VSG不動産株式会社(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:内田和希)は、「団塊世代の所有不動産」に関する意識調査を実施しましたので、お知らせいたします。
<団塊世代の所有不動産に関する調査結果トピックス>
<調査概要>
不動産を所有する1947~1949年生まれの男女(東京都内 301名/政令指定都市 358名/地方都市 349名)を対象に実施。
今回の調査では、以下のような内訳となっている。
「所有する不動産はどの地域にありますか?(複数選択可)」と質問したところ、「東京23区(19.5%)」「東京23区外(12.9%)」「政令指定都市(39.0%)」「海外(0.4%)」「その他(34.9%)」という回答結果となった。
「今後、所有する不動産をどうするか、家族と話し合っていますか?」と質問したところ、「話し合っている(47.3%)」「話し合っていない・家族がいない(52.7%)」という回答結果となった。
調査結果から、半数以上の団塊世代が家族と不動産の将来について話し合っていないことが分かった。
話し合いがないままだと、相続や不動産処分に関するトラブルが発生するリスクが高まる。特に、管理が必要な不動産については、早期に家族間で意思疎通を図ることが重要。相続問題を未然に防ぐためには、早期の啓蒙と専門家のサポートが求められる。
「今後、所有する不動産をどうするか、検討している内容に最も当てはまるものを教えてください」と質問したところ、「相続させる(42.8%)」「生前に売却する(9.0%)」「生前贈与する(1.7%)」「まだ決めていない(46.5%)」という回答結果となった。
団塊世代の半数近くが、不動産の処分方法を決めていないことが明らかとなった。
特に不動産は大きな資産であり、その処分には多くの負担が伴うため、先延ばしにすることで不安が募る。家族や相続人への影響が大きくなる前に、適切な時期に決断を下すことが求められる。
「生前に売却する」と回答した人に、「不動産を生前に売却する理由に最も当てはまるものを教えてください」と質問したところ、「老後資金を確保するため(24.2%)」と回答した人が最も多く、次いで「高齢で維持管理が難しいため(22.0%)」「相続人がいないため(15.4%)」「相続トラブルを避けるため(14.3%)」「将来的に空き家になる可能性が高いため(11.0%)」「建物が老朽化しているため(4.4%)」「相続税の納税資金を確保するため(3.3% )」「その他(5.4%)」という回答結果となった。
不動産売却の最も大きな理由が「老後資金の確保」であり、これが団塊世代の大きな関心事であることが分かる。
加えて、「高齢で維持管理が難しい」という理由も上位に挙がっており、年齢を重ねるにつれて不動産の維持が負担になることが示されている。
老後資金確保を目的として生前に不動産を売却する動きが、今後さらに加速する可能性もある。
「生前贈与する」と回答した人に、「不動産を生前贈与する理由に最も当てはまるものを教えてください」と質問したところ、「相続税対策として(29.5%)」と回答した人が最も多く、次いで「高齢で維持管理が難しいため(23.5%)」「確実に資産を譲るため(17.6%)」「相続トラブルを避けるため(17.6%)」「受贈者の生活を支援するため(11.8%)」と続いた。
不動産の生前贈与の最大の理由として「相続税対策」が挙げられており、相続税の負担を軽減するために資産を早期に移転する動きが強まっていることが分かる。
特に不動産は高額な資産であり、相続時の評価額が高くなるため、生前に贈与しておくことで相続税を軽減する効果がある場合もある。
「相続させる」と回答した人に、「不動産を相続させる理由に最も当てはまるものを教えてください」と質問したところ、「資産価値があるため(39.4%)」と回答した人が最も多く、次いで「節税効果があるため(17.4%)」「先祖代々の土地を守るため(16.7%)」「生前贈与や売却の手続きが煩雑なため(13.7%)」「やむを得ず(売却したいものの買い手が見つからない)(4.4%)」「その他(8.4%)」と続いた。
不動産を相続させる最大の理由が「資産価値があるため」であることが明らかになった。これは、不動産が安定した資産として見なされており、相続後も価値を保つことが期待されているためである。
不動産は長期的に安定した価値を維持しやすく、相続後も資産としての価値を保持するため、多くの団塊世代が相続を選択していると考えられる。
「生前に売却する」「まだ決めていない」と回答した人に、「不動産の売却について、懸念していることは何ですか?(複数選択可)」と質問したところ、「希望価格で売却できるか(42.5%)」と回答した人が最も多く、次いで「適切な不動産業者が見つかるか(29.1%)」「税金や仲介手数料などの負担の大きさ(28.2%)」「買い手が見つかるか(28.0%)」「売却手続きの煩雑さ(24.1%)」「売却にかかる期間の長期化(16.8%)」「家族の同意を得られるか(8.0%)」「その他(10.9%)」という結果になった。
不動産売却時の最大の懸念が「希望価格で売れるか」であり、市場価格の変動や交渉の結果による価格の不確実性が売主にとって大きなストレスとなっていることが分かる。
特に不動産市場の動向や売却時期により価格が大きく変動するため、売却に踏み切る際の不安が生じやすいと考えられる。
「相続させる」「まだ決めていない」と回答した人に、「不動産の相続について、懸念していることは何ですか?(複数選択可)」と質問したところ、「相続税の負担の大きさ(33.0%)」と回答した人が最も多く、次いで「相続よりも生前贈与や売却した方がよいか(22.3%)」「相続させることで相続人に迷惑をかけないか(22.0%)」「遺産分割の難しさ (17.1%)」「相続人同士で揉めないか(17.0%)」「その他(15.2%)」と続いた。
不動産相続に関して、最も多くの回答者が「相続税の負担の大きさ」を懸念していることが分かる。
不動産は高額な資産であり、その評価額が相続税の計算に大きく影響するため、相続税が重くなることに対する不安が強い。
相続税対策としては、生前贈与や不動産売却が考えられるが、これらの選択肢について十分に理解し、計画的に対策を講じることが重要である。
「団塊世代の所有不動産」に関する調査では、所有不動産を今後どうするか「まだ決めていない」と回答した人が全体の半数近くに上りました。
そこで、今回は「団塊世代の不動産を整理するタイミングや方法」について解説します。
団塊世代の所有不動産で大きな課題となっているのが、「2025年問題」です。
1947年〜1949年に生まれた団塊世代約800万人が、2025年までに全員75歳以上の後期高齢者になります。そのため、多くの不動産が相続により市場に出回ることが予想されます。
また、空き家の増加によって不動産市場の需給バランスが崩れ、不動産価格が大幅に下がる可能性もあるため、早めの対策が必要です。
相続を予定している子世代にとって重要なのは、団塊世代の不動産の整理、いわゆる「実家じまい」のタイミングです。
相続前の実家じまいに適したタイミングとして、以下が挙げられます。
相続のタイミングは選べないため、家族構成や生活状況に応じて、余裕をもって実家じまいを進めることが大切です。
団塊世代が所有する不動産を整理する主な方法は、「相続」「生前贈与」「売却」の3つです。それぞれのメリットや注意点を確認してみましょう。
不動産を相続した場合、不動産取得税はかからず、登録免許税の税率も贈与と比べて低くなります。
また、土地部分には「小規模宅地等の特例」を適用できる場合があり、税制面で優遇されるのもメリットです。
一方、不動産を相続した際には、以下のような負担が生じます。
特に、2025年問題により、相続後の売却が思うように進まない可能性もあります。
生前贈与の大きなメリットの一つは、相続争いを回避できる点です。
「相続トラブルを避けたい」「特定の子どもに確実に財産を渡したい」といった場合に有効です。
生前贈与であれば、売却のタイミングも子どもが自分で選べるため、将来の不動産価格の低下や売却の難しさ、高齢での実家じまいに不安を感じる場合にも対応できます。
相続時精算課税制度を利用すれば、累計2,500万円までの贈与については贈与税がかかりません。
ただし、相続時に小規模宅地等の特例を利用できず、さらに不動産取得税や登録免許税の税率が相続と比べて高くなります。
不動産を売却するとまとまった現金が手に入り、固定資産税などの維持費の負担から解放されます。
「相続する子世代がいない」「家の維持が負担」「老後資金を確保したい」といった場合に適しています。
特に、築30年以上の戸建てを所有している団塊世代は、不動産の老朽化が進み売りにくくなる前に、早めに売却を検討すると安心です。
ただし、住居として利用していた不動産を高齢で売却する場合、以下の負担がかかります。
売却を検討する場合、できるだけ早い時期から行動することで、手続きや引越しをスムーズに進めることができます。
「2025年問題」の影響として、団塊世代からの相続不動産の大量流通による不動産価格の下落が懸念されています。
団塊世代が所有する不動産の整理に迷ったら、早めに専門家に相談して、納得できる選択肢を見つけましょう。