最終更新日:2022/6/9
ヤフオクの利益・確定申告漏れが税務署にバレる理由【税務調査時の対応も解説】
ベンチャーサポート税理士法人 税理士。
大学を卒業後、他業種で働きながら税理士を志し科目を取得。
その後大手税理士法人を経験し、現在に至る。
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この記事でわかること
- ヤフオクの利益が申告漏れとなった場合に税務署にバレる理由がわかる
- ヤフオクでの取引に関して税務調査があった場合の対処法がわかる
- 確定申告をしなかった場合や計算ミスをした場合のペナルティがわかる
ヤフオクをはじめとするネット取引、ネットオークションの取引、一般的なものになり、その利用が広がっています。
しかし、利用者の中には、ヤフオクで商品が売れたにもかかわらず、その申告を適正に行っていない人もいます。
そこで、ヤフオクで商品を売却した人が申告をしなかった場合、どうしてそのことが税務署にバレるのか解説します。
また、申告漏れなどが指摘された場合、どのようなペナルティが課されるのかもあわせて解説します。
目次
ヤフオク利益の確定申告漏れが税務署にバレる理由
ヤフオクを利用して収益を上げている人の中には、申告しなくたって税務署にはバレないと思い込んでいる方もいるかもしれません。
しかし、税務署は、様々な方法でヤフオクでの取引についての情報収集を行っており、申告漏れを把握しているのです。
税務署には専門の調査官がいる
ヤフオクだけの話ではありませんが、税務署には「情報技術専門官」と呼ばれるネットビジネス関係の専門家がいます。
この情報技術専門官は、日夜、ネットビジネスに関する情報収集や調査を行っています。
なお、ネット上の取引であればバレにくいだろうと思っているかもしれませんが、実際はまったく逆です。
税務署が一番実態をつかみにくいのは現金取引です。
ネットビジネスのように現金決済を行わず、取引履歴が残るものは、調査さえ行えば簡単に実態を知ることができるのです。
ヤフオクのサイトから情報収集を行う
ヤフオクの利用者は膨大な数となるため、その1人1人を調べるのは大変な作業です。
そこで、サイトの運営者から情報を収集して、その利用者の状況を把握する方法があります。
具体的には、運営者に対して出品者から支払われる手数料について調査するのです。
このように、取引の一方の調査からその相手方の調査を行うことを反面調査といい、税務署はよく行っています。
運営者からの情報をもとに、出品者が確定申告を行っているかの反面調査を行えば無申告となっている人をあぶりだせるのです。
実際にヤフオクを利用したりブログをチェックしたりする
どうしても出品者の正確な情報が得られないような場合には、その出品者から商品を購入することもあります。
こうすれば、誰から商品を購入し、どこから送られてきたのかなどを知ることができるためです。
また、ヤフオクの出品者と思われるブログに書かれた内容をチェックしています。
ブログの記事の中には、ヤフオクで売却して莫大な利益を得たとする内容が書かれているかもしれません。
このような記事を手がかりに、申告漏れがないかをチェックしているのです。
ヤフオク利益に関して税務調査が入ったときの対処法
ヤフオクで商品を売却したのに、その確定申告をしていない場合、税務調査が行われる可能性があります。
税務調査が入った場合、どのような対処を行う必要があるのか、その対処法のいくつかをご紹介します。
申告漏れ自体は認めざるを得ない
税務署が税務調査に来る場合、いきなり自宅に調査官が押しかけてくるわけではありません。
事前にいつ、どこに訪問するのかなどを打ち合わせしておき、その時間に合わせてやってきます。
また、いきなり自宅の押し入れや机の中をひっくり返すというわけではないため、ビクビクする必要はありません。
ただ、税務署から税務調査の連絡があった時点で、すでに税務署では申告漏れを把握している可能性は高いでしょう。
税務署に対して虚偽の説明は論外ですし、何も知らなかったでは通用しないということを覚えておく必要があります。
情報提供は拒まない
何らかの確信をもって調査が行われている可能性が高いのであれば、税務署から求められた情報はこちらから提供します。
また、仮に情報の提供ができない場合は、どういった理由でできないのかを説明しなければなりません。
なお、本来、納税者は申告に関する資料や書類を保存しておく義務があります。
特に、経費として計上した支払いに関する領収書や請求書などの書類は、その原本が必要となります。
税務調査の際にも、領収書などがあれば経費として計上することが認められますが、なければ経費は計上できません。
そのため、ヤフオクでの取引に関する書類は、紛失しないように保管しておく必要があるのです。
調査官への対応は丁寧に
税務署からやってくる調査官は、現地調査での進捗状況を逐一上司に報告しています。
納税者が丁寧な対応をしているのであれば、調査官サイドもそれほど不信感を抱くことはないでしょう。
しかし、税務調査への対応がいい加減な場合は、調査対象年数が増加したり、経費の許容範囲が狭まったりするかもしれません。
調査官のご機嫌取りをする必要はありませんが、口調や態度は丁寧に、あくまでビジネスライクに行いましょう。
困った場合は税理士に依頼する
税務調査を受けることは、ほとんどの人にとっては初めての経験となるはずです。
そのため、どのような対応をしたらいいのかわからないのではないでしょうか。
実際、税務調査での現場での雰囲気や調査の状況によって調査官の対応も千差万別で、正解はありません。
そのため、どのような対処をしたらいいのかわからない場合は、税理士に立ち合いを依頼するのが望ましいでしょう。
確定申告のミス・漏れがあったときのペナルティ
ヤフオクでの売買の計算ミスをしていた場合、あるいは申告をしていなかった場合、どのようなペナルティが課されるのでしょうか。
また、税金を納めすぎていた場合の対処法も含めて確認していきます。
確定申告で税額を少なく申告していた場合
確定申告で計算ミスをしていたため、納税額が少なくなっていた場合、税務調査で指摘を受けたり税務署から連絡があったりします。
この場合、修正申告を行うとともに、不足税額を納付しなければなりません。
また、不足税額に対して最大15%の過少申告加算税が課されます。
さらに、遅延利息に相当する延滞税の金額が発生することもあります。
確定申告をしていなかった場合
確定申告をしていなかった場合は、税務署からの連絡を受けて期限後申告となる確定申告を行うこととなります。
この場合、発生した税額に対して、最大20%の無申告加算税が課されることとなります。
また、税額を少なく申告した場合と同様、延滞税の金額が発生することとなります。
確定申告で税額を多く申告していた場合
経費の金額に集計漏れがあったなどの理由で、本来の所得金額が確定申告の金額より少なくなる場合があります。
この場合、税務署に更正の請求を行い、その請求が認められれば、納めすぎとなった税額が還付されます。
ただ、他のケースとは違い、税務署側から納めすぎとなっているという指摘を受けることはありません。
納税者自身が過去の申告の内容を確認し、自ら税務署に対して更正の請求を行う必要があるのです。
まとめ
ヤフオクで商品を売却して利益を得る人の中には、きちんと確定申告をしている人もいます。
しかし一方で、まったく申告していない人もいます。
もし、申告しなくても税務署から指摘を受けないのであれば、申告しないでいようと考える人もいるかもしれません。
しかし、申告漏れが指摘されれば、多額のペナルティを負担しなければなりません。
そのためヤフオクを利用した人は、必ず自らの確定申告義務について確認するようにしましょう。