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助成金で取得できるものとは?
この記事の執筆者 税理士 森健太郎
ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック
▼目次
政府や都道府県などが実施している補助金の制度は、採用されれば無償で事業資金にあてることができる非常に魅力的な制度です。
事業者向けの補助金としては、経済産業省の「創業促進補助金」や、「小規模事業者持続型補助金」が有名ですね。
しかし、経営者の方の中には、補助金がいわば「ただでお金をもらえる」非常にお得な制度であることを知っていたとしても、
「うちのような中小零細企業が政府の補助金に採用なんてされないだろう…」とか「複雑な役所の手続きに時間を取られるぐらいなら、1件でも営業先を回っていた方が良いよ」
といったように、最初からあきらめてしまっているという方もひょっとしたら多いのではないでしょうか(これはとてももったいない話です)
今回は、新規事業者が創業前後に利用できる補助金にどのようなものがあるのかについて解説させていただきます。
これから事業を始めることを検討している方は参考にしてみてくださいね。
創業からまもない事業者も利用できる補助金
会社創業まもない事業者が利用できる補助金としては、以下のようなものが有名です。
1.創業促進補助金
創業促進補助金は、政府の支援のもとに電通が運営している補助金で、例年4月?6月ごろに公募が行われます(平成29年は5月8日~6月2日を期限として公募されました)
補助金の金額は100万円~200万円で、これから新規に事業を開始する事業者を対象として採択(交付)されます。
毎年の景気の状況などによって応募数、採択数ともに変動する傾向があるのですが、平成29年度は739件の応募に対して109件が採択されています(およそ7人の応募者に対して1人が選ばれていることになります)
参考までに過去3年間の応募数と採択数の数字をあげると以下の通りです。
- 平成29年度:応募739、採択109
- 平成28年度:応募2866、採択136
- 平成27年度:応募1170、採択775
なお、申請時に資金用途として指定した出費の3分の2の金額が上限となりますので注意しておきましょう。
例えば、新店舗出店のための費用として150万円が必要という場合であれば、150万円×3分の2=100万円が創業促進補助金として交付される金額の上限となります。
補助金は、基本的には自社の負担の元に行なった出費について、事後にプラスアルファの手段として検討すべきものと言えるでしょう。
なお、創業促進補助金はこれから新規に事業を開始する人を対象とした補助金ですが、先代の経営者からの後継者として事業を引き継ぐような場合には、事業承継後の新事業に対して国がお金を出す「第二創業促進補助金」があります(限度額等は創業促進補助金と同じです)
新規開業者以外の方も利用できる可能性がありますから、活用を検討してみることをおすすめします。
2.小規模事業者持続型補助金
小規模事業者持続型補助金は、経済産業省が全国の商工会議所や商工会と提携して実施している事業者向けの補助金です。
補助金の上限額は50万円で、使用する出費の3分の2の金額を上限として補助を受けることができます(複数の事業者が共同で事業を行う場合には最大500万円となります)
小規模事業者持続型補助金に採択されるためには、まずは経営計画書や補助事業計画書を作成しなくてはなりません。
多くの場合は税理士などの専門家の支援が必要になりますから、必要に応じてアドバイスを受けるようにしましょう。
小規模事業者持続型補助金の対象は必ずしも新規事業者に限らず、常時雇用する従業員の人数が20名以下の小規模事業者(サービス業や小売業、卸売業に関しては5名以下)であれば業種を問わず申請をすることができます。
事業形態についても法人であるか個人事業者であるかは問題となりませんが、一般社団法人や一般財団法人、NPO法人や医療法人は対象外となります(個人で事業を行なっている医師や歯科医師も対象外です)
補助金、助成金は「後払い」なのに注意
補助金や助成金を利用するときの注意点として、これらは「後払い」の形で交付されることを理解しておきましょう。
簡単にいうと、補助金や助成金は「まずは自分で必要なお金を払い、その内容を実施機関に対して報告して認められた場合に、お金を振り込んでもらえる」という仕組みになっているというわけですね。
実際に出費を行うより前にお金を受け取ることはできませんから、「これから行う予定の出費について、補助金で資金繰りをまかなう」ということはできないことに注意が必要です。
まとめ
今回は、これから事業を始めようと考えている方向けに、利用できる可能性のある補助金の制度について解説させていただきました。
具体例としてあげさせていただいた創業促進補助金や小規模事業者持続型補助金等は、小規模で開業まもない事業者の方であっても採択される可能性が高い補助金ということができます。
補助金は開業まもない時期の資金繰りを助けてくれる貴重な制度ですから、積極的に活用するようにしましょう。
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