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「相続税を資産運用で取り戻す」という考え方-社長のための資産形成戦略Vol42
この記事の執筆者 税理士 森健太郎
ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック
相続税を資産運用で取り戻す
ここまで相続税の節税方法について説明してきました。
「相続が三代続けば財産がなくなる」という言葉があるように、相続税を甘く見てはいけません。
日本は他国に例を見ない少子高齢化に直面していますから、今後さらに相続税が増税となることも十分に考えられます。
そこで、節税とは別の観点からの相続税対策をお伝えしたいと思います。
成長する見込みのある資産を相続する
説明したように、相続税は相続開始時点の財産を基準に課されるものです。
その財産の中には、相続後に値上がりするものもあれば、値下がりするものもあるでしょう。
ということは、将来的に値上がりするものを相続すれば、いずれ相続税の負担分を回収できるということです。
「投資には絶対公式がある?ポイントとなる3つの要素-社長のための資産形成戦略Vol20」では、金融のマーケットでは10年、20年の長期運用で無理なく財産を2倍、3倍にできるとお話ししました。
したがって、たとえば相続財産に含まれる投資信託が2倍、3倍と値上がりしていくのであれば、相続税の負担が帳消しになる可能性があります。
もちろん、どれくらいのリターンが得られるかは不確実ですが、相続税を取り戻すためにも、相続後も引き続き資産運用は継続したほうがいいのです。
実際は、投資信託は相続すると解約されるケースが少なくありません、これは相続人が資産運用のしくみを理解していないことが理由と考えられます。
投資の絶対公式を理解していれば、解約は本当に最終段階だということがわかるはずです。
もちろん、いずれ値下がりする資産であれば早く解約して損切りをするべきですが、それでも解約するタイミングは慎重に考えなくてはいけません。
できれば、リターンを期待できる投資信託に乗り換えたほうがいいでしょう。
成長する見込みのある資産を引き継ぎ、子孫もその資産の運用を続けていけば、複利の効果で大きく成長させられます。
これがうまくいけば、社長が残した財産が種となって、遠い子孫まで繁栄が続くかもしれません。
そういった意味で、資産を残すことに加えて、「資産の増やし方」を伝えることも大切なのです。
▼社長のための資産形成戦略 シリーズ
- Vol1 社長のための資産形成戦略-【社長の資産運用】成功・失敗を分けるものとは
- Vol2 社長のための資産形成戦略-「社長」という人生。架空のストーリーから見る失敗ポイント①ガムシャラ期
- Vol3 社長のための資産形成戦略-「社長」という人生。架空のストーリーから見る失敗ポイント②成熟期
- Vol4 社長のための資産形成戦略-「社長」という人生。架空のストーリーから見る失敗ポイント③リタイア期
- Vol5 社長のための資産形成戦略-「社長」という人生。理想的なゴールとは
- Vol6 社長のための資産形成戦略-パーソナルファイナンスとは?3つのポイントから資金繰りの戦略を考える
- Vol7 社長のための資産形成戦略-創業期は「生き残り」を最優先に!キャッシュを手元に残すためにできること
- Vol8 社長のための資産形成戦略-儲かる前に対策を!創業期にやってはいけない節税方法
- Vol9 社長のための資産形成戦略-創業期の王道的節税(1)役員報酬最適化
- Vol10 社長のための資産形成戦略-創業期の王道的節税(2)旅費日当の活用
- Vol11 社長のための資産形成戦略-創業期の王道的節税(3)社宅の家賃を経費に
- Vol12 社長のための資産形成戦略-利益が出た後ではもう遅い?創業期から税理士と顧問契約するメリット
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