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リタイア・退職後の収支はどうなる?資産運用のススメ-社長のための資産形成戦略Vol32

森 健太郎

この記事の執筆者 税理士 森健太郎

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

リタイア・退職後の収支はどうなる?資産運用のススメ-社長のための資産形成戦略Vol32

退職後の収入と支出はどうなる?

現状の資産や負債のイメージをつかんだら、退職後の収支もある程度つかんでおきましょう。

社長を辞めると、定期収入である役員報酬はなくなります。

そして、年金収入と、投資信託などの資産から得られる収入が生活の支えになるでしょう。

「老後の生活は年金で賄う」と考える人もいるかもしれませんが、おそらくは想像以上に年金の金額は少なくなるはずです。

図表4-6は、厚生労働省年金局が公開している情報ですが、厚生年金の平均受給額は月額15万円ほどとなっています。

図表4-6 厚生年金保険(第1号)受給者平均年金月額の推移

実際の厚生年金の受給額は、それまでの勤務形態や収入などにより変わります。

現役時代に役員報酬を高く設定し、厚生年金保険料を多く負担していたのであれば、厚生年金の受給額は増えます。

しかし、社会保険料を節約するために役員報酬を低くしていたら、平均よりも少ない受給額になっているかもしれません。

実際の年金受給額は、「ねんきん定期便」を確認するのが一番です。

毎年1回送付されるねんきん定期便には、年金見込額が記載されています。

あくまで見込みですが、参考にするには十分でしょう。

また、インターネットから日本年金機構による「ねんきんネット」でも、将来の年金見込額を知ることができます。

このように年金の確認をすると、年金収入だけでは豊かな老後を送れないことが実感できるはずです。

2019年に話題になった「老後資金2,000万円問題」も、年金だけでは老後の生活費に対して2,000万円ほど足りないという推計が発端でした。

しかも、老後にかかる生活費は、現役時代とは変わっていきます。

子育てにかかる出費が減る一方で、医療費や介護費などが増えます。

さらに家を引っ越すなどライフスタイルが変わると、そうした費用も考えておく必要があります。

このような考えられる出費を、現状の資産やこれから得る収入で賄えるのか、足りないのであればどのような手段をとれるか、このようなことを考えることが大切です。

このタイミングで生活費を見直してみるのもいいでしょう。

現役時代には意味のあった夜のお店のつきあいや雑誌などの購読料も、もう必要ないかもしれません。

ご自身の人生にとって必要な支出と、そうではない支出を振り分け、場合によっては生活レベルを落としても、安心して生涯を送れる状態をつくる必要があります。

退職後も資産運用は継続すべき

「老後には年金以外の収入が必要」と説明しました。

具体的には、投資信託などの資産から得られるリターンを収入として考えます。

ここで勘違いしていただきたくないのですが、「資産を現金化して老後資金に充てる」という方法をすすめているわけではありません。

「老後のために資産運用をする」という言葉は、一見もっともらしいのですが、誤解を招いている面が否めません。

というのも、この言葉から一般的にイメージされるのは、老後に向けてiDeCoや小規模企業共済などで資産を蓄えた後、老後はその資産を取り崩して生活をするというかたちだからです。

しかし、退職したからといって、投資資産をすべて換金するという考え方は危険です。

たとえば、老後資金として2億円の投資信託があるとしましょう。

この2億円を社長引退を機に現金化して毎年1,000万円ずつ使おうとすると、20年でなくなってしまいます。

こうしたやり方は、精神面でもよくありません。

ここまで会社経営者として財産を右肩上がりで増やしてきたわけですから、その資産が少なくなっていくと不安を覚えるからです。

また、それまでに経験していない病気や介護など、高齢期特有の問題に目を向ける必要もあります。

「いくらお金を持っていても、安心できない」という人もいるでしょう。

そうしたとき、自分自身が働けなくなっても、資産運用のリターンがあると心強いのではないでしょうか。

ここまでで説明してきたとおり、資産運用は運用期間が長くなるほど大きなリターンを得られる可能性が高まります。

ということは、退職後も資産運用を継続することで、より高いリターンを期待できるということです。

このように言うと、「貯めるばかりで使えなければ、意味がないのでは」と感じる人もいるでしょう。

確かにそのとおりだと思います。

そこで、老後は資産運用のスタンスを次のように切り替えることを提案したいと思います(図表4-7)。

図表4-7 現役時代と退職後の投資スタンスの変化

【現役時代】

投資信託から得た運用益を、投資信託に再投資する

【退職後】

投資信託から得た運用益をキャッシュに変えて生活費などに充てる(資産の元本は維持)

なお、生活に余裕があれば、さらに資産運用に回すといいでしょう。

前にもお伝えしたとおり、100から年齢を引いた割合を投資に充て、残りを預金などとするのが目安です。

ちなみに、「老後はリスクの高い株式から、低リスクの債券に切り替えるべき」という話もありますが、この方法は以前のように有効な運用方法ではありません。

2008年のリーマン・ショック以前は、アメリカ国債などで運用すれば5%程度の利息がついてきたので、それはとても有効な投資先でした。

ところが、現在のアメリカ国債は5%を下回る金利です。

そのため、「資産を増やす」という意味では力不足です。

今後の金利の動向にも目を向ける必要がありますが、以上の理由から、投資は基本的に投資信託を活用して分散投資するほうがよいと思います。

図表4-8は、現役時代に20年間運用して蓄えた資金をもとに、退職後の収入を増やすイメージです。

図表4-8 「投資の絶対公式」の活用法(個人編)

このようにすると、財産を減らすことなく、退職後の生活を支えられます。

よく「お金はお墓まで持っていけない」と言います。

たしかにそうなのですが、生前に使い切ろうとすると、「長生きをすると、お金が足りなくなる」という不安にさいなまれることになるでしょう。

「お金を使って減らすことに恐怖心を抱き、やりたかったことを実現できなくなる」

そのようなことのないように、老後は金融資産をしっかり確保しながら、そこから得られるキャッシュフローにこだわる必要があるのです。

できれば、人生をしっかり楽しみながらも、お金の不安を感じることなく生涯をまっとうしたほうがいいと思いませんか。

そして、残った財産は配偶者や子どもが相続するので、大切な家族の生活も安心して最後を迎えられます。

▼社長のための資産形成戦略 シリーズ

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