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パーソナルファイナンスとは?3つのポイントから資金繰りの戦略を考える-社長のための資産形成戦略Vol6

森 健太郎

この記事の執筆者 税理士 森健太郎

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

パーソナルファイナンスとは?3つのポイントから資金繰りの戦略を考える-社長のための資産形成戦略Vol6

パーソナルファイナンスとは?

次に、この記事の主要なテーマとなる「パーソナルファイナンス」という考え方をご紹介します。

一般的に「ファイナンス」という言葉を聞くと、お金を調達する手段(資金調達)をイメージする人が多いようですが、本来ファイナンスとは、調達するだけでなく、「調達したお金をどのように使うか」という運用面(資産運用)までカバーする包括的な財務戦略を意味します。

ファイナンスは、経済の3主体である「企業部門」「政府部門」「家計部門」ごとに分類されており、企業財務を学ぶコーポレートファイナンス、国家財政を学ぶパブリックファイナンス、家計の資産管理を学ぶパーソナルファイナンスがあります。

そして、3つのファイナンス主体では、それぞれ次のような明確な目的を持っています。

  • ①コーポレートファイナンスの目的……企業価値の最大化
  • ②パブリックファイナンスの目的……公共・福祉の最適化
  • ③パーソナルファイナンスの目的‥…個人の幸福の最大化

日本で「ファイナンス」という学問は、主にコーポレートファイナンスやパブリックファイナンスの分野で発展し、欧米やアジア先進国では関心が高い「パーソナルファイナンス」という学問についてはあまり関心が持たれてこなかったという歴史があります。

その理由は、戦後の復興から高度経済成長を経てバブル崩壊までの間、多くの日本人が終身雇用制度のもとでサラリーマンとして働き、退職時には十分な退職金を受け取り、退職後の生活も十分な額の公的年金と企業年金によって支えられていたからです。

就職から退職後まで国家や企業が面倒を見てくれるのですから、人生全体を俯瞰(ふかん)しながら家計の資産管理を考察するパーソナルファイナンスへの関心が低かったのは、自然だったと言えるでしょう。

しかし、残念ながら、個人の人生を国家や企業が手厚くサポートしてくれる時代はすでに終わり、今後日本社会を取り巻く環境は一層厳しくなることが予想されます。

人口が急速に減少すると同時に高齢化が加速していくのも確実で、年金・医療・介護など公的部門の財政状況が悪化していく流れを止めるのは正直難しいとしか言えません。

そんな厳しい時代という認識を持っても、やはり個人としては充実した豊かな人生を実現していきたいものです。

その鍵になる知識が「パーソナルファイナンス」です。

パーソナルファイナンスの3つの要素

パーソナルファイナンスの本質をシンプルに表現するならば、「自分の人生のコストを、自分が保有する人的資産と金融資産でカバーする資金繰り戦略」ということになります。

ここでポイントとなるのが、次の3つの要素です。

  • ①金融資産
  • ②人的資産
  • ③人生のコスト

まずは①と②の違いを理解してください。

金融資産と人的資産について

ここでいう「資産」とは、「キャッシュフロー(お金)を生み出すもの」を指します。

パーソナルファイナンスにおける資産は、利息を生み出す預金や、配当を生み出す株式、家賃収入を生み出す賃貸不動産などが広義の①「金融資産」とされ、働いてキャッシュフローを生み出すあなた自身を②「人的資産」と定義します。

そして、金融資産の価値は、いわゆる「純資産の時価」と定義されます。

難しい言い方ですが、個人が保有している預貯金や金融商品などの資産から、住宅ローンなどの負債を引いて計算するとイメージしておけばいいでしょう。

そして、人的資産の価値は「生涯年収の現在価値」と定義されます。

ここでは細かな計算式の説明は割愛しますが、ひとまず「生涯でどれくらい稼げるのか」という点を考えていただければ十分です。

『会社四季報』に掲載されている上場企業約3200社の情報を見ると、退職金も含めた生涯年収は約2億5000万円となっています。

生涯年収の計算が難しければ、こうした数字を参考にしてもいいでしょう。

「人的資産」は、「稼ぐ能力」と「稼ぐ時間」の掛け合わせによって決まります。

能力は学習などにより高めることが可能ですが、時間は確実に減っていく点に注意してください。

若い人には長い労働時間が残っているので、誰でも豊かな人的資産を持っていると言えます。

しかし、年齢を重ねるに従って働ける時間は減り、人的資産は徐々に目減りしていきます。

人生のコストについて

そして、3つめの要素である「人生のコスト」は、その名のとおり、今後の人生で必要となるお金を指します。

希望するライフプランによってコストは変わりますが、そのコストを賄えるだけの金融資産と人的資産を維持することが重要です。

若い頃は、金融資産が少ないのは当然ですが、稼げる時間が残されているので、働けば人生のコストは十分に賄えます。

もちろん不慮の事故や病気などによって人的資産が損なわれるリスクはありますが、これは保険を活用すれば対処可能です。

そうして、やがて誰しも働けなくなるときが訪れます。

そのときは、蓄えてきた金融資産により生活コストを賄うことを考えましょう。

人生の時間軸を考えた戦略を考える

では、もしも人的資産が尽きた老後になって、十分な金融資産がなければどうなるでしょうか?

収入として当てにできるのは公的年金だけです。

しかし、「老後資金2000万円問題」が一時期話題になったように、年金収入だけでは生活費にさえ足りないのが事実です。

残念なことですが、豊かな老後はおろか、最低限の生活さえ、社会福祉頼りでは難しいと言えます。

人生を送るうえでの基本的な戦略は、「人的資産」の減少を意識しながら、人生の貴重な時間を使って「金融資産」を蓄えていくことです(図表1-2)。

図表1-2 人的資産と金融資産の推移のイメージ

さて、ここからはパーソナルファイナンスをベースに、人的資産の特性が「企業経営者」に分類されるみなさんが、現役時代において、会社の成長ステージごとに「会社という器」と「個人という器」をどのように活用しながら資産形成を行うべきか、または退職後のキャッシュフロー管理をどうすべきか、そして最終的な残余財産をどう相続していくべきか、というところまで包括的にお話を進めていきます。

それでは、Vol7より、創業から退職、そしてその後の人生まで、社長が豊かな人生を実現していくための重要ポイントを時系列で見ていきましょう。

▼社長のための資産形成戦略 シリーズ

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