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最終更新日:2022/6/9

調査報告書とは?作成時の注意点や書き方のコツを例文付きで解説

税理士 鳥川拓哉
この記事の執筆者 税理士 鳥川拓哉

ベンチャーサポート税理士法人 税理士。
大学を卒業後、他業種で働きながら税理士を志し科目を取得。
その後大手税理士法人を経験し、現在に至る。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-tori

この記事でわかること

  • 調査報告書をどのような場合に作成するのかを知ることができる
  • 調査報告書を作成する際のコツや記載事項について知ることができる
  • 調査報告書を作成する際にどのような点に注意すべきかがわかる

様々な形で指定された事項の調査を行い、その内容を報告することがあります。

このような場合は調査報告書を作成し、その依頼主に報告することが一般的でしょう。

この時、調査報告書には、どのような事項を記載する必要があるのでしょうか。

また、調査報告書の作成上、どのような点に注意して作成する必要があるのでしょうか。

調査報告書とは

調査報告書とは、調査を依頼された事項の調査結果をまとめた書類のことです。

調査の内容は様々であり、市場調査やマーケティングリサーチ、取引相手の信用調査などが一般的によく行われます。

市場調査の場合、依頼者の業種に応じて土地や建物などの不動産、特定の商品などの価格や売れ行きなどを調査します。

また、信用情報を調査する場合は、支払い能力や決算の状況などを調査することとなります。

調査の内容の他、分析を行った結果もあわせて報告することとなります。

調査報告書を書くコツ

調査報告書は、業務上作成する報告書とは異なる書類です。

そのため、依頼者の要望に沿って、作成上のポイントを抑えた文書を作成しなければなりません。

ここでは、調査報告書を作成する際のコツをご紹介します。

5W1Hに1Hを加えて記載する

業務上の文書を作成する際には、5W1Hを明確にして記載することが基本とされています。

5W1Hとは、いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、どのように(How)のことです。

これらを文書で明らかにすることは報告書の基本であり、曖昧にしてはいけません。

そのために調査報告書を作成する際には、5W1Hを明らかにする必要があります。

ただ、調査報告書を作成する際には、これに加えて「いくら」や「いくつ」(How many)という要素が不可欠です。

この「How many」という要素が漏れることのないよう、5W2Hを意識した記述をしなければなりません。

客観的に事実と分析を記載する

調査報告書の内容は、調査の内容にもとづいて事実を記載する部分と、結果を分析した結果、その対策を述べる部分に分かれます。

このうち、事実を述べる場合には調査した事実を記載する他、裏付け資料などがあればその資料も一緒にしておきます。

また、対策案を述べる場合は個人的な感想や見解を述べるのではなく、客観的な内容でなければなりません。

客観的な内容を簡潔にまとめて、わかりやすい言葉で記述するようにしましょう。

【例文付】調査報告書の項目・書き方

前述したように、調査報告書は調査依頼にもとづいて行った調査の結果を報告するために、依頼主に提出されます。

依頼主に報告するために、様々な項目を記載しなければなりません。

ここでは、調査報告書に記載する項目や、その記載方法について解説していきます。

調査の趣旨・目的

依頼主から、どのような依頼があったのかを記載します。

具体的には、調査を行うにあたっての社会の状況や、依頼主を取り巻く環境を記載します。

そして、どのような問題意識があるのか、あるいはどのような影響が出ているのかを述べます。

何が知りたくて、何を調査するのかを簡潔に記述します。

記載例

新たに○○という新商品を販売して3か月程度経過しています。
この商品が一般消費者にどの程度認知され、実際に購入されているのかを調査します。
特に、コロナ禍による影響をどの程度受けているのかを重点的に調査し、その影響を分析します。

調査方法

実際にどのような方法で調査を実施したのかを記載します。

調査の方法には、アンケートや売上データの解析、あるいはインターネットによる調査などがあります。

調査を実施した時期やその対象者なども記載し、どのような調査にもとづく結果なのかをわかるようにしておきます。

記載例

期間:2021年10月1日~10月10日
調査対象者:20~70代の男女1500人
方法:インターネットによるアンケート

調査結果の要約

依頼主の依頼にもとづく調査を行い、どのような結果が出たのか、その内容を要約して記載します。

詳細な結果報告を行う前に、調査のおおよその結果を報告し、報告全体の流れを知っておいてもらうのです。

詳細な内容は後ほど記載するため、できるだけ簡潔に、結論をわかりやすく記載します。

あまり長文にならないように注意しましょう。

記載例

新商品「○○」については、全体の8割程度の人がその名前を知っている一方で、実際に購入したことのある人は、全体の1割以下という結果になりました。
多くの人は、既存の商品との違いがわからない、あるいはこれまで使ってきた商品から新商品に乗り替える理由がないとしています。
そのため、これまでの商品との違いをアピールし、どのような特徴があるのかを広く知ってもらう必要があるでしょう。

詳細な調査結果

要約に続いて、詳細な調査結果を記載します。

この部分が調査報告書の最も重要な部分であり、依頼者の求めるものとなります。

ただ、詳細な報告をするからといってダラダラと長文を続けては、非常にわかりにくい報告書となってしまいます。

そのため、ボリュームはありながらも、わかりやすい表現や言葉遣いを意識しなければなりません。

また、表やグラフを利用しながら、調査のポイントを可視化することも、相手に伝わる調査報告書を作成するには欠かせません。

調査内容が多岐にわたる場合は、その内容ごとに見出しをつけるなどして工夫しましょう。

記載例

1.「○○」をどの程度の人が知っているか
全体の78%の人が○○を知っていました。
知ったきっかけとして一番多いのは、テレビCM、次いで店頭陳列、インターネット広告の順となりました。
・・・
(この他、年代別・性別・地域別などで区分した結果を記載します)

2.「○○」をどの程度の人が購入したことがあるか
○○を購入したことがある人は、全体の9%でした。
・・・
(購入した人の年代や性別などの分布を記載します。また、購入したきっかけや理由、その後2回以上購入したのかも調査し、その結果を記載します)

3.「○○」を購入したことがないのはなぜか
○○を知っているにも関わらず、購入したことがない一番の理由は、普段別のものを使っているからでした。
次いで、・・・
(特に、知っているにもかかわらず購入しないのはなぜなのかを調査・分析し、その結果を記載します)

所感

所感は、調査した人の意見・見解を述べる箇所です。

ただ、あくまで客観的な視点からの見解でなければなりません

個人的な願望や評価とならないよう、注意する必要があります。

記載例

今回の調査で、○○を相当多くの人が知っていることがわかりました。
しかし、その一方で、知っていても必ずしも購入に結び付いていないこともわかりました。
○○の知名度はあるものの、その特徴がうまく消費者に伝わっていないことから、この点は今後の改善の余地があると思われます。

調査報告書を作成するときの注意点

最後に、調査報告書を作成する際の注意点を確認していきます。

全体を通して注意すべき点がいくつかあるため、常にこれらを意識しながら作成するようにしましょう。

わかりやすい言葉遣いを心掛ける

1つの文章が長くなったり、二重否定を多用したりすると、わかりにくい表現となってしまいます。

そのため、調査報告書の記述は、全体を通してわかりやすくなるようにしましょう。

専門用語は使わない

専門知識がある人の場合、その知識を生かして専門用語を多用してしまうことがあります。

しかし、専門知識がある人ほどわかりやすい言葉で説明することができるはずです。

できるだけ専門用語を使わずに、調査報告書を作成しなければなりません。

まとめ

調査報告書を作成する人は、その調査対象について専門知識や市場の動向に詳しい人です。

そして、調査を依頼する人は、その知識を生かしたいと考えているのです。

調査報告書を読んでいる人は、必ずしもその分野の専門家とは限らないことから、わかりやすい表現を心掛けなければなりません。

専門用語を並べた、自己満足のための報告書にならないように気を付けましょう。

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