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社長引退の選択肢(3)会社清算-社長のための資産形成戦略Vol36
ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック
③会社清算 会社を清算すると多額の税金がかかる
会社を退くときの3つめの選択肢である清算について説明しておきます。
会社を清算するときは、会社の解散登記を行ったうえで、会社の清算手続きを行います。
このとき、会社の借金を返済しても財産が残る場合、その財産は株主に分配されます。
注意したいのは、この分配金に対して課税される可能性があるという点です。
分配金にかかる税金
社長が創業時などに出資した金額は、資本金として会社の帳簿に記録されています。
その資本金の金額までであれば、分配を受けても税金はかかりません。
しかし、この資本金を超える金額の分配金を受けると、「みなし配当」として配当所得の扱いとなり、所得税や住民税がかかります。
会社を清算するまでに着実に利益を積み重ねてきたのであれば、みなし配当が億単位になることも考えられます。
すると、所得税は最高税率の45%が適用され、住民税と合わせると税率は55%に上ります。
実に半分以上が税金として取られる計算です。
このような事態を防ぐには、やはり清算よりもM&Aをを選ぶべきと考えられます。
M&Aを行う場合、株式の売却益に対して税金がかかりますが、税率は一律で約20%で済みます。
会社を退くときは、安易に清算を行うのではなく、事業承継やM&Aをも選択肢として考え、最適なプランを実行するようにしましょう。
▼社長のための資産形成戦略 シリーズ
- Vol1 社長のための資産形成戦略-【社長の資産運用】成功・失敗を分けるものとは
- Vol2 社長のための資産形成戦略-「社長」という人生。架空のストーリーから見る失敗ポイント①ガムシャラ期
- Vol3 社長のための資産形成戦略-「社長」という人生。架空のストーリーから見る失敗ポイント②成熟期
- Vol4 社長のための資産形成戦略-「社長」という人生。架空のストーリーから見る失敗ポイント③リタイア期
- Vol5 社長のための資産形成戦略-「社長」という人生。理想的なゴールとは
- Vol6 社長のための資産形成戦略-パーソナルファイナンスとは?3つのポイントから資金繰りの戦略を考える
- Vol7 社長のための資産形成戦略-創業期は「生き残り」を最優先に!キャッシュを手元に残すためにできること
- Vol8 社長のための資産形成戦略-儲かる前に対策を!創業期にやってはいけない節税方法
- Vol9 社長のための資産形成戦略-創業期の王道的節税(1)役員報酬最適化
- Vol10 社長のための資産形成戦略-創業期の王道的節税(2)旅費日当の活用
- Vol11 社長のための資産形成戦略-創業期の王道的節税(3)社宅の家賃を経費に
- Vol12 社長のための資産形成戦略-利益が出た後ではもう遅い?創業期から税理士と顧問契約するメリット
- Vol13 社長のための資産形成戦略-成長期の節税は攻守のバランスがカギ!攻めの節税対策とは?
- Vol14 社長のための資産形成戦略-成長期はリスクへの備えも万全に!守りの節税対策について
- Vol15 社長のための資産形成戦略-社長個人の節税になる?資金繰りにも役立つ「小規模企業共済」とは
- Vol16 社長のための資産形成戦略-消費型節税はホントに節税になるのか見極めが肝心
- Vol17 社長のための資産形成戦略-融資の活用は慎重に!融資との付き合い方やタイミングについて
- Vol18 社長のための資産形成戦略-成熟期に社長個人の資産形成を本格化すべき理由
- Vol19 社長のための資産形成戦略-銀行の言いなりはNG!成熟期の銀行との付き合い方
- Vol20 社長のための資産形成戦略-投資には絶対公式がある?ポイントとなる3つの要素
- Vol21 社長のための資産形成戦略-投資収益率(リターン)の決定要因とは?
- Vol22 社長のための資産形成戦略-リスクの意味とリターンとの関係性を正しく理解しよう
- Vol23 社長のための資産形成戦略-長期分散投資はリスクコントロールに効果的?
- Vol24 社長のための資産形成戦略-投資信託とは?メリットと注意点をわかりやすく解説
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