賃貸物件に住んでいる場合、転勤などの事情で引っ越しを迫られるケースがあります。
災害の発生で新居へ移るケースもありますが、生活保護受給者が引っ越しを余儀なくされると、退去費用の準備が難しいでしょう。
生活保護受給者は現預金や資産が少ないため、どうしても引っ越しのハードルが高くなります。
経年劣化の原状回復は基本的に貸主負担ですが、汚損の原因が借主側にある場合、ハウスクリーニング代を支払わなければなりません。
今回は、賃貸物件の退去費用やクリーニング代について、生活保護受給者が負担する金額や、支払えないときの対処法などをわかりやすく解説します。
生活保護受給者が賃貸物件に住んでいる場合、退去費用やクリーニング代は原則として自己負担です。
経年劣化の原状回復費用は貸主負担ですが、借主の過失によって室内に汚損が生じたときは、借主負担で修理しなければなりません。
生活保護受給者は住宅扶助制度を利用できるため、一定要件を満たすと引っ越し費用の一部は支給されますが、生活保護から抜けた場合は対象外です。
引っ越しにはケースワーカーの許可も必要になっており、「眺めのよい部屋に住みたい」などの理由は却下されます。
ここでは、引っ越し費用が支給される要件や、支給内容について説明します。
生活保護受給者が以下の要件のいずれかを満たすと、自治体から引っ越し費用が支給されます。
生活保護者受給者の引っ越しに正当事由があれば、以下の費用が支給されます。
クリーニング代などの退去費用や、新居の管理費・共益費は支給の対象外です。
上限額が決まっている費用もあるため、以下の支給内容をよく確認しておきましょう。
生活保護受給者が退去する場合、引越し業者に支払う費用は全額支給されます。
引っ越し代は業者によって異なるため、2~3社程度に見積書を請求し、福祉事務所に提出することをおすすめします。
引っ越し業者は見積もりの結果、最安値の業者を選ぶことになります。
荷物の梱包代や、家電製品の設置費用などは支給されないため、必ず対象となる費用を確認しておきましょう。
なお、引っ越し代は現金支給や振込みではなく、自治体が引っ越し業者に直接支払います。
自治体から支給される引っ越し代のうち、以下の費用は上限額が決まっています。
(1)~(6)はその他の費用と合計し、住宅扶助額の3.9倍まで支給されます。
住宅扶助額は都道府県や世帯人数によって異なり、東京在住の単身者は4万9,000円~5万3,700円ですが、大阪は2万9,000円~4万円円です。
(7)は炊飯器やエアコンなどの生活家電を指しており、現物支給されるため、何が対象になるのかケースワーカーに確認してみましょう。
生活保護受給者が退去費用を支払えないときは、以下の方法を検討しましょう。
生活保護費は一定額まで貯蓄に回してもよいため、引っ越しを急ぐ必要がなければ、退去費用が貯まるまで待ってもよいでしょう。
引っ越し業者の繁忙期となる3月や4月を避けると、料金が1~2割程度安くなります。
なお、借りたお金は生活保護受給者の収入になるため、生活保護費の減額要素となってしまいます。
借金を退去費用に充てるときは、あらかじめケースワーカーに相談しておきましょう。
生活保護受給者には入居時の敷金などが支給されているため、退去費用やクリーニング代は基本的に自己負担です。
引っ越し費用の一部は支給されますが、上限額が決まっており、一定の要件も満たさなければなりません。
なお、賃貸借契約によっては退去費用が明記されておらず、貸主と借主がもめてしまうケースもあるため注意が必要です。
退去費用の請求額に納得できないときや、貸主とトラブルになった場合など、困ったときは弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所の無料相談をご活用ください。