最終更新日:2023/3/13
カフェを開業したい!必要な資格・免許や成功のコツを徹底解説
この記事でわかること
- カフェの開業方法・開業の仕方がわかる
- カフェの開業に必須な資格・免許やその取得方法がわかる
- カフェの開業に必要な資金の目安がわかる
慌ただしい日常に、一時の安らぎや潤いを与えてくれるカフェ。
いつかは開業してみたいと感じている方も多いのではないでしょうか。
カフェを開くには特別な資格は必要ありません。
小規模な店舗で営業するのなら、役所などへの申請も少なくて済みます。
しかしながら、開業するには資金が必要ですし、開業までに取得しておくべき資格や免許などを把握しておかなければなりません。
この記事では、カフェを開くにはどうしたら良いの?」という方に向けて、カフェの開業に必要な資格・免許、資金の目安について紹介します。
また、カフェではアルコールを提供することもできますが、その際に必要な資格や届け出などについても、併せて紹介します。
目次
カフェを開くにはどうすればいい?開き方は?
自分でカフェのお店を持ちたいという人が、実際にお店を持つにはどうしたらいいのでしょうか。
どのような開業方法があり、何をするといいのか、その具体的な方法をご紹介します。
フランチャイズで開業する
カフェを開くときにまず考えるといいのが、フランチャイズで開業する方法です。
フランチャイズとは飲食店やサービス業など、多くの店舗を運営するフランチャイズ本部と加盟を希望する個人や法人が契約し、その名前で店舗を開業することです。
開業直後から知名度の高い店舗の名称を使って、お店を開業することができるため、集客しやすい方法といえます。
一方で、加盟した人はフランチャイズ本部にロイヤリティーを支払う必要があります。
社員・雇われ店長で働く
自分のお店を持ちたいと思っても、実際に店舗を開業したり運営していくのは大変です。
そこで、社員や雇われ店長としてカフェの責任者になるという方法があります。
店長とはいっても立場は従業員であるため、自身で資金を出したりする必要はありません。
ただ、店長としての責任が発生するため、単にカフェで働いているのとは違います。
また、会社の指示で動かなければならず、まったく自分のやりたいようにできるわけではない点も注意が必要です。
カフェのスクール・開業の学校に通う
カフェを自分で開業するためには、店舗の運営や料理・飲み物のメニューの開発や作り方に関するノウハウが必要です。
しかし、そのような経験は簡単に積めるわけではありません。
そこで、カフェの開業を希望する人のためのスクールに通うことができます。
スクールは夜間に開講しているものもあり、今の仕事をつづけながら、将来の夢のためのノウハウを身に付けることができます。
スクールでカフェの開業や経営に関するノウハウを身に付ければ、自身で開業するための近道となります。
コンサルティングを依頼する
個人で店舗を開いた場合、様々なノウハウを持っている人であっても、自身の知識や経験で得られるものには限界があります。
そこで、カフェや飲食店の経営コンサルタントに、店舗の運営やメニューなどのコンサルティングを依頼することができます。
その店舗の状況に合わせたアドバイスを受けることができ、欠点を補う形でより良い店舗の運営ができます。
一方、コンサルタントによって能力や経験に差があり、その効果がどの程度発揮されるか分からないこと、店舗の業績に責任を持ってくれるわけではないことに注意が必要です。
カフェを開くために必要な資格・免許
カフェを開くには、食品衛生に関する資格が必要で、客席が30人以上になる場合は防災管理についての資格も必要です。
これらの飲食店に共通する資格を取得していれば、ほかに特別な資格・飲食店での勤務経験は必要ありません。
なお、カフェ開業に必須の資格ではありませんが、民間レベルの団体が独自に定めているバリスタなどの資格があれば独自性をアピールできます。
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、すべての飲食店を開業する際に必ず取得しなければならない資格です。
おもに食品の衛生管理に関する知識を学び、店舗で事故が発生しないようにするものです。
各都道府県の食品衛生協会が開催する講習を受講することで、資格を取得することができます。
カフェの開業を決めた場合は、できるだけ早く食品衛生責任者の講習を受講する必要があります。
なお、受講料は1万円程度かかります。
管理栄養士や調理師、あるいは製菓衛生師などの資格を持っている場合は、講習の受講は必要なく、申請すれば食品衛生責任者となることができます。
取得方法 | 都道府県の食品衛生協会が開催する講習(衛生法規、公衆衛生学、食品衛生学など計6時間)を受講する |
---|---|
取得にかかる費用 | 1万円程度 |
防火管理者
防火管理者は、収容人数が30人以上の飲食店を開業するために必要な資格です。
客数と従業員数をあわせた収容人数が30人以上となる場合、防火管理業務を行う責任者として設置しなければなりません。
防火管理者の資格を取得するには、日本防火・防災協会が各都道府県で実施する講習を受講します。
消防署で講習が実施されていることもあり、この講習でも防火管理者の資格を取得できます。
防火管理士の資格には、甲種と乙種の2種類があります。
甲種は店舗の面積が300㎡以上の場合に必要となり、2日間にわたって計10時間の講習が実施されます。
一方、乙種は店舗の面積が300㎡未満の場合に必要で、約5時間の講習が1日で実施されます。
防火管理者の資格を取得するためには、およそ7,000円の費用がかかります。
取得方法 | 日本防火・防災協会が開催している講習(甲種の場合は2日、乙種の場合は1日実施される)を受講する |
---|---|
取得にかかる費用 | 7,000円程度 |
飲食店営業許可申請
資格ではないものの、飲食店を開業する際には、必ず「飲食店営業許可申請」を管轄の保健所に提出しなければなりません。
ただ書類を保健所に提出すればいいというわけではなく、保健所の許可を得る必要があるため、申請を行う前に保健所に事前相談しておくと、その後の手続きがスムーズに進みます。
調理場や洗い場、空調などの店舗の設備が要件に合致している必要があるため、店舗の着工前に相談するのが良いでしょう。
工事が完了したら保健所の担当者の検査を受け、要件を満たせば飲食店営業許可を受けることができます。
菓子製造業許可証明
パンや焼菓子などをテイクアウトで提供すると、飲食店営業許可とは別に「菓子製造業許可申請」が必要になる場合があります。
菓子製造業許可が必要になると、厨房を密室にするための工事をしなければなりません。
そのため、店舗の開業にかかる工事費用が通常のカフェより高くなってしまいます。
ただし、カフェとして開業する場合は菓子製造業許可が不要なケースが多く、そのための工事も必要ありません。
そのため、事前に保健所で菓子製造業許可が必要になるか、確認しておくようにしましょう。
アルコールを提供する場合に特別な資格は不要
カフェでアルコールを提供する場合、特別な資格は必要ありません。
ただし、深夜0時以降にアルコールを提供する場合は、警察署へ「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」を提出しなければなりません。
なお、深夜0時以降に酒類を提供する場合でも、主に提供するものが食事で、飲酒が主な目的ではない飲食店については、この届け出は必要ありません。
また、「接待」行為を伴う場合は、「風俗営業許可」を申請する必要もあります。
カフェの開業に必要な資金
カフェを開くには資金が必要ですが、その必要額は、店舗をどう調達するか、どこまでこだわるかによって大きく差が出ます。
カフェを開くための必要額の目安
住宅街に近い人通りの多い地域に、10坪のカフェを居抜きで開業するケースを想定してみましょう。
居抜き物件の設備をそのまま利用するケースであれば、10坪程度のカフェを開くには500万円程度の資金が必要になります。
カフェの開業資金を抑える方法
以下のような方法で開業資金を抑えることができます。
- 居抜きの物件で開業する
- 内装工事を業者に頼まない
- 厨房設備などは中古を購入する
- 助成金や補助金を活用する
以前に飲食店として使われたままの店舗であれば、厨房や客席などをそのまま利用することができ、出費をかなり抑えることができます。
また内装工事が必要になる時は、できるだけ自身や協力者と一緒に行い、業者に依頼するのは必要最低限にできるようにしましょう。
厨房設備などの機器は中古市場が充実しています。
そこで、必要な厨房機器はできるだけ中古で購入し、出費を抑えるようにするのがおすすめです。
新規事業の開業にあたっては、自治体などの補助金・助成金が受けられることがあるため、常に情報を入手するようにしましょう。
まとめ
居抜き物件を利用して10坪程度のカフェを開くには、500〜600万円程度の資金が必要になります。
資金があるのなら「食品衛生責任者」資格を取得しておけば、「飲食店営業許可申請」手続きだけでカフェを開業できます。
このように、資金の目途が付けば簡単にカフェを開業することができ、コーヒーの香りやBGMに囲まれて幸せな人生を過ごすことができそうです。
しかしながら、漫然と営業していたのでは、たちまち経営に行き詰まってしまうリスクがあります。
コンセプトや事業計画をしっかり練り上げ、特色を前面に出して他店との差別化を図り、リピーターを確保できる経営を目指すことが大切です。
開業に必須ではないものの、調理師免許や栄養士などの資格を取得すれば、経営の可能性を広げることができるメリットがあります。
たとえば、資格者としての味付けや健康に配慮したメニューなどをアピールすれば、客足を伸ばせることは間違いありません。