使っている洗面台が割れてしまった場合、賃貸物件では対応方法によって費用負担が変わってくる可能性があります。
本記事では、洗面台が割れてしまった時の対処法と費用な被害を防ぐための方法について解説します。
目次
まずは、賃貸物件で洗面台が割れてしまった場合の対処法について確認しておきましょう。
最初に怪我がないか確認し、次に移動する際に怪我をしないように、周囲に破片が飛び散っていないか確認しましょう。
次に水漏れが発生している、あるいは発生する可能性がある箇所が破損している場合には、水漏れ被害防止のため、水が流れないように止水栓を閉めましょう。
止水栓の位置と水の止め方は、以下が一般的です。
安全を確保し、必要に応じて水漏れ防止の処置を行ったら、そのまま触らずに洗面台の割れ具合や周囲の状況を写真に撮ります。
写真は賃貸人・管理会社や修理業者に状況を説明する際や、保険請求をする際にも利用できるため、忘れずに撮影しておきましょう。
写真を撮る際には、複数の方向から撮影するのに加えて、全体と詳細部分に分けて破損の状態がよくわかるように撮影します。
写真を撮り終わったら、応急措置として破損箇所に布ガムテープや不透明のテープを貼って水の浸入を防ぎ、修理業者が到着するまで被害の拡大を防ぎます。
また、床に破片が散らばっていたら、怪我防止のために写真を撮った後は慎重に掃除しておきましょう。
安全確認と写真撮影、応急措置が終わったらすぐに賃貸人または管理会社に連絡しましょう。
賃貸物件の設備を壊してしまった時に一番心配なのが、「どのぐらいお金かかるか」でしょう。
次に、賃貸物件での費用負担の考え方と洗面台の修理費用の目安について解説します。
賃貸物件の設備における修繕費負担の基本的な考え方として、経年劣化の場合は貸主である賃貸人、入居者の故意・過失による破損の場合は入居者が負担します。
しかし洗面台が経年劣化で破損する可能性は低く、入居者の過失によるケースが多いため、修理費用は入居者負担となることが一般的です。
ただし洗面台の耐用年数は15年とされており、これを超えている場合は事情が少し変わります。
過失による破損により洗面台を交換することになっても、借主である入居者が負担する費用は最大で交換費用から経年劣化分を差し引いた分でよいと考えられます。
参考:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(国土交通省)
洗面台の破損の程度や素材、依頼する業者によって変わりますが、修理費用の目安は以下のとおりです。
ただ、賃貸借契約締結時に基本的に加入している火災保険には、部屋の設備を壊した時に補償するための「借家人賠償責任補償」が付いているのが一般的です。
経年劣化や故意による破損、修理費用が免責金額以下などの場合には利用できませんが、それ以外なら修理費用に火災保険が利用できる可能性があります。
該当する場合には、加入している火災保険会社に利用可能か確認してみるとよいでしょう。
賃貸物件では、基本的に設備が修繕を要する状態になったときは、遅滞なく貸主に通知する義務が民法で定められています。
また、自分で修理した結果状況が悪化した場合、原状回復義務(入居時の状態に戻す義務)により退去時に却って高額な費用を支払うことになる可能性があります。
そうならないように、大きな破損の場合は専門の修理業者に頼んだ方がよいでしょう。
しかし、軽微なひび割れであれば、市販の補修用キットで対応可能です。
安い商品だと数百円程度で補修可能なので、修理費用を抑えたい人は以下の手順で処置を行いましょう。
洗面台が割れると快適に使いにくくなるだけでなく、費用の支払いリスクが発生します。
賃貸物件の洗面台が割れる主な原因と予防策について確認しておき、さらなる被害を防ぎましょう。
洗面台が割れる主な原因として、以下の5つが挙げられます。
物理的な衝撃 | 重い物を落とす、硬いものがぶつかるなどで直接的な衝撃が加わり割れる |
経年劣化 | 長年の使用により素材が劣化し、強度が低下して割れやすくなる |
不適切な清掃 | 研磨剤入りの洗剤や硬いブラシを使用すると表面に傷がつき、そこから割れることがある |
温度差 | 冬場で洗面台が冷えている時に熱湯を流すなど、表面と内部との急激な温度差により「ヒートショック現象」が起きて割れる |
人為的な破壊 | 故意また不注意により洗面台に強い力を加えてしまう |
洗面台の破損を防ぐ対策として、以下の5つを紹介します。
強い衝撃を与えない | 洗面台周辺での作業は慎重に行い、物を落とす、あるいはぶつけないように注意する |
素材に適した掃除を行う | 洗面台の清掃は中性洗剤を使用し、柔らかいスポンジでやさしく洗う 研磨剤入りの洗剤や硬いブラシは避ける |
温度変化に注意する | 熱湯を直接かけるなど、急激な温度変化を与えないようにする |
異常は早期に対処する | ひび割れや欠けがないか定期的に確認する。異常があったら早めに対処し状態の悪化を防ぐ |
落下対策を行う | 地震など建物が揺れた拍子の落下に備えて、洗面台の上や収納部分に重たいもの・硬い物を置かない |
賃貸物件で洗面台が割れてしまった場合には、適切な対応を行い、トラブルを防ぎましょう。
また修理費用負担についての原則も知識として知っておき、もし不当な費用負担を求められた場合には消費者センターなど適切なところに相談しましょう
判断が難しいケースやトラブルが解決しない場合専門家のアドバイスが必要な場合は、弁護士に相談することをおすすめします。