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家賃の値上げ拒否はできる!交渉時のポイントや失敗した場合の対処法を解説

家賃の値上げ拒否はできる!交渉時のポイントや失敗した場合の対処法を解説

この記事でわかること

  • 賃料の値上げが認められるケース
  • 大家さんから家賃の値上げを通知されたときの対処法
  • 借主は家賃の値上げを拒否できるか

家賃は月々の生活費の中で大きな割合を占めている場合が多く、もし値上がりがあった場合、家計への影響も大きいでしょう。

ある日突然、大家さんから家賃の値上げを通知されたら拒否できるでしょうか。

家賃の値上げは借地借家法に定められた大家さんの権利ですが、値上げをする正当事由がないときは借主から拒否できます。

しかし借主が適切ではない対応をとった場合、大家さんとの話し合いも難しくなり、信頼関係が崩れてしまう場合もあるでしょう。

もし家賃の値上げを通知されたらどのような対応をとるのがよいか、この記事で確認していきましょう。

家賃の値上げが認められるケース

家賃の値上げは、借地借家法に以下3つのケースで認められると定められています。

  • 大家さんの税金負担が増えた
  • 物価が上がった
  • 周辺の相場が上がった

それぞれのケースについて解説します。

大家さんの税金負担が増えた

大家さんには家賃収入に以下の税金がかかります。

  • 所得税
  • 住民税
  • 消費税

また、賃貸物件の取得や保有を続けるには以下の税金を納付しなければなりません。

  • 不動産取得税
  • 固定資産税
  • 都市計画税

税金の負担額は、主に賃貸物件の評価額によって変わります。

たとえば固定資産税は毎年1月1日時点で不動産を所有している人が対象となる税金で、原則として以下の計算で求められます。

  • 固定資産税=賃貸物件の評価額(課税標準額)×1.4%(標準税率)

3年に1回は固定資産の評価替えがあり、納付金額が増える場合もあります。

都市計画法の指定する市街化区域内に不動産を保有する大家さんは、都市計画税の納付も必要です。

税金の負担が増えた場合、増加分を家賃に上乗せして負担を回避するケースもあるでしょう。

税負担の増加は、借地借家法上の家賃値上げの正当事由として認められています。

物価が上がった

賃貸物件を運営するには、前述した税金の他に様々な維持管理費用がかかります。

一般的には、賃貸物件の取得費用のほか、次のような維持管理費用を負担しなければなりません。

  • 不動産管理会社への管理委託手数料
  • 土地や建物の維持管理や修繕にかかる費用
  • 借主に宣伝するための広告費
  • 保険料(火災保険料、地震保険料、損害保険など)
  • 不動産ローンの金利
  • 不動産仲介業者への仲介手数料

物価があがった場合、これらの維持管理にかかる費用も増加します。

特に建物が老朽化して数年後にリフォームが必要な状況などでは、費用が高額になるケースもあるでしょう。

維持費用が増えた場合、賃貸物件の運営を継続するために増加分の家賃値上げを行わなければならない場合もあります。

必要な維持管理費用の増加も、借地借家法上の家賃値上げの正当事由として認められています。

周辺の相場が上がった

家賃相場はその地域にある物件の賃貸需要があがると値上がりします。

賃貸需要とは、その地域の賃貸物件に対する需要です。

次のようなケースで「その地域に住みたい」と考える人が増えた場合、家賃相場があがります。

  • 周辺環境
    人気商業施設や行政サービスの充実、都市計画による再開発など
  • 交通インフラ
    鉄道やバス、道路といったインフラの利便性の向上など
  • 就業機会
    地域の経済活動や雇用環境の改善など

賃貸需要は、これらの他にも住んでいる地域の年齢構成や家族構成によって変わる可能性があります。

物件周辺の家賃相場があがった場合、大家さんは家賃をあげなければ本来得られるはずの収入を得られない機会損失を受けます。

賃貸需要があれば退去後の空き家リスクも少なくなるため、入居中であっても家賃値上げをしたいと考える大家さんもいるでしょう。

家賃の値上げを拒否したらどうなる?

家賃の値上げは契約更新のタイミングや退去後の募集時に行われるのが一般的です。

ただし、法律上はタイミングに制限はないため、貸主はいつでも値上げ交渉ができます。

賃貸借契約は双方の合意で成り立っているため、家賃の値上げを拒んでも、借主は入居物件をすぐに立ち退く必要はありません

一方、対応方法を誤ってしまった場合、大家さんとの関係が悪化し、裁判上の手続きに進む可能性もあるでしょう。

次章より、家賃の値上げを拒否する場合の対応方法を確認していきます。

家賃の値上げを拒否しても立ち退き理由にはならない

家賃の値上げを言い渡された後も、原則として値上げ前の家賃を支払い続けていれば退去する必要はありません

大家さんが借主の追い出しをするためには、家賃滞納などの正当事由が必要です。

大家さんが一方的に決めた値上げ後の家賃を払わないだけでは、原則として正当事由にはなりません。

しかし、完全に家賃の支払いをストップすると立ち退きの正当事由に該当し、追い出しになる可能性があります。

家賃の値上げに納得できない場合でも、値上げ前の家賃は必ず支払いましょう。

賃貸人が値上げ前の家賃を受け取らなくても、供託所へ値上げ前の家賃を供託できます。

供託とは、支払先が家賃や代金を受け取らない場合に、供託所へ支払うべき金銭を預けると、支払先が代金を受け取ったと扱われる制度です。

供託所とは、供託制度による金銭などを預かる場所で、全国の地方法務局や出先機関などに設置されています。

家賃の値上げを伝えられたときの対処法

家賃の値上げを伝えられたときは、以下の対処をしましょう。

  • 家賃の値上げの根拠を確認する
  • 家賃の値上げ幅を確認する
  • 感情的にならず話し合う

ここからは、家賃の値上げを伝えられたときの対処法について紹介します。

家賃の値上げの根拠を確認する

家賃の値上げを伝えられたときは、まず根拠を確認しましょう。

賃貸借契約書に、家賃の値上げをする条件が記載されているケースがあります。

値上げの根拠を質問し、賃貸借契約書に定めた条件と合致しているか確認してください。

賃貸借契約書に記載されている条件は、家賃相場の上昇や、大家さんの納税額上昇によるケースが大半です。

家賃の値上げ幅を確認する

家賃の値上げの根拠とともに、家賃の値上げ幅を確認します。

詳しくは後述しますが、家賃金額の上げ幅を確認するのは、家賃が近隣相場に合っているか確認するためです。

値上げされた家賃が近隣相場と合っていなければ、大家さんとの交渉のときに家賃の値上げが正当ではない根拠として主張できるでしょう。

感情的にならず話し合う

大家さんから家賃の値上げ通知が来ても、まずは感情的にならないよう気を付けましょう。

家賃の値上げは生活に関わるため、焦りや怒りを感じやすいです。

感情的になると話し合いで解決するのが難しくなり、裁判上の手続きに進んでしまうケースもあるため、冷静に対処しましょう。

家賃の値上げ交渉を拒否したい場合のポイント

家賃の値上げを拒否したい場合は、家賃交渉を行います。

家賃交渉を円滑に進めるためのポイントは、以下の通りです。

  • あらかじめ周辺家賃の相場を確認する
  • 大家さんから値上げの根拠となるデータなどを取得する
  • 値上げを承諾する代わりに別条件を提示する

ここからは、家賃の値上げ交渉へのポイントを紹介します。

あらかじめ周辺家賃の相場を確認する

周辺の家賃相場を確認し、家賃の値上げ幅が適正なのか確認します。

家賃の値上げ幅が周辺家賃の相場からかけ離れている場合は、家賃の値上げ幅を下げられる可能性があります。

周辺家賃の相場は、賃貸物件のポータルサイトで確認しましょう。

賃貸物件と同じ地域で、築年数や間取り、階数、広さなど似た賃貸物件の家賃を調べ、その情報を基に交渉を進めていきます。

大家さんから値上げの根拠となるデータなどを取得する

大家さんから家賃の値上げを伝えられたときには、周辺家賃だけでなく、物価のデータを取得しましょう。

データがあると、値上げの根拠がより正確にわかるようになります。

値上げを拒否する前提であれば、交渉の準備としてなるべく多くの情報を集めておきましょう。

値上げを承諾する代わりに別条件を提示する

家賃の値上げを条件付きで承諾するのも、値段交渉の1つです。
たとえば、以下のような別条件を提示しましょう。

  • 賃上げの代わりに更新料を下げてほしい
  • エアコンを1台設置してほしい
  • 壊れた設備を修復してほしい

家賃は上がりますが、その他の項目で得ができる可能性があります。

家賃の値上げ拒否交渉に失敗した場合の対処法

値上げ交渉に失敗した場合は、以下の対処をしましょう。

  • 専門家に相談する
  • 別の物件に引っ越す

それぞれの対処法について詳しく解説します。

専門家に相談する

大家さんからの家賃値上げに対し拒否をするには、正当事由がない根拠を伝えなければなりません。

大家さんにこちらの主張を納得してもらうには、根拠となる資料の提出も重要です。

しかし、大家さんが主張する家賃値上げの理由が正当事由にあたるのか、判断が難しいケースもあるでしょう。

根拠としてどのような資料を準備すればよいか、個人ではわからない場合がほとんどです。

個人で交渉の準備や大家さんとの話し合いが難しい場合は、不動産取引や借地借家法に精通した弁護士に相談しましょう。

弁護士事務所によっては、初回無料相談を行っている場合もあります。

弁護士のほか、各自治体に設置されている消費者センターや消費者相談窓口への相談もおすすめです。

専門家に相談すると、借主が選択できる対処法やそれに向けた準備について的確なアドバイスを得られるでしょう。

別の物件に引っ越す

弁護士に依頼した場合でも、大家さんとの交渉には時間や労力が長期間かかるケースもあります。

家賃の値上げは大家さんにとっても生活がかかっているため譲れないケースもあり、どうしても交渉が難しい場合もあるでしょう。

大家さんとの交渉が難航し、裁判上の手続きで争う場合、さらに時間や裁判費用などがかかる可能性もあります。

仮に裁判上の手続きでこちらの主張が認められても、入居物件に住みにくいと感じる方もいるでしょう。

もし今の入居物件にどうしても住み続けなければならない理由がない場合、思い切って別の物件に引っ越すのも一つの方法です。

新しい物件を探す手間や引っ越し費用などもかかりますが、場合によっては今よりも良い物件が見つかる可能性もあるでしょう。

特に大家さんと争ってまで今の物件に住み続けたいとは思わない場合、新しい賃貸物件で生活をスタートするのもおすすめです。

まとめ

賃貸人から家賃の値上げを通知された場合、焦らずに値上げが正当な事由に基づくかを確認しましょう。

正当事由がなく、客観的に「追い出し」と認められるような家賃の値上げである場合もあります。

値上げが大家さんの一方的な都合である場合、周辺相場などの根拠を提示すれば交渉を有利に進められる可能性が高いでしょう。

根拠を提示するためには、周辺相場や大家さんの主張する正当事由などをきちんと確認する必要があります。

不動産にまつわる情報は個人で調べるのは難しいケースもあり、交渉には時間や精神的な負担もかかるかもしれません。

特に話し合いが難しいと思われる場合は、交渉のプロである弁護士に相談し、適切な対応方法を確認するとよいでしょう。

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