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「社長」という人生。架空のストーリーから見る失敗ポイント①ガムシャラ期-社長のための資産形成戦略Vol2

森 健太郎

この記事の執筆者 税理士 森健太郎

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

「社長」という人生。架空のストーリーから見る失敗ポイント①ガムシャラ期-社長のための資産形成戦略Vol2

社長の人生を一本の線で考えてみる

社長としての人生は、起業した時点からスタートします。

その時点では、誰もが成功し、豊かに人生を終えられる可能性を持っています。

しかし、社長それぞれの人生の終着点を比較すると、大成功している人もいれば、残念ながら失敗している人もいます

倒産などでビジネスが途中で続けられなくなる可能性も、ゼロではありません。

また、ビジネスそのものはうまくいったとしても、個人の資産と呼べるようなものがなく、老後の暮らしに不安を抱えるようでは、やはり理想的な姿とは言えません。

ロシアの文豪トルストイの小説『アンナ・カレーニナ』の冒頭は、「幸福な家庭はどれもよく似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」という言葉で始まります。

社長の人生にも同じことが言えるのではないでしょうか。

社長が人生のなかで陥る落とし穴は多種多様です。

起業したばかりの社長と、引退を考え始めた社長では、悩みが違って当然です。

とるべき行動も異なります。

そのため、まずは社長の人生を一本の線としてイメージし、各段階で発生する悩みに対処していくことが効果的です。

そこで、このシリーズ『社長のための資産形成戦略』では、社長の人生を大きく次の3段階に分けて説明を進めることにします。

  • ①ガムシャラ期
  • ②成熟期
  • ③リタイア期
図表1-1 社長のお金の運用ロードマップ

図表1-1で示した各段階で行っていただきたい具体的な方法については、Vol7以降で詳しく説明します。

ここでは、各段階のイメージをつかんでいただくために、架空のストーリーでお伝えしたいと思います。

創業から成長に向かうガムシャラ期

A氏の事例

35歳で創業したA氏は、IT関連スタートアップ企業の社長です。

もともと勤務していた大手IT会社で培った知識や技術を駆使した新たなスマートフォン用アプリを開発し、販売を増やそうと考えていました。

事業の運営資金は、サラリーマン時代に蓄えた預金や創業融資を使い、会社の出費をできるだけ抑えるため、自身の役員報酬をゼロに設定していました。

以前から保有していた暗号資産(仮想通貨)が値上がりしていたこともあり、A氏は「会社のお金が足りなくなれば、換金すればよい」と思っていたのです。

こうしてA氏は、子どもの頃から夢見ていた会社経営に寝る間も惜しんで取り組みました。

やがてA氏の努力は実り、アプリのユーザー数は目標を突破。

そのアプリからの広告収入や有料サービスの収入が増えていきました。

しかし、競争の激しい業界だけに、アプリからの収入は徐々に落ちてきます。

そこで、A氏は新作アプリを開発するために新たなエンジニアを雇い、カスタマーサービスなどのバックオフィス周りの整備にも着手します。

ポジティブなA氏は、事業投資を積極的に進めようと考えたのです。

そんなある日、税理士から示された税務申告書を見て、A氏は驚きました。

法人税が予想をはるかに超える金額だったのです。

しかも、このほかにも法人住民税と法人事業税が課されるとのことでした。

A氏はできるだけコストを抑えようと、税理士の月次顧問サービスを受けずに、年に一度の決算と税務申告だけをスポットで依頼していました。

創業当初は自分で会計ソフトに入力して帳簿作成を行っていましたが、仕事が忙しくなるとまったく手をつけられなくなりました。

そのため、毎月の利益がどうなっているかを把握することができず、税金がどれくらいかかるかもわかっていませんでした

決算期を迎え、請求書や領収書などを税理士に送ったとき、若干不安を感じたものの、「売上高が増えているから大丈夫だろう」と安易に考えていたのです。

A氏が申告書作成を依頼した税理士によると、次のような方法を使っていれば、納税額を大幅に減らすことができたということでした。

  • ・役員報酬を上げる
  • ・社長の住居を社宅にする
  • ・旅費規程を作り、旅費日当を出す
  • ・30万円未満の資産を購入する

しかし、事業年度末を過ぎ納税額が確定した今となっては、こうした節税方法を使うことはできません。

数週間後に多額の納税を行う必要があり、増やした従業員の給料やバックオフィス周りの費用の支払いも控えています。

また、これまで役員報酬をゼロにして、個人の貯金を取り崩して生活していましたが、その貯金が尽きかけていました。

しかも、当てにしていた暗号資産の相場は急落。

今から役員報酬を上げようにも、会社に資金がないため、生活費を削らざるを得ません。

これらの問題を解決するため、A氏は金融機関から融資を受けようとしましたが、役員報酬をゼロにしていたため、個人の保証能力がないと判断され、融資は難しいとされてしまいました

結果、目の前に控えているさまざまな支払いへのプレッシャーからか、新作アプリの開発はスムーズに進まず頓挫しました。

そして、納税資金はおろか事業の運転資金も枯渇するようになり、残念ながらA氏が立ち上げた会社は廃業するに至ったのです。

【A氏の失敗ポイント】

  • ・創業時から節税に取り組まなかった
  • ・自社の経営状況を把握できていなかった
  • ・資金繰りの管理ができていなかった
  • ・個人資産を高すぎるリスク(暗号資産)で運用していた

▼社長のための資産形成戦略 シリーズ

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