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「社長」という人生。理想的なゴールとは-社長のための資産形成戦略Vol5

森 健太郎

この記事の執筆者 税理士 森健太郎

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

「社長」という人生。理想的なゴールとは-社長のための資産形成戦略Vol5

豊かな社長人生を送るために

ここまで見てきたように、社長には大きく「3つの失敗」があります。

  • ガムシャラ期〜成熟期……資金繰りの失敗
  • 成熟期~リタイア期……資産運用の失敗
  • リタイア期~第二の人生……相続・事業承継の失敗

これら3つの失敗は、社長であれば必ず直面すると考えておいたほうがいいでしょう。

では、これらの失敗を避けられたとしたら、どのような人生を送れるのでしょうか?

あくまで一例ですが、理想的なゴールとして、D氏の事例をみてみましょう。

D氏の事例

D氏は55歳で社長を引退しました。

M&Aの話を持ちかけられ、少し早い引退を決断したのです。

もともとD氏には後継者がいなかったため、M&Aはちょうどいい選択となりました。

D氏の会社を買ったのは上場企業でした。

これまで育ててきた事業や従業員たちの雇用が守られるため、D氏は安心して社長を引退することができました。

M&Aで自社株を売却したことで、D氏は約3億円の収入を得ることができました。

また、社長を退く際に会社から5000万円の退職金を受け取ったほか、20年ほど前から運用してきた投資信託が今では3倍ほどに値上がりしており、D氏には潤沢な個人資産があります。

まだ年金を受け取れる年齢ではありませんが、今後の生活費は投資信託からの収益金だけで十分に賄えるため、海外旅行や趣味などにお金を使っても、余りが出るくらいの余裕があります。

また、いずれくる相続についても、D氏はきちんと対策をしています。

D氏がまず行ったのは、民事信託を用いた遺産分割の指定です。

これにより無用な遺産争いを未然に防ぐことができます。

相続税対策については、効果的なものから着手しました。

たとえば、終(つい)の棲家(すみか)として自宅を購入したのは、相続税を大きく引き下げることができる「小規模宅地等の特例」を狙ってのことです。

あとは、生前に残された時間を使って、暦年贈与や生命保険金を使った相続税の節税を続けていけば、妻や子どもなどの相続人には相続税を払った後も多くの財産が残されるでしょう。

こうしてお金にまつわる問題をすべて解決したD氏。

あとは思い描いたライフプランを実現するだけです。

「人生100年時代」と言われる今、D氏にはまだまだ多くの時間が残されています。

その時間を豊かな資産とともに過ごせることを、D氏はとても楽しみにしています。

ここまで4人の社長の人生を見ていただきました。

ご自身の状況に当てはめて、今のあなたがどの社長に近いのかを考えてみてください。

おそらく、理想的なかたちで社長人生を送ったD氏のようなケースは多くないと考えられます。

その理由は、落とし穴を避けるためのノウハウが知られていないからです。

▼社長のための資産形成戦略 シリーズ

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