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ベンチャーサポート不動産株式会社 > インタビュー > 株式会社ディア・ライフ 阿部 幸広様|不動産の総合商社を目指すプライム企業。「不動産投資としての東京マーケットの成長に期待」

株式会社ディア・ライフ 阿部 幸広様|不動産の総合商社を目指すプライム企業。「不動産投資としての東京マーケットの成長に期待」

阿部 幸広様|”不動産の総合商社”を目指すプライム企業。「東京マーケットのさらなる成長に期待」

目次

東京都千代田区で不動産・不動産投資・人材サービスを手がける株式会社ディア・ライフ(東京証券取引所・プライム市場 3245)。代表取締役の阿部幸広様は、会社のスピーディーな成長を牽引し、さらなる進化を目指して事業に取り組まれています。今回は創業のきっかけ、事業内容、不動産業界の動向、今後の展望に至るまで、お話を伺いました。

会社合併で独立を決意。デベロッパーとしては最短でマザーズ上場

阿部様が不動産業界に入り、独立された経緯を教えてください

阿部幸広 様 株式会社ディア・ライフ 代表取締役

1990年にニチメン株式会社という商社に入社しましたが、大学時代にたまたま宅建を取っていたこともあり、建設部を志望したことが不動産業界入りのきっかけです。そこで東京を中心とした不動産開発の業務に携わりました。

その後、ニチメン株式会社と日商岩井株式会社が合併して双日株式会社になりましたが、そのタイミングで、自分の人生について見つめ直し「1人でゼロからやってみたい」と考えたことが独立のきっかけです。

出資のお声を多くいただきましたが、自分を試すために、ほとんどお断りしました。当時、私は36歳で株式会社ディア・ライフの創業は2004年11月のことです。

株式会社ディア・ライフの創業で印象に残っていることはありますか

最初の銀行借入は、一番記憶に残っています。

2005年9月に、第1号の自社開発案件の土地代・3億8,000万円の融資を、メガバンクである三菱東京UFJ銀行(現・三菱UFJ銀行)より受けることができました

ニチメン時代の業績や事業計画書が認められたということでしょうが、まだ1期目の決算も終わっていない状況でした。今、銀行出身の方に話を聞いても「なぜ融資を受けられたのでしょうね」と言われます。

いずれにせよ、この融資をのち本格的に開発事業を開始し、設立後33か月でマザーズに上場しましたが、これは不動産デベロッパーとしては最短かと思います。さらに2015年には東証一部(現:プライム)へ上場市場の変更を果たすなど、着実に会社を成長させることができています。

御社やグループ会社の事業・業務についてお聞かせください

株式会社ディア・ライフ

引用元:株式会社ディア・ライフ

株式会社ディア・ライフは、不動産デベロッパーとして、​​リアルエステート事業(プリンシパルインベストメント事業)を手がけており、複数のグループ会社もございます

一例としては、株式会社ディア・ライフの創業当時からあった人材派遣部門を別会社にしたディア・ライフエージェンシー。こちらは、一昨年に買収したN-STAFFとCordially serviceと一緒になり、DLX HOLDINGSとなりました。不動産と金融業界向けの人材サービスの会社で、上場を目指しています。

また、株式会社パルマ(Palma)という会社は、2015年にマザーズに上場し、現在はグロース市場にあります。こちらはリーマンショックを機に買収した、トランクルームの賃貸保証と管理を実施する会社です。

さらに、2021年10月には、品川大田区を中心としたデベロッパーであるアイディ株式会社(及び株式会社アイディプロパティ)も弊社グループに加わりました。

なお、今期は中期経営計画 「Go For The Future 2022」の最終期です。経常利益50億円を目指して、日々、邁進しております。

ポイントを絞って、生み出す利益。福利厚生も充実させ「1人デベロッパー」を育てる

御社ならではの特徴や強みは何ですか

無駄を省いて、ポイントを絞っていること」が大きな特徴で、しっかり利益を出す強みにも繋がっています。

例えば、弊社には販売の専任営業マンや、販売部隊はありません。弊社は基本的に、BtoB向けにプロジェクトを作る、少数精鋭のプロ集団です。

また、展開エリアも絞り込んでおり、東京都内に特化した形となります。

多くのデベロッパーは、郊外などエリアを広げる傾向にありますが、あえてそれをしないことが弊社の強みになっていると考えます。

弊社の現在の売り上げは300億円程度ありますが、少なくとも1,000億〜2,000億円ぐらいまでは、東京エリアのみで達成できるのではないかと見込んでおります。

御社のホームページには「日本の不動産マーケットは、海外投資家から見て、非常に魅力がある」と書かれていましたが、詳しく教えてください

阿部幸広 様 株式会社ディア・ライフ 代表取締役

日本の中でも、東京、神奈川、埼玉、千葉を合わせた、いわゆる東京マーケットに魅力を感じる海外投資家は多いと思います。

これらのエリアは「メガシティ東京圏」と呼ぶこともできますが、計3,000万人以上の人口を抱える意味では、世界最大の都市です。

ニューヨーク、ロンドン、シンガポール、香港といった世界の主要都市の中で、一番規模が大きく、治安も良く、 現在は日銀の金利政策もあり、金利が安いのも特徴的でしょう。

また、世界の金融マーケットの中で早くオープンする意味でも、東京は重要で、これらの魅力が海外投資家を惹きつけているのです。

メガ東京圏は日本全体とは逆に人口が増えており、国や都の政策によりますが、まだまだ成長が期待できると思います。

事業をおこない、あるいは拡大する際に、大事になさっていることは何ですか

資本と人材のバランスを大事にしています。

銀行からの借り入れができないとデベロッパーは仕事になりません。無駄を省いて、資本を蓄え、さらに上場によってキャピタルマーケットからの調達も可能なため、これらの総合が銀行からの信用にもつながっています。

人材については、なるべく若い人を採用するようにしています。もともと能力のある人を中途採用するよりは、将来性とか伸びしろに期待して、全くの未経験者を成長させる方に、重きを置いています。

この2点が弊社の急成長、拡大の秘訣と考えています。

力を入れているという社員教育についてお聞かせください

阿部幸広 様 株式会社ディア・ライフ 代表取締役

弊社では「1人デベロッパー」の育成を目指しています。

これは社員個々人を、高い能力を持つデベロッパーに育てるという意味です。

普通のデベロッパーで20年かかるところを、5年で一人前に育てることを目標としています。

私自身、サラリーマン時代に200件以上の案件を手がけた経験がございますので、通常よりもスピーディーな社員たちの成長をサポートするために、しっかりとノウハウを伝えています。

実際に、弊社は20人前後で、数十億円の営業利益を出していますから、一人当たりの営業利益額は非常に高いのです。

スピーディーに成長できるためか、野心を持って独立する人も多いですね。

御社は独自の福利厚生が充実していますが、それはなぜですか

株式会社ディア・ライフ 福利厚生

▲ユニークで充実した福利厚生で
引用元:株式会社ディア・ライフ

社員同士が仲良く、気持ちよく仕事をするためです。

例えば弊社では、ランチに味噌汁を用意しており、食べたい社員に振る舞います。人気メニューで、大体いつもなくなってしまいますね。

母方の実家が味噌屋ということもあり、私自身、味噌汁が好きです。味噌汁、ぬか漬け、お茶、バナナを食べながら、社内でランチミーティングするスタイルが多いですね。

また、弊社には社内通貨「DEAR LIFE COIN」があり、新聞の時事ネタに答えられたり、企画会議で良い案を出したりした人などに進呈します。10枚貯まると現金に変えられます。

仕事は楽しくないと続かない」と思っていますので、こういったアイデアは積極的に、私が出しています。

さらに、​​旅行や花見などのイベントほか、釣り、マラソン、映画鑑賞など部活も充実しています。

変化の時代にある不動産業界。現場から見た動向と、懸念される業務への影響

新型コロナウイルスの感染拡大や、ウクライナ情勢が与えた影響はありますか

阿部幸広 様 株式会社ディア・ライフ 代表取締役

コロナ禍については、ホテルなどに力を入れていた業者は結構大変だったと思いますが、それ以外の不動産業者は元気だったのではないでしょうか。

実際に、弊社もコロナ禍の中で、過去最高益(連結経常利益41億円、最終利益26億円)を達成することができました。

ウクライナ情勢については、これからどうなるかはもちろんわかりません。ただし現状、ロシアやウクライナとの直接の取引がないこともあり、弊社への直接的な影響はありません。

首都圏のマンション需要が高まっていますが、価格は今後も上昇すると予想されますか

はい、現在のところ下がる要素はない状態だと思います。

首都圏のマンション価格の上昇は、需要と比例する部分はもちろん、すでにお話ししたコロナ禍やウクライナ情勢も無関係ではありません。

コロナ禍による物流の滞り、ウクライナ情勢によるエネルギー価格の上昇も、マンション価格の上昇に影響を与えています。

生産緑地問題が東京エリアに与える影響はありますか

2022年以降、税制優遇が受けられなくなることで、生産緑地が宅地として大量に供給され、不動産価格が暴落するーーこれが、いわゆる生産緑地問題として懸念されているようです。

実際に東京にも、郊外を中心に生産緑地は存在しますが、需要があるエリアについては、宅地になったとしても高値で売れるため、あまり影響はありません。

少なくとも当初懸念されていたよりも影響は出ていないように感じますし、特に弊社は、適切にエリア選定しているため、影響は出ておりません。

現在、社会問題となっている空き家についてどうお考えですか

弊社に限れば、空き家問題の影響は全く受けていません。

先ほど申し上げたように、弊社ではエリアの選定(エリアの絞り込み)に細心の注意を払っており、空き家問題が発生するエリアでは業務展開しておりません。

処分しようにも値段がつかない、壊すにもお金がかかるから相続も受けたくない……このような空き家の問題は、東京圏にももちろんありますが、地方がより深刻ではないでしょうか。

不動産業界のIT化が進んでいますが、弊社の取り組みを教えてください

名刺管理ソフトやGoogleマップなど、営業や仕入れを効率化するITツールは積極的に取り入れています。

不動産契約書の電子化なども、便利かと思います。

ただし、ITはあくまでもツールであり、少なくとも不動産デベロッパーの場合は、それが根源的な価値や富を生むとは思っていません。

特に弊社は不動産デベロッパーであり、IT企業ではなく、あくまでも「不動産屋」であることは、いつまでも忘れてはいけない部分かと自負しています。

目指すは、不動産の総合商社。求める人材は「ポジティブで前向きな方」

弊社は今後、不動産業界においてどのようなポジションを担いたいとお考えですか

不動産業界の中で「不動産の総合商社」のポジションを目指したいと思います。

魚の世界でいえば、目利きの立場から、良いものを選んで、必要に応じて加工もする卸業者のようなイメージです。

「ディア・ライフに行けば買ってくれるんじゃないか」「ディア・ライフに行けば売ってくれるものがある」と、さらに頼っていただける存在になりたいですね。

プロ同士の方が話が早く、また、1個のロットを大きくしたいことから、今後も基本的にBtoBを徹底していく方針です。

不動産関連で現在、阿部様が関心を持っていらっしゃることは何ですか

阿部幸広 様 株式会社ディア・ライフ 代表取締役

コロナ禍の収束を見越した上で言えば、 ホテル・旅館・サービスアパートメントなどに関心があります。

観光客が増えた場合、東京のホテルを利用する方が増えるのはもちろんのこと、東京から近いリゾート地などにも人が流れることは、充分に考えられるでしょう。

少なくとも、入出国時のPCR検査が必要なくなったタイミングなどで、状況は大きく変わるかと思います。

今後のビジョンや展望をお聞かせください

弊社の時価総額は現在200億ですが、7年後にはその20倍、4,000億円を目指したいと思っております。

弊社は創業から18年ほど経ちましたが、当初は5,000万円からのスタートでした。それが400倍になったので、20倍というのは実現不可能では無いはずです。

その達成には、自己資本を増やし、期待を生むことで投資家の皆様に認めて頂くことが、今後も必要です。

同時に、社員にやりがいを持って、楽しく働いてもらう環境も、さらに整備したいと思います。

弊社では、私の経験やノウハウを通じて「1人デベロッパー」を目指すことができますし、頑張りはしっかり年収にも反映されます。

不動産が好きで、大きな仕事をしたいーーそんなポジティブで前向きな方は、歓迎致します。

阿部幸広 様 株式会社ディア・ライフ 代表取締役

阿部幸広 様
株式会社ディア・ライフ 代表取締役

■ 企業プロフィール
社名:株式会社ディア・ライフ(DEAR LIFE CO.,LTD.)
東京都千代田区九段北一丁目13番5号
ヒューリック九段ビル2F

事業内容:リアルエステート事業(プリンシパルインベストメント事業)
TEL:03-5210-3721

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