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<円安・物価高騰による経営への影響実態調査(第1回)>を実施
経営者の3割が「円安などの影響でコストが高騰し、利益が減少した」と回答。4割が、今後「値上げ」を予定!
ベンチャーサポート税理士法人(会社設立 完全ガイド:https://vs-group.jp/tax/startup/ https://vs-group.jp/zei/)を運営するベンチャーサポートグループ株式会社(渋谷区、グループ総代表 中村 真一郎 https://vs-group.jp/)は、「円安・物価高騰による経営への影響」に関する実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。
<円安・物価高騰による経営への影響に関する調査結果トピックス>
- 経営者の3割が、円安・物価上昇によるコスト高騰によって利益が減少したと回答した
- 今後の対策として、仕入先との価格交渉や節電などの経費削減だけでなく、「値上げ」を予定している経営者が4割にのぼった
<調査概要>
- 調査方法:ゼネラルリサーチ株式会社のモニターを利用したWEBアンケート方式で実施
- 調査の対象:ゼネラルリサーチ社登録モニターのうち、全国の経営者を対象に実施
- 有効回答数:1,003人
- 調査実施期間:2022年12月23日(金)~2022年12月24日(土)
業種・従業員数・年商(今回の調査対象者の内訳)
全国の経営者、男女1,003人を対象に調査を実施。
■業種内容について
「製造業(14.0%)」「建設業(13.5%)」「不動産業(10.4%)」「企業向けサービス業(9.4%)」「情報通信業(8.6%)」「医療・福祉(7.6%)」「卸売業(6.5%)」「個人向けサービス業(6.2%)」「小売業(5.6%)」「金融業(4.1%)」「運輸業(4.0%)」「飲食店・宿泊業(3.4%)」「教育関連業(2.1%)」「その他(4.6%)」
■従業員数について
「9人以下(40.9%)」「10人~49人(25.7%)」「50人~99人(9.5%)」「100人~499人(12.5%)」「500人~999人(5.9%)」「1,000人以上(5.5%)」
■年商について
「500万円未満(2.9%)」「500万円以上~1,000万円未満(6.6%)」「1,000万円以上~3,000万円未満(13.5%)」「3,000万円以上~5,000万円未満(12.2%)」「5,000万円以上~1億円未満(14.9%)」「1億円以上~5億円未満(23.7%)」「5億円以上(26.2%)」
経営者の3割が、円安・物価上昇によるコスト高騰によって利益が減少したと回答した。
今後の対策として「値上げ」を予定しているという回答が最多に
2022年は、歴史的な円安や物価高騰となり、消費者へ影響を与えた。
そこで、経営への影響について調査を行った。
「円安・物価上昇による経営への影響はありますか?(複数回答可)」と質問したところ、「コスト高騰により、利益が減少した」と回答した人は、30.9%と最多であった。
「影響はない」と回答した経営者が27.9%となった。一方で、3割以上の企業は、円安などの影響で利益が減少していることがわかった。
このような状況を踏まえ、より収益力を高めるために、現在どのような取り組みを行っているのか聞いたところ、
- 単価を上げるためにセットのものを充実させている。食品ロスを出さないように気をつけている(30代/女性/飲食店・宿泊業/東京都)
- 取引先に対して値上げの理解と営業力の強化に努めている(40代/男性/ガス事業/長崎県)
- 生産効率の改善や人員配置の見直し、原材料および仕入先の変更(50代/男性/製造業/岩手県)
- 固定経費、流動経費の見直し、勤務体制の改革、新規顧客の開拓など(50代/男性/運輸業/埼玉県)
などの回答が得られた。
さらに、今後の方針として、どのように考えているのか、「円安・物価上昇に伴い、今後、実施予定の内容はありますか?(複数回答可)」と質問したところ、「コストを販売価格に転嫁(値上げ)(40.5%)」と回答した人が最も多く、次いで「仕入先との価格交渉(26.8%)」「節電などによる経費削減(25.5%)」と続く結果となった。
【まとめ】
円安・物価上昇の影響により、3割の企業で「利益が減少している」ことが明らかに!
今後、値上げを予定している経営者も少なくない
2022年は歴史的な円安、物価上昇が続いたことから、3割以上が「コスト高騰によって利益が減少した」と回答した。
現在、仕入先の変更や価格交渉、効率改善や経費削減などの取り組みを行っているようだが、今後「コストを販売価格に転嫁(値上げ)」を予定していると回答した人が4割以上にのぼった。
値上げは客離れの懸念もあるが、今後も物価高が続けば、コストを販売価格に転嫁する以外の対策では、経営を維持することは難しいと考える経営者が増えていく可能性がある。
専門家からのアドバイス
「値上げラッシュが続く中、賃上げはされる?厚生労働省調査で5年ぶりの賃上げ率上昇へ」
円安や物価上昇の影響でコストが高騰する中で、販売価格に転嫁し、利益を確保しようとする動きが拡大しています。
このような動きが広がれば、様々なモノの価格が上昇するため、それに対応した従業員の賃上げを検討する経営者もいることでしょう。
ファーストリテイリングが実施した賃上げなど、実例をご紹介しながら解説します。
経団連基本方針で 「基本給引き上げ 前向きに検討を」と呼びかけ
経団連は、春闘の交渉が本格的に始まる前に、経営側の指針となる今年の基本方針を公表しました。
この基本方針で経団連は、最近の物価上昇を踏まえ、幅広い企業に対してベースアップを検討するように求めています。
基本方針では、「さまざまな考慮要素のうち『物価動向』を特に重視しながら、企業の社会的責務として賃金引き上げのモメンタムの維持・強化に向けた積極的な対応を呼びかけていく」と、賃上げの必要性を訴えると同時に、賃上げを行うことは企業の社会的責務であるとしています。
そして、「賃金の引き上げではベースアップも含め、ベースアップの目的や役割を再確認し、前向きに検討することが望まれる」として、賞与・一時金など自社に適した方法での前向きな検討・実施を求めています。
なお、国内の労働者のうち中小企業で働く人は、全体の約7割を占めます。
このような人たちの賃上げが行われなければ、日本全体での賃上げの機運は高まりません。
そこで経団連としては、中小企業との取引が物価の変動を反映した適正な価格となるよう、環境整備を進めていくとしています。
【厚生労働省令和4年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況】5年ぶりの上昇
2022(令和4)年に実施された、賃金の引き上げに関する厚生労働省の調査によれば、2022年中に賃金の改定を実施したあるいは予定している企業及び賃金の改定を実施しない企業の、1人平均賃金の改定率が+1.9%になりました。
賃金改定率が前年と比べて上昇したのは、実に5年ぶりという結果となりました。
ファーストリテイリングの大幅賃上げ、狙いは?
衣料品店の「ユニクロ」などを運営するファーストリテイリングは、2023年3月より、日本国内のおよそ8,400人の従業員の年収を、数%〜約40%引き上げることを発表しました。
具体的には、新入社員の初任給がこれまでの月25万5,000円から30万円となり、年収で約18%上昇します。
また、入社1〜2年目で就任する新人店長の場合、これまでの月29万円から39万円となり、年収で約36%上昇するとされています。
従来から、持株会社であるファーストリテイリングの賃金は高水準にあり、2022年に公表された数値では、従業員の平均年収は959万円となっています。
ただし、現状の日本では高水準にあるといえる賃金であっても、海外の企業と比べて格差があれば、優秀な人材は他のライバル企業に流出してしまいます。
海外での事業展開を進めるファーストリテイリングにとって、ZARAを運営するインディテックスやH&Mなどの海外企業がライバルとなります。
今回のファーストリテイリングの賃上げは、日本国内の物価高騰への対応だけではなく、グローバルに優秀な人材を確保することにあるといわれます。
このようなグローバル水準を目指した賃上げを行う企業はこれからも現れる可能性があります。
この動きが広がれば、日本国内で優秀な人材を確保するために、賃上げを検討する動きはますます広がるものと思われます。
さいごに
賃上げを行うことは、企業にとっては大きな負担となるため、どうしても二の足を踏んでしまいます。
しかし、賃上げによるメリットも大きいため、重要なのは賃上げのタイミングや上げ幅となります。
ベンチャーサポートでは、経営者に迫られる難しい経営判断について、経営状況に基づく助言やサポートをしています。
どのようなことでも、お気軽にご相談ください。