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賃貸のフローリングの傷はどこまでセーフ?修繕費用を負担するのは誰?

この記事でわかること

  • フローリングの傷はどこまで修繕対象になるのか
  • フローリングの傷の修繕費用の負担先
  • フローリングの傷を修繕する際の費用相場

賃貸住宅に住んでいると、いつの間にかフローリングに傷が付いてしまったという方もいらっしゃるでしょう。

フローリングの傷はどこまでが修繕対象となるのか気になる方も多いです。
また、フローリングの傷は誰が費用を負担して修繕するのでしょうか。

この記事では、賃貸住宅のフローリングの傷の修繕対象の範囲と費用負担先、費用相場について紹介します。

賃貸のフローリングの傷はどこまでセーフ?

賃貸のフローリングに傷を付けたからといって、必ず借主が修繕費用を負担するわけではありません。

ここでは、どこまでが借主負担にならないセーフの範囲なのかについて紹介します。

セーフとなる傷のライン

セーフとなる傷は、入居者の故意や不注意でついた傷ではないものです。
日常的生活をする上で付いた傷や、地震などで家具が倒れて付いた傷などは、借主が修繕費用を負担する必要はありません。

また、日照によって色褪せしたフローリングの修繕費用も、借主が負担する必要はありません。
しかし、ペットなどのひっかき傷や、引っ越し作業によって付いた傷は借主の負担となります。

わざと傷を付ける方はいませんが、普段の生活で気を付けていないと借主の責任を問われてしまうでしょう。

ケース別に見るそれぞれの修繕負担範囲

ここでは、ケース別の傷の修繕負担先の例を紹介します。
以下の表は、借主が修繕費用を負担する傷と、貸主が負担する傷に分けたものです。

借主が負担する傷 貸主が負担する傷
•故意や過失に問わず、物を落したときにできた傷や凹み
•家具の配置換えに出来たときの傷
•引っ越し時にできた傷
•キャスター付きの家具によってできた傷
•ペットによるひっかき傷
•入居時からあった傷
•地震によって倒れた家具の傷
•日焼け・色落ちしたフローリング
•家具を設置した跡の凹み

借主は、うっかり付けた傷であっても不注意とみなされてしまうため、フローリングの傷の修繕費用を負担するのが一般的です。

一方、日常生活の中で避けられない傷は、貸主が修繕費用を負担します。

借主がフローリングの傷を修繕する場合、敷金と相殺します。
敷金以上に修繕費用がかかった場合、差額分を追加請求されるため、注意しましょう。

賃貸のフローリングの傷の修繕費用は誰が負担する?

フローリングについてしまった傷の負担先は、その傷ができた事由によって異なります。
具体的には、原状回復をめぐるトラブルとガイドラインで事由別の負担先を定めています。

ここでは、ケース別の修繕費用の負担先について紹介します。

原状回復をめぐるトラブルとガイドラインとは

原状回復をめぐるトラブルとガイドラインでは、原状回復に関する修繕負担先を定義しています。

原状回復とは、賃貸物件の退去時に入居した状態に戻す借主の義務です。
借主は、部屋を入居時の状態に戻して貸主に返還しなければいけません。

しかし、経年劣化や通常損耗など、日常生活で付いた傷や汚れ、破損なども借主が負担するとなると、修繕費用も割高になります。

そこで、原状回復ガイドラインでは、どの傷を誰が負担して修繕するのかを明確にしています

原状回復ガイドラインでの負担先

原状回復ガイドラインでは、修繕費用の負担先を以下の表の通りに分けています。

損耗の種類 具体例 費用負担先
通常損耗 •家具の設置による床の凹みや傷
•エアコンの設置跡
•テレビや冷蔵庫裏の黒ずみ
貸主
自然損耗 •日差しによるクロスや床の劣化
•エアコン・給湯器など耐用年数が経過した設備の故障
貸主
特別損耗 •子どもの落書き
•結露放置によるカビ
•故意や過失で付けたフローリングの傷や汚れ
借主

原状回復ガイドラインでは、故意や過失で付けたフローリングの傷は、借主が負担すると記載されています。
事前に防げるはずの傷や凹みに関しては、過失と判断されるので注意しましょう。

善管注意義務を怠ると借主負担となる

フローリングの傷だけでなく、善管注意義務を怠ると使い方に問題があったとみなされ、借主負担となる対象が増えます

善管注意義務とは、部屋を使用する者として、一般的・客観的に要求される注意義務を指します。
日常的な清掃や、床などに傷を付けない対策などを怠った場合、原状回復の対象範囲が増えるため、注意が必要です。

たとえば、家具の設置による床の傷などは、通常損耗に該当し、貸主が修繕費用を負担するのが一般的です。
しかし、カーペットなども敷かず、なおかつ何度も家具を引きずるような跡があれば、借主が善管注意義務を行ったとみなされるでしょう。

借主は、最後にはきれいな状態で部屋を返さなければいけないため、定期的な清掃や使い方に注意しましょう。

【注意】賃貸のフローリングの傷は借主が自分で修繕してはいけない

フローリングの傷は、自分が修繕すれば安価に済むと考える方もいらっしゃるでしょう。
そもそも、借りている物件を修繕してよいのでしょうか。

貸主の許可が必要

フローリングの傷を自分で行う場合は、先に貸主の許可を得る必要があります。

そもそも、原則賃貸物件は貸主に所有権があるため、勝手に修繕してはいけません。
フローリングの傷の修繕方法は、貸主や不動産会社が決めるため、借主の方が修繕するのを禁止している物件も多くなっています。

借主が勝手に修繕しても、修繕方法が異なるとやり直しになるケースも多く、余計に修繕費がかかってしまう場合もあるでしょう。

そのため、貸主が修繕する場合は、貸主や不動産会社に修繕箇所や方法を共有して許可を得るところから始めましょう。

火災保険で補償される場合もある

フローリングの傷の修繕費用は、火災保険でカバーできるケースもあります
火災保険が適用できる条件は、以下の2つを満たしている必要があります。

  • 借家人賠償責任の特約のある火災保険に入っている
  • 不測かつ突発的な事故による破損だった

借家人賠償責任とは、借主が火事を起こして建物に損害を与えてしまった場合の損害賠償金を補填する保険です。
物件によっては、借家人賠償責任の特約がある火災保険の加入が入居の条件となっている場合も少なくありません。

また事前に予測できず、対策が立てられなかった傷は、火災保険で補償されるため、自分で修繕する必要はありません。

具体的な不測かつ突発的な事故は、以下のようなケースが挙げられます。

  • 子どもがおもちゃを投げて傷を付けた
  • 家具を動かして傷がついた
  • うっかり物を落してしまった

上記のケースは日常的に発生する可能性が高く、本来借主の負担で修繕しなければいけません。

しかし、借家人賠償責任の特約がある火災保険に入っており、入居者が修繕義務を負う契約になっていれば、修繕費用を負担しなくてもよい場合があります。

賃貸のフローリングの傷を修繕する際の費用相場

ここでは、賃貸のフローリングの傷を修繕する際の費用相場について紹介します。

フローリングの傷の部分補修費用の相場

フローリングの傷の修繕費用の相場は、部分補修で5,000円〜6万円程度です。
部分補修とは、傷がある箇所を専用の道具を使って補修する工事です。
傷の範囲や程度によって費用も大きく異なり、修繕する業者によっても違いがあります。

一方、部分補修で修繕できないほどの傷や破損があった場合、既存のフローリングをはがして新しいものに張り替えなければいけません。

張り替え費用は、部分修理より割高になります。
次に、張り替え費用の相場について詳しく紹介します。

張替え費用の相場

部屋全体のフローリングを張替えする場合、おおよそ8万円〜30万円近い費用がかかります。
以下の表は、部屋の広さ別張り替え費用の目安です。

素材 4.5畳 6畳 8畳
複合フローリング 約8万円~12万円 約11万5,000円~16万5,000円 約15万円~21万5,000円
防音フローリング 約11万5,000円~16万円 約16万5,000円~21万5,000円 約21万5,000円~30万円
無垢材のフローリング 約10万5,000円~15万5,000円 約15万円~22万円 約19万5,000円~29万円

一般的な賃貸物件は、複合フローリングが用いられていますが、近年では防音フローリングや無垢材フローリングも使われます。

フローリングの材質によって張り替え費用は異なるため、事前に確認しておきましょう。

賃貸のフローリングに傷がつくのを予防する方法


ここでは、賃貸のフローリングに傷がつくのを予防する方法を紹介します。

傷ができる原因を知っておく

傷が付くのを防ぐためには、まずは傷ができる原因を知っておきましょう
傷ができる原因には、主に以下のような項目が挙げられます。

  • 物を落した
  • 家具を動かした
  • 子どもがおもちゃを投げた
  • ペットが床を引っかいた
  • キャスター付きのイスを動かした

どれも一般的な家庭でよくあるケースですが、注意しながら生活出来ていない方も多いでしょう。

まずは原因をしっかり把握し、どのような対策があるのかを理解する必要があります。

傷がつくのを防ぐ方法

フローリングに傷がつかないようにするためには、事前にカバーしておくとよいでしょう。
具体的には、以下のような方法があります。

  • フローリング全体にカーペットを敷く
  • 家具の足にフエルトパットを貼る
  • 棚に重い荷物を置かない
  • 子どもが遊ぶ場所にジョイントマットを敷く

フローリングにカーペットなどを敷いておけば、カーペットがクッションとなり、傷が付くのを防げます。

しかし、全体的に敷くとなると、コストが高くなり、夏場は暑く感じてしまうでしょう。
難しい場合は、必要な部分だけにカーペットやジョイントマットなどを敷く方法をおすすめします。

また、家具の足をカバーするフエルトパットを貼る、落下する可能性がある物は棚などに置かないようにするなどの対策があります。

入居前にある傷をチェックする

入居前にある傷をチェックしておけば、退去時にその部分の修繕費用を請求される可能性がなくなります

最初からあった傷の修繕費用まで請求された場合、当然だと納得できる人はいないでしょう。
しかし、誤って修繕費用に含まれているケースもあります。

口頭で最初からあった傷と伝えても、認めてもらうのは難しいため、入居時に傷のチェックを行い、不動産会社と共有しておきましょう。

近年では、不動産会社が入居時に借主へ「物件状況のチェックリスト」を渡してくれます。
入居時にあった傷をチェックし、不動産会社へ返却する流れです。
チェックリストがあれば、最初からあった傷であると証明できるため、活用しましょう。

不動産会社から渡されない場合、原状回復をめぐるトラブルとガイドラインにチェックリストのひな形があります。
不動産会社から渡されないからという理由で使わない方も多いですが、退去時に不当な請求を防ぐためには必須です。

写真と一緒にチェックリストを2枚用意し、1枚を不動産会社へ渡しておきましょう。
チェックリストがあれば、退去時の修繕費用の適合性を確認できます。

まとめ

賃貸のフローリングの傷は、入居者の故意や不注意でついた傷ではければ貸主負担となります。

また修繕費用は、フローリングの傷の状況によって異なりますが、張り替えとなると入居者が高い費用を支払う必要があるため、注意が必要です。

カーペットやジョイントマットなどで床を保護し、重い物は落下する可能性がある場所に置かないなどの対策をしましょう。

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