狭い分野についてより深い知識を身につけ、その情報を提供することで、顧客のニーズをつかむことができるのです。

逆に、様々な商品を扱うようになると、ごく一般的なお店となってしまいます。

これでは、大企業の巨大な店舗を相手にすることはできないのです。

ニッチビジネスをみつけるリサーチ方法


ニッチビジネスを成功に導く重要な要素となるのが、マーケティングです。

どのような分野にニーズがあるのか、そしてそれを必要とするのはどのような人かといった情報をリサーチしなければなりません。

しかし、これは専門家でも難しいことです。

そこで、ニッチビジネスにつながるマーケティングリサーチの方法について、まとめてみました。

マーケティングリサーチの重要性

ビジネスを行ううえで重要なのは、消費者のニーズにこたえられる商品やサービスを提供することです。

たとえ品質の良い商品であっても、それを求める人がいなければビジネスとしては成立しません。

ただ、その需要は時の流れとともに変わっていきます。

流行が起こって一気に需要が高まるものもありますし、逆に需要が下落することもあります。

そのような需要の変化を見逃さず、さらにその後の変化も予測していくのがマーケティングリサーチなのです。

需要のあるところに事業展開するのが、成功への近道となります。

ただ、需要があってもそこにライバルが多くいる場合には、競争に負けてしまう可能性もあります。

そのため、今は潜在的な需要をリサーチにより明らかにしたいと考えます。

ただ、実際に事業化されたモデルがない場合、需要があるか無いかを知ることも決して簡単なことではありません。

マーケティングリサーチの方法

実際に事業展開している企業の場合、その利用者の声をホームページなどで集めています。

このような顧客の意見が、新しい商品やビジネスに発展していくことはよくあることです。

しかし、これから事業を始めようとする場合は、顧客になると想定される人からの意見を聞くことも難しい状況にあります。

そこで、参考になるのは新聞や雑誌の記事、公的機関による統計データなどです。

また、民間のリサーチ会社の情報を購入することもできます。

インターネットでのリサーチやAIによる分析などが行われるようになり、より細分化された情報を入手できるようになっています。

ニッチビジネスを生み出すためには、より細かい調査と分析が欠かせません。

マーケティングリサーチに対する支払いは必要な投資と考えて、決して惜しんではいけないのです。

まとめ

ニッチビジネスを狙って事業を始めることは、ベンチャー企業の基本と言えるかもしれません。

それまでになかった商品やサービスを提供して、ライバルのいない中で顧客を獲得していくのです。

ただ、そのようなアイデアを見つけ出すことは簡単なことではありません。

また、そのようなアイデアがあったとしても、それをビジネスにすることは大変難しいことなのです。

しかし、そのような困難を乗り越えるからこそ、その商品やサービスには価値があるとも言えます。

常にアンテナを張り巡らし、どのような需要が埋もれているのか、考えてビジネスの参考にするといいでしょう。

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