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銀行の言いなりはNG!成熟期の銀行との付き合い方-社長のための資産形成戦略Vol19
この記事の執筆者 税理士 森健太郎
ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック
銀行の言いなりはNG
「銀行は晴れたときに傘を貸して、雨が降ると傘を貸さない」とよく言われます。
成熟期に至った会社の社長は、銀行から投資話を持ちかけられることが少なくありません。
たしかに、創業期は、融資を受けるためにも銀行員の話はある程度受け入れる場面があったと思います。
しかし、今や銀行とのつきあい方を変えるべき時期です。
銀行の言いなりになって投資をしていたら、資産をうまく育てることはできません。
社長自らが投資のリテラシーをつけ、主体的に考える必要があります。
銀行とのつきあい方
銀行が強くすすめてくる投資商品には、「売らなければならない事情」も隠されています。
表向きは「顧客のため」「社長だけに提案」などと言ってきたとしても、その言葉を鵜呑みにしてはなりません。
それまで銀行からの融資で助けられてきた社長にとって、銀行員の言葉は信頼できるものでしょう。
しかし、第三者から見ると正しいとは限らないのです。
あまり知られていないことですが、日本の銀行に集まる多額の預金は、銀行にとっては財務諸表上「負債」という扱いになります。
負債が大きくなりすぎる(=預金が集まりすぎる)ことは、バランスシート全体が膨らむことを意味しており、資産上のリスクアセット(融資や投資など)に対して定められた自己資本比率を保つことが義務づけられている銀行にとって、大きな経営課題なのです。
銀行には「預金を投資信託や保険商品に切り替え、手数料収入を得ながら負債を減らし、自己資本比率を高める」という経営上のニーズがあることは紛れもない事実なのです。
つまり、銀行には「顧客の人生設計のために投資信託や保険商品を売っている」という側面だけでなく、「銀行自身の経営上の側面もある」ということを認識しておく必要があるでしょう。
注意すべき金融商品
ときには、「ヘッジファンド」と呼ばれる、特別な金融商品をすすめられることもあるでしょう。
聞き慣れない話ということもあり、利回りなどの条件を聞くと「投資したい」と思われるかもしれません。
しかし、本当にいいヘッジファンドが、日本の個人投資家に回ってくるチャンスは残念ながらほとんどありません。
世界で評価されているヘッジファンドは顧客を選びますし、現在、その顧客は欧米やアジアの機関投資家および超富裕層であるというのが現実です。
もし、あなたに特別なヘッジファンドの投資話が回ってきたら、その時点で疑ってみるほうがいいでしょう。
また、昨今は「脱炭素化」「デジタル化」などの目新しいテーマの投資商品が販売されることが増えてきましたが、こうした〝流行り物〟に手を出すのも、やはりすすめられません。
かつて、ブラジルやロシア、インド、中国関連の「BRICs」と呼ばれる投資商品が人気を集めましたが、多くのファンドは期待されたほどのパフォーマンスを上げることはできませんでした。
銀行などから持ちかけられる投資話を冷静な目で判断するには、最低限の知識を身につけておく必要があります。
Vol20から詳しく説明をしますので、順番に理解していきましょう。
▼社長のための資産形成戦略 シリーズ
- Vol1 社長のための資産形成戦略-【社長の資産運用】成功・失敗を分けるものとは
- Vol2 社長のための資産形成戦略-「社長」という人生。架空のストーリーから見る失敗ポイント①ガムシャラ期
- Vol3 社長のための資産形成戦略-「社長」という人生。架空のストーリーから見る失敗ポイント②成熟期
- Vol4 社長のための資産形成戦略-「社長」という人生。架空のストーリーから見る失敗ポイント③リタイア期
- Vol5 社長のための資産形成戦略-「社長」という人生。理想的なゴールとは
- Vol6 社長のための資産形成戦略-パーソナルファイナンスとは?3つのポイントから資金繰りの戦略を考える
- Vol7 社長のための資産形成戦略-創業期は「生き残り」を最優先に!キャッシュを手元に残すためにできること
- Vol8 社長のための資産形成戦略-儲かる前に対策を!創業期にやってはいけない節税方法
- Vol9 社長のための資産形成戦略-創業期の王道的節税(1)役員報酬最適化
- Vol10 社長のための資産形成戦略-創業期の王道的節税(2)旅費日当の活用
- Vol11 社長のための資産形成戦略-創業期の王道的節税(3)社宅の家賃を経費に
- Vol12 社長のための資産形成戦略-利益が出た後ではもう遅い?創業期から税理士と顧問契約するメリット
- Vol13 社長のための資産形成戦略-成長期の節税は攻守のバランスがカギ!攻めの節税対策とは?
- Vol14 社長のための資産形成戦略-成長期はリスクへの備えも万全に!守りの節税対策について
- Vol15 社長のための資産形成戦略-社長個人の節税になる?資金繰りにも役立つ「小規模企業共済」とは
- Vol16 社長のための資産形成戦略-消費型節税はホントに節税になるのか見極めが肝心
- Vol17 社長のための資産形成戦略-融資の活用は慎重に!融資との付き合い方やタイミングについて
- Vol18 社長のための資産形成戦略-成熟期に社長個人の資産形成を本格化すべき理由
- Vol19 社長のための資産形成戦略-銀行の言いなりはNG!成熟期の銀行との付き合い方
- Vol20 社長のための資産形成戦略-投資には絶対公式がある?ポイントとなる3つの要素
- Vol21 社長のための資産形成戦略-投資収益率(リターン)の決定要因とは?
- Vol22 社長のための資産形成戦略-リスクの意味とリターンとの関係性を正しく理解しよう
- Vol23 社長のための資産形成戦略-長期分散投資はリスクコントロールに効果的?
- Vol24 社長のための資産形成戦略-投資信託とは?メリットと注意点をわかりやすく解説
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