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リタイア期の落とし穴|いつ経営から退く?失敗しないためのプランとは-社長のための資産形成戦略Vol30

森 健太郎

この記事の執筆者 税理士 森健太郎

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

リタイア期の落とし穴|いつ経営から退く?失敗しないためのプランとは-社長のための資産形成戦略Vol30

リタイア期の2つの落とし穴

ここまでにお伝えしてきた内容を実践すると、会社はもちろん社長個人にも資産が蓄積されているはずです。

この資産は、これからリタイアを迎える社長にとって非常に心強い存在となっていきます。

たとえば、投資信託から分配金を受け取ることができれば、年金とともに老後の生活を支えてくれます。

さらにはいずれ相続がきても、十分な財産を子孫に残すことができるでしょう。

このように、リタイア期とは資産運用を完成させるステージなのですが、「「社長」という人生。架空のストーリーから見る失敗ポイント①ガムシャラ期-社長のための資産形成戦略Vol2」でお伝えしたように落とし穴が存在します。

これを大きく分けると、「リタイアの失敗」「相続の失敗」となります。

社長は、経営を退き、相続を迎えるにあたって、それぞれ準備しておくべきことがあります。

ここからはそうした準備や考え方をお伝えしていきます。

「年金+α」の収入を確保する

リタイア期の社長にとって最初に悩みとなるのが、「いつ経営を退くか」という点ではないでしょうか。

会社員と違い定年がないため、社長は自ら辞め時を決めなくてはいけません。

とはいえ、すぐに判断できないのが現実だと思います。

判断がつかない理由はさまざまでしょう。

「後継者が見つからない」「事業がきちんと続くのか不安」「仕事が好きで続けたい」など色々考えられますが、最も気になるのは「老後の生活が成り立つか不安」という点だと思います。

会社を完全に退くと、それまで得てきた役員報酬をもらえなくなります。

年金の受給年齢になれば年金収入があるとはいえ、社長時代に続けてきた生活レベルを維持するには不十分です。

ですから、安心してリタイアをするには、「年金+α」の収入が欠かせません。

この収入を得る原資こそが、成熟期までに培ってきた投資信託です。

成熟期までは、投資信託を運用し、ここから得た運用益を再投資することで、効率的に複利運用で資産を増やしてきました。

リタイア期に入ったら、少し考え方を変えてみましょう。

投資信託の運用益を分配金として受け取り、これをリタイア後の生活などに充てるのです。

たとえば、2億円の投資信託があるとして、これを5%の利回りで運用すれば、毎年1,000万円の収入を得られます。

これだけあれば、役員報酬がなくとも安心して生活できるでしょう。

もし、まだ投資信託が2億円までは至らなかったとしても、今後どのくらいの収入を得られるのかを確認することは大切です。

図表4-1は、3,000万円、5,000万円、1億円の投資信託があったとして、それぞれ1%、5%、7%の利回りで運用した場合の1年あたりの運用益を示したものです。

図表4-1 投資信託の1年あたり運用益のシミュレーション

投資信託の残高が少ない場合は、会社経営を続けて、引き続き資産を増やすという考え方もあるでしょう。

もしくは高い利回りを狙って資産運用をする、もしくは生活レベルを下げる、といった選択肢もあります。

このように数字にして考えることが、社長がリタイアするタイミングを決めるうえで役立ちます。

最終的には、残された時間と役員報酬を天秤にかけて判断をしましょう。

もし「役員報酬1,000万円よりも、1年という時間が貴重」と考えるなら、リタイアに向けた具体的な行動を起こすタイミングと言えます。

個人資産の貸借対照表をつくる

リタイアのプランを立てるうえでは、社長個人の資産状況が重要とお伝えしました。

会社の資産状況については、貸借対照表(バランスシート/BS)に集計しているので、すぐに確認することができます。

しかし、家計簿をつけている人でも、個人の資産についてはピンとこない人が多いのではないでしょうか。

実は、個人の資産形成に役立つのは、家計簿のような損益計算書(PL)的な管理ではなく、貸借対照表(BS)的な管理です。

つまり「個人BS」を作り、自分の資産状況を俯瞰するということです。

図表4-2は、私が所属する税理士事務所がお客様に提供している個人BSのサンプルです。

図表4-2A 個人BSのサンプル 図表4-2B 個人BSのサンプル

会社のBSの基本的な構造は、左側に「資産」が、右側に「負債」と「資本」が記載されるかたちです。

そして、利益や損失を加味すると、左右の残高が一致します。

個人BSも基本的には同じ構造ですが、会社のBSほど厳格に集計する必要はありません。

まずは「資産」と「負債」をざっと書き出してみましょう。

たとえば、以下のような項目が考えられます。

【資産の例】

  • 預貯金
  • 有価証券等の金融資産
  • 不動産(投資用、自宅)
  • 会社への貸付金(会社では役員借入金)

また、今後入ってくる可能性のあるお金も、資産として考えてください。

具体的な金額を出すのは難しいと思いますが、税理士に相談するなどして、ある程度の金額をイメージすることが大切です。

【未収資産の例】

  • 会社からもらう予定の退職金
  • 小規模企業共済に積み立てている退職金
  • 死亡時に入ってくる保険金

最後に、見落としがちですが、「自社株」も忘れてはいけません。

会社の社長であれば、必ず自社株を持っているはずです。

これは紛れもなく社長の個人資産です。

成熟期まで会社を成長させてきたのであれば、自社株の価値は予想外に高くなっていると思います。

たとえ創業時に100万円を出資して株式を取得したとしても、その株式が億単位の価値になっていることも珍しくはありません。

この自社株の価値を調べるには複雑な計算が必要となるため、税理士のサポートを受けることをおすすめします。

とくに相続税を計算する際、会社の規模や株主構成などによって、複数の計算方法が存在します。

相続税対策を考えるのであれば、年に一度など、税理士に自社株の評価を依頼するとよいでしょう。

▼社長のための資産形成戦略 シリーズ

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