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最終更新日:2022/6/6

ふるさと納税はいつまでに申し込みをすればいい?手続きの期限が間に合わないときの対処法

税理士 鳥川拓哉
この記事の執筆者 税理士 鳥川拓哉

ベンチャーサポート税理士法人 税理士。
大学を卒業後、他業種で働きながら税理士を志し科目を取得。
その後大手税理士法人を経験し、現在に至る。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-tori

この記事でわかること

  • ふるさと納税を利用する際に何をしなければならないのかが分かる
  • 時期により異なるふるさと納税の傾向を知ることができる
  • ふるさと納税を利用する際に期限に間に合わなかった時の対処法が分かる

ふるさと納税を利用して、思い入れのある地域に寄付をし、全国の名産品を入手したいと考える人は多いでしょう。

しかし税金計算上、適切な時期に適切な処理を行わなければ、税額控除を受けることができず、大きな損をしてしまいます。

そこで、ふるさと納税を利用する際に行うべき手続きについてまとめました。

また、仮に手続きが間に合わなかった場合、何をしなければならないのかもあわせて解説します。

ふるさと納税の時期別やることリスト

ネットショッピングのように、ふるさと納税の申込をするだけでは、本当にふるさと納税の手続きをしたことにはなりません

ふるさと納税を利用する際には、いつまでに何をしなければならないのでしょうか。

ふるさと納税に関する手続きの期限

2020年中にふるさと納税を行う場合、ふるさと納税を行う際に必要な手続きと期限、還付等のスケジュール以下のとおりです。

2020年1月1日~2020年12月31日ふるさと納税の申し込みと寄付金の支払い
2020年1月1日~2021年1月10日ワンストップ特例制度の申し込み期間
2021年2月16日~2021年3月15日確定申告期間
2021年4月~5月頃所得税の還付
2021年6月~2022年5月住民税の控除

ふるさと納税の申し込み期間

ふるさと納税を行う際には、インターネットやファックスなどの方法で申し込みを行います。

申し込む際には、氏名や住所などの必要事項とともに、いくら寄付するのか、どの返礼品を希望するのかなどを記載します。

ただ、申し込みをしただけではふるさと納税をしたことにはなりません。

寄付金の支払いを済ませて初めて、ふるさと納税の申し込みが完了となるのです。

ふるさと納税の申し込みは、インターネットで行う人が多いです。

また、支払についてもクレジットカードを利用する人が多いのではないでしょうか。

クレジットカード決済の場合、その決済を行った日が支払日となります。

カード会社からの請求にもとづき、預金口座からお金が落ちた日ではないので、覚えておきましょう。

自己負担が2000円となる上限金額を超えないようにするため、1年間の寄付金の合計額を計算することは重要です。

クレジットカード決済の場合、どの日付で判定するのか間違えやすいので、決済した日の属する年となることを覚えておきましょう。

ワンストップ特例制度の申し込み期間

ふるさと納税を行った場合、寄付した金額から2000円を引いた残額が所得税や住民税から控除されます。

こうすることで、ふるさと納税を行ってもお得に返礼品を入手することができるのです。

しかし、寄付金を支出しただけでは税額控除を受けることはできません

税額控除を受けるためには、所定の手続きが必要となるのです。

そんな手続きの1つが、ワンストップ特例制度です。

ワンストップ特例制度とは、確定申告しなくてもふるさと納税による税額控除が受けられるように設けられた制度です。

サラリーマンなどの給与所得者で、ふるさと納税により1年間に5以下の自治体に寄付した人が利用できます。

ワンストップ特例制度を利用する人は、寄付した自治体から送られてくるワンストップ特例制度の申請書を提出します。

この時、本人確認書類などのコピーが必要となるため、忘れないようにしなければなりません。

またワンストップ特例制度の手続き期限は、翌年の1月10日と決まっています。

例えば2021年にふるさと納税を寄付して、ワンストップ特例制度を利用する場合は、2022の1月10日が手続き期限です。

ワンストップ特例制度を利用した場合、確定申告を行う必要はありません。

確定申告しなくても、翌年6月以降に納める住民税の額が自動的に控除されるのです。

確定申告期間

確定申告の時期は、毎年2月16日から3月15日と決められています。

この間に、前年1年間の所得金額や所得控除、税額控除に関する書類を税務署に申告することとされているのです。

自営業者や不動産収入のある人など、毎年確定申告を行っている人は、ふるさと納税についても確定申告することとなります。

サラリーマンでも医療費控除や住宅ローン控除などを適用するために確定申告をするのであれば、ふるさと納税も確定申告します。

仮にワンストップ特例制度を利用するつもりで手続きをしていても、後から確定申告をする場合があります。

この時は、すでにワンストップ特例制度の申請をした自治体分も含めて、すべて確定申告書に記載しましょう。

所得税の還付

所得税の還付があるのは、確定申告を行った人で控除金額が大きかった人です。

サラリーマンの場合、確定申告すると多くの人は還付になると言われます。

還付となった金額は、その申告をした人の口座に振り込まれます。

確定申告書に口座番号などを記載する欄があるため、申告書を提出する際には忘れずに記載しておきましょう。

住民税の控除

所得税とは違い、住民税の控除は確定申告した人もワンストップ特例制度を利用した人も対象となります。

前年分の所得に対する住民税を、6月から翌年5月の1年間で支払うこととなります。

サラリーマンの場合、住民税は給料から控除されるため、住民税課税決定通知書は勤務先宛に送付され、勤務先から個人に配布されます。

配布された住民税課税決定通知書の中を見て、住民税が控除されているかどうかを確認しておきましょう。

ふるさと納税の時期別傾向


ふるさと納税の利用者には、返礼品を見て寄付する自治体や時期を決めるという人が非常に多いという特徴があります。

そこで、時期ごとにどのような返礼品が人気となるのか、あるいはふるさと納税自体にどのような傾向があるのか確認していきましょう。

1月~3月

ふるさと納税を行う時期として一番人気が高いのは、12月です。

これは、年末年始に返礼品を受け取り、ごちそうを食べたいという人が多いことと関係しています。

また、12月には年間の所得金額が正確に計算できるため、限度額まで寄付しようとする人が増えるためです。

一方、その反動で、年明けの1月~2月にかけてのふるさと納税は、件数が少ない時期となります。

また、この時期は野菜やフルーツといった人気の返礼品が少なくなることも、件数が少なくなる要因となっています。

しかし、春以降のフルーツや野菜のふるさと納税の受付が先行して開始される自治体もあります。

これらの中には、人気のため受付終了となってしまうものもあるため、早めに申し込みをしておくようにしましょう。

4月~6月

4月は自治体の新年度始まりの時期でもあるため、返礼品の中身がリニューアルされることがあります。

人気の返礼品はすぐに品切れとなってしまうため、事細かにチェックしておく必要があるでしょう。

春先に受付が始まる人気の返礼品は、新米や夏のフルーツです。

新米は、多くの人が日常的に食べる生活必需品のようなものなので、安定した人気商品です。

数量限定で受付を行うような自治体の場合、すぐに品切れとなってしまうため、早めに予約しておきたいところです。

また、シャインマスカットやメロンなどのフルーツは、高級なものほど人気になる傾向があるため、やはり早めの予約が必要です。

7月~9月

夏場となって、ふるさと納税の申し込み件数はいったん落ち着く時期となります。

ただ、自治体によっては冬場に旬を迎える魚介類などの予約が本格的に始まる時期を迎えます。

カニ、フグ、イセエビなどの高級魚介類は、年末に向けてふるさと納税で入手する人が多くなります。

早めに予約しておけば確実に入手することができるので、チェックしておくようにしましょう。

10月~12月

12月がふるさと納税のピークとなりますが、すでに10月あたりからその傾向が出てきます。

ここから年末にかけて、年末用の食材を予約したいという人が一気にふるさと納税を利用します。

また、限度額まであといくらかを計算しながら、その限度額を使い切ろうとする人も増えてきます。

そのため、人気の返礼品は常に品切れ状態となってしまうのです。

中にはおせち料理をふるさと納税で取り寄せるという人もいます。

こちらも、数量には限りがあるため、早めに予約できるよう情報をチェックしておく必要はありそうです。

ふるさと納税の期限に間に合わなかったときの対処法


ここまで、ふるさと納税を利用する場合の手続きやその期限について説明してきました。

ただ、実際にふるさと納税を利用するために手続きを進めている中で、その期限にどうしても間に合わないというケースがないとは言えません。

そのような場合、どのように対処すべきなのでしょうか。

それぞれの期限について間に合わなかった場合の対処法を考えてみましょう。

ふるさと納税の申し込み手続きが間に合わない

ふるさと納税は、1月1日~12月31日の1年ごとにその額を集計し、確定申告を行うこととされます。

まだ限度額に余裕があるため、どうしても年内にふるさと納税を行いたいと考える場合、どのようにするといいのでしょうか。

ふるさと納税の申し込み手続きは、単にインターネットの画面でクリックすれば完了するわけではありません。

現実にお金の支払いまで完了していなければならないのです。

クレジットカード決済の場合はその決済を行った日が寄付した日になるとお話しましたが、他の手段の場合はどうでしょうか。

銀行振込を行う場合は、その振り込みを行った日が寄付した日となります。

また、コンビニや金融機関の窓口で支払う場合は、その支払った日が寄付した日となります。

さらに、現金書留で送金した場合は、自治体がそのお金を受領した日が寄付した日となります。

こうしてみると、年末ギリギリにふるさと納税を行う場合は、クレジットカード決済が最も時間的に余裕があると言えそうです。

特に、これまで銀行振込を利用している人も、年内に間に合わせたい場合はクレジットカード決済を行うようにしましょう。

なお、ふるさと納税を行うこと自体は、年をまたいでも別に無駄になるわけではありません。

1月1日に行ったふるさと納税は、翌年分の寄付金の額に含めて計算すればいいだけの話です。

なお、ふるさと納税のポータルサイトの中には、ポイント制を実施しているものもあります。

この場合、寄付をするタイミングと返礼品を選ぶタイミングが一致していなくてもいいのです。

そのため、年末に限度額に合わせた寄付を行っておき、返礼品は後からゆっくり選ぶということもできます。

特に年末は返礼品が品薄になりやすい時期でもあるため、あえて時期をずらして返礼品をもらうことにはメリットがあるのです。

ワンストップ特例制度の申し込みが間に合わない

ワンストップ特例制度を利用するためには、寄付を行った年の翌年1月10日までに手続きをする必要があります。

ふるさと納税を行う際にワンストップ特例制度を利用するかどうかを確認され、利用する場合には所定の用紙が郵送されてきます。

送られてきた用紙に必要事項を記入し、添付書類と一緒に郵送するだけですから、基本的には期限に間に合わないことはないはずです。

しかし、その手続きを失念していた場合や、年末ギリギリにふるさと納税を行ってその申請が間に合わないこともあるのです。

このような場合は、焦らずに確定申告を行うようにしましょう

1月10日の期限ぎりぎりに郵送しても、実際にその郵送物が期限内に自治体で受理されたかどうかは確認できません。

また、中には1月10日より前に、ワンストップ特例制度の期限を設けている自治体もあるということです。

それならば、ワンストップ特例制度を利用することはあきらめて、確定申告をすればいいだけです。

なお、確定申告をする場合は、寄付金の受領証明書が必要となります。

ワンストップ特例制度を利用するつもりでいた場合、この書類を捨ててしまっている可能性もあります。

書類があるか無いかを早めに確認し、ない場合は自治体に再発行を依頼しましょう。

確定申告が間に合わない

確定申告の期間は、2月16日から3月15日です。

この間に確定申告をすれば、ふるさと納税に関する税額控除も受けられます。

しかし、何らかの理由により、確定申告が期限内に間に合わないことがあります。

ふるさと納税に関する寄付金の受領証明書を再発行する場合もあれば、源泉徴収票などそれ以外の書類を再発行する場合もあります。

このように、確定申告自体が間に合わなかった場合は、期限が過ぎた場合でも普通に確定申告書を作成し提出することができます

このような申告を期限後申告といいますが、ふるさと納税について申告を行い、還付を受ける場合は何のデメリットもありません。

ただ、給与所得以外の所得があるために納税となる場合は、延滞税などのペナルティが発生する可能性があるため注意が必要です。

また、ふるさと納税以外の申告をすでに行った後でふるさと納税についての申告を行う場合は、更正の請求という手続きが必要です。

これは、申告期限から5年以内であれば、さかのぼって税金の還付を受けられるものです。

通常の申告書とは異なり、「更正の請求書」を提出することとなるため、間違えないようにしましょう。

ふるさと納税で知っておきたいこと

ここからはふるさと納税を検討している人が、知っておきたいことを紹介します。

ワンストップ特例制度・確定申告の手続きが必須

ふるさと納税は、寄付しただけでは意味がありません。

会社員であればワンストップ特例制度の申請をしたり、確定申告をする人なら確定申告手続きが必要です。

期限内に手続きを行うことで、初めて税金の控除を受けられます。

ふるさと納税の寄付をしたのに申請手続きを忘れていると、単純に全額寄付しただけになるので注意してください。

会社員の多くが利用するワンストップ特例制度であれば、寄付した自治体に申請書類を郵送するだけで大丈夫です。

寄付した団体が5つ以内であり、手続き期限は寄付した年の翌年1月10日になりますが、条件さえ守っていれば簡単に手続きできます。

確定申告をする人は、寄付した金額から2,000円引いたものを、寄付金控除の欄に記入します。

例えば4万円の寄付をした人は、38,000円を寄付金控除として記入できます。

このようにワンストップ特例制度・確定申告のどちらを利用するとしても、必ず手続きが必要なので忘れずに行いましょう。

クレジットカード支払いが一番安全

ふるさと納税には、申込の期限があります。

1月1日〜12月31日が対象となっており、12月31日を過ぎてしまうと、翌年のふるさと納税として扱われます。

「毎年12月31日までに申込めばいい問題ない」と思うかもしれません。

しかし、ふるさと納税は申込方法によって、受理される日付が異なります。

  • ・クレジットカード:決済日
  • ・銀行振り込み:口座に振り込んだ日
  • ・払込取扱票:支払った日
  • ・現金書留:自治体側が受け取った日

上記の方法なら、クレジットカード支払いが一番おすすめです。

なぜならクレジットカードで支払った日を受理日として扱うからです。

もし2021年の12月30日にクレジットカードで支払いすれば、2021年12月30日が受理日になります。

クレジットカードによっては、月末締め・翌月払いのケースも多いですが、最初に決済した日が「ふるさと納税を寄付した日」としてカウントされます。

例えば2021年の12月30日に銀行振り込みでふるさと納税を利用した場合には、振り込みした日が受理日になります。

「年末だから銀行振り込みできない」とか「忙しくて振り込みに行けない」といった事態になれば、年内の振り込みができず、翌年までズレるかもしれません。

支払いまで時間のかかる方法は遅れてしまうリスクがあるため、できればクレジットカードでの支払いがおすすめです。

また自治体によっては、そもそも締め切り日を12月早めに設定している場合もあります。

例えば自治体の締め切り日が12月15日だったのに、12月30日に支払いをしても、それは翌年のふるさと納税として扱われます。

寄付先の自治体がいつを期限にしているのかを確認しておきましょう。

まとめ

ふるさと納税は、2000円程度の自己負担で、多くの返礼品を受け取ることができる、大変にメリットの大きな制度です。

しかし、手続きを誤ると税額控除を受けられず、自己負担が2000円にならないという結果になりかねません。

確実にメリットを受けるためには、1つ1つの手続きの流れを把握し、期限内に行うようにしましょう。

ただし、どうしても期限に間に合わなかった場合にも対処法はあるため、あきらめないようにしてください。

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