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【税理士が作った経営者の教科書】 節税編 第3回「小規模企業共済」

森 健太郎

この記事の執筆者 税理士 森健太郎

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

小規模企業共済

ここからは小規模企業共済を使った節税についてご紹介します。

以前に役員報酬の額を最適化することが節税の王道であることをお伝えしました。

会社に利益が出そうなときは、役員報酬を上げることが節税の基本です。

しかし、役員報酬を上げてしまうと、個人の税金も増えてしまいます。

あちらを立てればこちらが立たず・・・。

そこでオススメなのが、「小規模企業共済」です。

「小規模企業共済」というのは、簡単に説明すると「社長自身の退職金の積み立て」です。

まず、毎月一定の掛け金を、国が運営する「中小企業基盤整備機構」に支払います。

この支払った掛け金は、個人の税金を計算するときに所得から控除することができます。

それも、年間84万円までなら全額控除です。

(毎月の掛け金は、月額1,000円~70,000円の範囲で選ぶことができます。ですので、最大で月額7万円×12ヶ月=84万円ということです。)

一般の生命保険が、いくら支払っても5万円しか控除できないのと比べると、節税に非常に有利です。

そして、将来、自分が社長を辞任するとき(退職時)には、「支払った金額+α」が解約返戻金として返ってきます。

この返って来た金額は、「退職金」として課税されるので税金が安くなるのです。

どれだけの節税になるか、具体的な例でご説明します。

例えば、月額100万円(年間1,200万円)の役員報酬を受け取っている社長が、月額7万円(年間84万円)の小規模企業共済を20年間支払ってきたとします。

月額7万円(年間84万円)の小規模企業共済に加入した場合、個人にかかる税金は、毎年約20万円安くなります。

これが20年間続くと、20万円×20年=400万円の節税。

毎月7万円を20年間支払い、社長を辞任したときの小規模企業共済の解約返戻金は約1,850万円なのですが、この1,850万円に対する税金は、退職金としての課税なので、約60万円で済みます。

つまり、結果として、400万円-60万円=340万円 もの節税ができるのです。

節税になる上に老後の生活資金にもなるという、一石二鳥の優れた節税です。

ちなみに掛金の減額も簡単にできます。

また掛けたお金の範囲内であれば貸付を受けることもできます。

非常に使い勝手の良い節税ですので、ぜひ一度検討してみてください。

 
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