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東京、横浜、川崎、湘南、鎌倉エリアで不動産開発を手がける「リブレ株式会社」。代表取締役の小川 慶太様は、視点の切り替えによる自由な発想を重んじ、その思いを社名にも込めています。
お客さまや社員が家づくりの魅力を“語れる”「CATAREL HOUSE(カタレルハウス)」も、こうした柔軟な姿勢から生まれた企画の一つ。アイデアの根本や会社のブランディングに対する考え方を伺いました。
中学生の頃、不動産業に携わる親戚から「この仕事は幅が広く、生涯を通じて楽しめるよ」と言われたことがきっかけです。通常であれば不動産は一生に一度の大きな買い物であり、高額な建物をつくって販売できるという点に当時から深い使命感を覚えていました。
その思いは変わらず、就職活動も不動産業界ひと筋でしたね。仕事と趣味のサーフィンを両立させたかったので、地元の横浜市にある大手総合不動産会社に新卒で入りました。業界は当時、バブル後で派手な社風の企業も残っていましたが、就職した会社は真摯に事業に臨む姿勢が魅力的でした。
横浜の会社は14年にわたり勤務しました。不動産の仲介や戸建て・マンション分譲に携わり、お客さまと顔を合わせながら働けて本当に充実していましたね。でも、私は物心ついた時から独立志向が高く、入社した際もいずれ退職する旨は伝えていました。
引用元:リブレ株式会社
リブレ株式会社を立ち上げたのは「お客さまが本当に欲しい不動産は何だろう?」という部分を追求し、最高の価値を提供したいと考えたからです。家づくりは高額にもかかわらず、取引に分かりにくい点があり、一方で中途半端な姿勢で家づくりに臨む業者も少なくありません。こうしたイメージを払拭して不動産業の地位向上をさせようと、2016年に起業しました。
戸建てやマンションの分譲、収益物件分譲リフォーム事業、古い住宅をバリューアップさせて販売するリフォーム再販事業などです。あとは当社のグループ会社で不動産仲介も手がけているので、あらゆるご依頼を一括で受けられることが特徴ですね。中でも、戸建ての分譲に力を入れています。
お客さまに満足と感動を届けられるよう社員ともよく話していて、会社を日々アップデートさせています。建物のブランディングやコーポレートブランディングにも携わっていて、常に社内の打ち合わせを楽しんでいます。
大人のルールとマナーを守りながら、いろんなことにチャレンジすることが必要だと考え「自由に挑む。」をテーマに掲げました。また、従来の不動産業界の枠を超えたいという願いもあります。
社名の「リブレ(LIBRE)」も、スペイン語で「⾃由」を意味する言葉です。さらに、英語の「LIVE(暮らす)」と「BREADTH(幅)」を組み合わせた造語でもあり「暮らしの幅や自由度を広げていく」という思いを込めています。社名ひとつにしても“考える”という作業をとても大事にしています。
物事を一方向だけで考えたり、議論を一般論のみで終わらせたりするのを避け、相手の立場や反対意見も大切できる会社でありたいと考えています。
私自身も代表として第三者目線に立つことが必要で、一つの結論で満足せず、さまざまな社内外の声を取り入れて会社を経営しています。そもそも発想が偏ると物事の本質が見えず、いく通りにも変化できるのにチャンスを逃してしまいますよね。
「視点を変えてみる大切さ。」は機会があるごとに社内で口にしているので、社員にも浸透しているようです。電話や対面での接客時にお客さま目線で話す姿を見ると、本当にうれしくなります。
まず都内は、人口も建物も密集しているのが最大の特徴で、狭い土地を活用して「いかに効率の良い間取りを考えられるか」が家づくりのポイントになります。横浜は都心に通勤・通学しやすいため住宅地が多く、街並みも洗練されていますね。一方、こうした雰囲気にマッチしないデザインの建物も見かけるので、この点は当社で変えていければと思います。
さらに川崎は工業地帯を抱えていて、住んでいる人は横浜よりも庶民的かもしれません。湘南や鎌倉エリアの人はサーフィンやマラソン、キャンプなどの趣味を大切にする傾向があり、住宅を建てる際は収納スペースや車庫が必要になります。
これらのエリアでビジネスを展開しているのは、何よりも自分が生まれ育ち、会社員時代も含めて長いお付き合いのある方々が暮らす、思い入れのある街だからです。家づくりは街づくりの一部であり、地図に残るような仕事なので、せっかくだから格好のいい建物を生み出していきたいですね。
▲「自由に挑む」同社メンバー
接道義務が守られていない土地、あまりにも古くて建て替えられない住居など、本当にさまざまな不動産を買い取っています。隣の土地に接続している建物もあり、住人と交渉して建て替えたり、建て替えが難しければリフォームをして収益を生む賃貸物件に変えたりして、新たな価値を付けて販売しています。
また、横浜は山坂が多く、崖や森も点在します。こうした土地も当社で造成できるので、きれいに開発し、魅力的に仕上げて売り出します。
先ほども伝えた通り、土地の仕入れから開発・設計、建物の施工やリフォーム、販売、アフターフォローまで自社で一貫して担当できるのが強みです。こうした対応がお客さまの満足や安心につながっていると考えています。
お客さまや他の不動産業者さまが売却を検討されている物件について、リブレであればいくらで購入できるのかを可能な限り即答しています。誰もが知りたい情報を、組織で動いてすぐに提示できるのも当社らしい特徴です。
もちろん、スピードを重視しつつも査定額にずれを生じさせないために、やはりチームを組んでデータの管理や市場調査に臨んでいます。買い取り額を有利にしようと価格提示のタイミングを引き延ばす業者もいると聞きますが、当社ではそのような行為がメリットをもたらすとは考えていません。
こうした自社の組織に加えて、税理士をはじめとする士業の方々や協力会社とも連携しています。外部サポートの体制を整えていることも、リブレが迅速に対応できる理由です。
当社では不動産を購入し、住宅をつくって販売するまで一貫体制を敷いています。だから会社として、あるいは各工程の担当者として、物件の一つ一つに愛着があります。例えばクローゼット、ロフト、バルコニーがどんな魅力を持っているのか、全てお客さまに“語れる”から「CATAREL HOUSE(カタレルハウス)」としました。
しかも“語れる”のは私たちだけではありません。「CATAREL HOUSE」を購入された方は胸を張ってわが家を語り、それまで土地や建物を所有していた方も懐かしい思い出を語ってくれるでしょう。そんな、みんなが“語れる”家づくりをコンセプトにしています。
実際に購入されたお客さまからも「リビングが2階にあって眺望と日当たりが良い」「収納スペースが大きいのできれいに暮らせる」「ライティングレールがあるから照明の自由度が高い」といった声が届いています。最近では「次のCATAREL HOUSEはどこにできますか?」という問い合わせもいただきますね。
▲CATAREL HOUSEの「語れるポイント」
引用元:CATAREL HOUSE(カタレルハウス)
今後は古い家を住みやすくリノベーションする「CATAREL VINTAGE(カタレルビンテージ)」や、新築もリフォームも思うままに注文できる「CATAREL ORDER(カタレルオーダー)」など、プロジェクトとして展開させていく予定です。
日本トレンドサーチが2019年11月に実施したもので「お客様満足度の高い不動産売買会社」「対応力の高い不動産売買会社」「不動産売却 顧客満足度」の3部門で第1位に選ばれました。
先ほどの「視点を変える。」と同様、会社ぐるみでお客さまの視点に立てている結果だと考えています。
引用元:株式会社VR
VR(Virtual Reality/人工現実感・仮想現実)に取り組もうと思ったのは、建物が完成する前に不動産が売れている現状において、お客さまにもっと安心していただこうと考えてのことです。
デジタル技術を使って完成予定の外観や内観を公開していけば、取引がますますスムーズになり、お客さまも事前の市場調査が可能になります。戸建て住宅はもちろん、賃貸物件を建てる際も同様で、オーナーさまが完成形を確認しやすくなります。
また、生活されている方が物件を売る場合も、家具や家電などを画像処理で消すことができるので、より本来の姿に近づくことができます。さらに、壁を抜くなど間取りの変更にも対応できます。
一度データを作成すると、いつでも閲覧できるので契約にもつながりやすいですね。ちなみにゴーグルを用いると酔いやすいので、インターネット経由でパソコンなどからご覧いただいています。
コロナがまん延した当初は不動産価格が暴落するとの声もあり、業界の景気が低迷するのではないかと騒がれました。しかし、私も予測していませんでしたが逆に住宅ニーズは増え、環境が良い郊外の市場が良くなったりしました。出勤回数が減り、テレワークで働きやすい間取りも人気ですね。
一方、不動産を所有しているのが主に高齢者のため、感染を恐れて外出を避けるようになり、売却件数は大幅に減りました。このため需要と供給のバランスが崩れ、現在の価格上昇につながっていると感じます。
とはいえ、住宅の着工戸数は増加傾向に移りつつあると思います。今はまだ販売件数も数少ないですが、ワクチン接種が広まってコロナの重症化リスクが低いと考えられるようになり、高齢者たちも売却に活発さを取り戻すのではないでしょうか。
不動産を購入し、販売するまで約1年かかります。当社でも現在は高値で土地を仕入れざるを得ず、さらに木材や設備の供給が減って建築単価が上昇し、追い打ちをかけるようにウクライナ情勢が悪化しました。しかし、共稼ぎ世帯では夫婦共同で住宅ローンを組むなど、購入力のあるお客さまがいらっしゃいます。まだ売れるため住宅価格は高いままですが、やはり無理があるのでその先は下がっていくと思います。
生産緑地2022年問題は、当社が展開するエリアでは影響を受けていないようです。逆に物件が少ない状況なので、土地が開放されたら前向きに購入したいですね。不動産の供給量が増えれば現在の高騰状態も落ち着くと思います。コロナ前は、家は建物が完成しなければ売れなかったのに、今は未完成でも売れてしまう状況です。
また、少子高齢化による空き家問題や不動産価格の下落も、リブレの商圏では影響が小さいです。しかし全国的にみれば社会問題であり、当社でも「空き家相談士」や「相続相談士」の資格所有者を増やして相談窓口を設けています。空き家の管理、売却、賃貸への転換など、よくお問い合わせいただきます。
空き家問題に関して、国や行政がもう少し積極的になってくれればと思います。空き家の解体に補助金が出るのは知っていますが、当事者にはやや分かりにくいのではないでしょうか。また、相続トラブルも多いようなので、所有できる期限を設けたりするのも良さそうです。この問題は事件や事故につながる可能性があるので、ぜひ解消してほしいと願っています。
加えて、今後は不動産テックが当たり前になっていくと思います。契約などをオンラインで済ませることができれば、お客さまも不動産業者も手間が省けるようなりますね。もちろん建物や土地は商品力が高く、直接目にする必要性が高いので、すべての工程に当てはまるとは考えていません。ちなみにリブレでも、各現場の状況をウェブ上で確認できる仕組みを整えるなどデジタル化を推進しています。
不動産を通じて暮らしを提案する企業として、積極的に事業を展開させていきます。ベンチャー企業ならではの、従来の視点を変えた自由な発想を持ち続けたいですね。不動産事業はやはり地元密着なので、お客さまの暮らしの価値を上げることにより、地域の価値も高めていきたいです。
分譲事業を基本としているため、万人受けする住宅を建てながらも、これからも必ず“面白み”を加えていきます。市場や地域性、土地の環境、お客さまの生活スタイルに合わせたアイデアの提案で、止まることなく走り続けたいですね。
小川 慶太 様
リブレ株式会社 代表取締役
■ 企業プロフィール
社名:リブレ株式会社
所在地:横浜市中区尾上町1丁目6番地 ICON関内9階
事業内容:不動産買取・販売・不動産仲介事業/企画・設計・リノベーション/ファイナンシャルコンサルティング/開発分譲・土木造成