最終更新日:2020/12/25
【コロナ前後で変わる2020年】新サービスのビジネストレンドと今後予想されるサービスを解説
この記事でわかること
- コロナ前後のビジネストレンドがわかる
- 2020年スタートの新サービスがわかる
- 今後増加が予想されるサービスがわかる
2020年は、元々デジタル化のさらなる拡大が見込まれていましたが、新型コロナウイルスの影響によって、人と人との接触が制限されるようになり、デジタルコミュニケーションの普及が加速しました。
世界的にも未だ終息の目途が立っていない新型コロナですが、コロナの流行によって社会環境やビジネス環境も大きく変わってきています。
そのような環境の中でビジネストレンドはどのように変化したでしょうか。
本記事では、新型コロナ流行前後でのビジネストレンドの違いと、2020年に新しく始まったサービスの事例、今後増加が予想される新サービスについて解説していきたいと思います。
目次
コロナ流行前に予想されていたビジネストレンドとは
新型コロナの影響が出る前、2020年はどんなビジネストレンドが予想されていたでしょうか。
ここでは、IT企業の発信源でもある米国シリコンバレーのスタートアップ市場のトレンドを中心に、いくつかキーワードを上げて紹介していきます。
IoT系が再度注目される
IoTとは、「Internet of Things」モノのインターネットとも呼ばれ、かつては注目を集めていましたが、ビジネスとして成功しているケースは少なく、ここ数年は縮小傾向にありました。
しかし、スマートホームやエンタメ系などの日常生活に密着したサービスからBtoB(Business to Business)系のソリューションまで幅広くサービスの提供が始まったことで、再び注目を集めるようになっています。
BtoB向けサービスの拡大
IT系のスタートアップというと、スマホのアプリやwebサービス系を思い浮かべることが多いかと思いますが、実際は業務効率化、社内運営、顧客獲得システムといった企業向けのソリューションビジネスも大きな注目を集めています。
日本でも、SlackやChatworkといったビジネスチャットツールを導入する企業が増えています。
メールするよりも速く、整理された情報を安全にやりとりできるため、世界中のユーザーから支持されています。
金融業界にも大きな影響が現れる
2019年は日本でもQRコード決済などのキャッシュレス系サービスが注目されました。
引き続き、これらのサービスを含むデジタルソリューションはユーザーの支持を受けて拡大が見込まれていますが、大手の金融機関の経営自体にも大きな影響を及ぼすようになるかもしれません。
ウェルネス系サービスに注目
現在、若年層を中心に人と接する時間よりも、デバイスを触っている時間の方が長いという人は多いです。
そのような時代の変化によって、ユーザーの心の豊かさを危惧する声もあり、人々の心を豊かにするようなウェルネス系のサービスが注目を集めるようになるのではないでしょうか。
デジタル以外でのブランド構築
ネットを通じたデジタル情報で、ユーザーは商品やサービスに関して、より敏感になりました。
そのような傾向から、さらにブランドに対して信頼性や透明性を求める意識が高まっています。
そのため、ネットを通じたデジタルコミュニケーション以外にも、イベントなどを通じたリアルな人間味を出すことがブランド構築のために必要となり始めています。
コロナ流行後のビジネストレンドとは
2020年のコロナ流行によって、予測されていたビジネストレンドにも変化が生まれました。
ここでは、コロナ流行後のビジネストレンドについて紹介していきます。
DX系サービスが加速
DXとはデジタルトランスフォーメーションのことを指し、デジタル技術によって製品やプロセスをより良いものに変革するというものです。
コロナによる感染リスクを下げるために、これまで店舗で行っていたことや、人と会うこと、実際の作業が必要とされていたこと等をデジタルに変換するサービスが急加速しています。
書類作成や捺印といった行政機関の業務も、DX系サービスの導入が検討されており、BtoBサービスを中心に需要が高まっています。
メンタル系のサービス
コロナ禍で人と会うことが極端に少なくなったり、生活スタイルが変化したりしてメンタルケアを必要とする人が増加しました。
外出制限による運動不足解消のために、自宅で簡単にできる運動の紹介動画が人気ですが、メンタル的なケアをリモートで行うサービスへの需要も高まっています。
デリバリーサービス
コロナ前から増加していましたが、ネット通販だけではなくUber Eatsや出前館といったフードデリバリーの需要も大幅に増加しました。
宅配業の人手不足解消のために、「置き配」は増加しましたが、実験段階の配送ドローンなどのサービスも大きく注目されています。
リモートワーク関連
リモートワークは、外出自粛期間が終了した後も、形を変えて広がっています。
仕事に利用するビジネスコミュニケーションツールやシステムだけではなく、勤務形態の変化によって自宅をリモートオフィスに改造するなど、関連したビジネスが拡大傾向にあります。
オンライン学習関連
日本では授業再開となった学校がほとんどですが、世界的にはいまだオンライン授業となっているケースも多く、新しい形としてオンライン学習に注目が集まっています。
オンライン学習は学生だけに留まりません。
外出自粛で時間のできた大人が、オンラインで趣味や習い事を楽しむというケースも増加しています。
コロナ前は、デジタル化の揺り戻しとして、人と人の触れ合いや実体験を重視したイベントなどのビジネスの拡大も予想されていましたが、コロナの影響によって、様々なビジネスにデジタル化が求められ、加速してきているようです。
2020年にスタートした新サービスの事例
新サービスを開始するためには、準備期間も必要となりますので、新型コロナの感染拡大を受けて開発が始まったというわけではありませんが、2020年はコロナ禍の状況に合った多数のサービスがスタートしています。
建設現場への遠隔臨場システム
建設現場の工事の様子を作業者が装着したビデオカメラによって撮影し、発注者サイドはそれをリアルタイムでチェックできるというシステムです。
2020年3月には、国土交通省が「建設現場の遠隔臨場に関する試行要領案」を発表して、手順などを解説しています。
そして遠隔から現場の様子を常時モニタリングできるように開発されたのが、セーフィー株式会社の「セーフィーポケット」という製品です。
これは、建設業向けのウェラブルカメラで、双方向での通話機能によって遠隔地の監督者とコミュニケーションをとりながら、作業を進めることができます。
まだ遠隔臨場は実験的な取り組みですが、今後の普及によって建設業界の働き方改革にも繋がるのではないでしょうか。
簡単にテイクアウトサービスを始められるアプリ
株式会社スペイシーは、2020年4月にテイクアウトサービスを手軽に始められるアプリ「SPACEE TAKEOUT」をリリースしました。
このアプリでは、飲食店がアカウント登録を行った後、テイクアウト対応できるメニューを登録することで自店舗のモバイルサイトが作成できるというものです。
店舗のURLやQRコードをチラシやSNSなどに掲載し告知します。
顧客は、オーダーしたいメニューがあれば、サイトからオンライン注文することができ、店舗側はスマホで注文確認できるという仕組みです。
これまで、店頭や電話でしかテイクアウトの注文を受けていなかった店舗にとっては、簡単にテイクアウトサービスの仕組みを構築することができますので、今後の拡大に期待がかかります。
今後増加が予想される新サービス
新型コロナの影響で打撃を受けている企業が多い中、コロナをきっかけに新しい価値を創出し、今後注目を集めそうなサービスについてご紹介したいと思います。
民泊施設をレンタルスペースの提供サービスへ
宿泊施設や民泊施設を貸し出す人向けのウエブサイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」は、観光客の減少で苦戦していますが、そんな環境でも利益を出しているホスト(部屋を貸す人)もいます。
何故、利益を出せるかというと、部屋を宿泊施設としてではなく、リモートビジネスルーム、ミーティングルーム、フォトスタジオなどとして、低価格または時間単位で提供しているからです。
通常のレンタルルームやレンタルオフィスを借りるよりも、リラックスできる雰囲気がありますし、割安な為、他にも色んな活用方法があるのではないでしょうか。
店舗に縛られないポップアップ・レストラン
ポップアップ・ストアは、催事場や商業施設のイベントスペースなどに一定期間出店する期間限定ショップのことで、日本でも最近増えてきた形態です。
このポップアップ・ストアのレストラン版が、コロナ禍の外出制限などによって注目を集めています。
店舗に縛られないという意味では、コロナ前から話題の「ゴーストレストラン」という飲食形態もあります。
ゴーストレストランとは、電話あるいはネットからの注文に応じて食事をデリバリーすることを専門とするサービスです。
ポップアップ・レストランでは、このような飲食形態に加え、既存店舗の利用や、一定期間だけ仮店舗での営業を行うという点が異なります。
コロナ後は、店舗やジャンルといった縛りを受けず、様々な形態の飲食サービスが増加するのではないでしょうか。
バーチャル・ストリート・ショッピング
コロナ禍でもオンラインショップは好調ですが、新型コロナにより影響を受ける小売業をサポートするために、新しい形のショッピングサイトが「Streetify」によって、3月にスタートしました。
対象エリアは、イギリス、アメリカ、カナダなどです。
「Streetify」の特徴は、出来上がったショッピングモールで買い物するだけではなく、自分の好みの店舗を集めて商店街を作ったり、SNSで公開したりできる点です。
また、現実の商店街に近づけるために、現地で雨が降ったら、バーチャルストリートにも雨が降るなど、様々な演出を楽しむことができます。
まとめ
2020年は、元々あったビジネストレンドに加え、コロナ禍の影響によって新たなビジネストレンドが発生しています。
既存のビジネスであっても、発想の転換によって効果的なアレンジがなされれば、コロナ禍という大きな環境変化にも対応できる新しいサービスを生み出すことは可能です。
このような時代だからこそ、顧客に寄り添った良質なサービスの提供が成功のポイントとなるのではないでしょうか。