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定期的に売上のあがる時期を考えて何月決算かを決めよう
この記事の執筆者 税理士 森健太郎
ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック
▼目次
会社の決算月を決める判断基準としてはいくつか考えられますが、定期的に売上が上がる時期から何月決算にするかを考えるのも一つの方法です。
というのも、法人化することで個人事業主の時には利用できなかった各種の節税対策が行えるようになるものの、これらの方法は会社の売上や利益の状況を見ながら適切なタイミングで利用する必要があるためです。
ここでは売上が上がる時期から会社の決算月を決めるときに知っておくべきポイントについて具体的に説明させていただきますので、これから法人設立を検討している事業者の方は参考にしてみてくださいね。
決算日から2ヶ月後の納税を意識して決算月を決める
会社の決算日から2ヶ月が経過するまでに、会社は法人税の金額を自分たちで計算して申告納付をしなくてはなりません。
法人税の負担額は利益の金額によって決まるものの、納付をしなくてはならない月には資金繰りが大幅に悪化してしまうことは少なくありません。
ですから、事業そのものの性質から考えて資金繰りが悪化する月がわかっている場合(たとえば売上が季節変動によって減る月や仕入れの代金支払いが増える月、従業員にボーナスを支払う月や保険や家賃の年払いがある月など)には、その月と法人税の支払い月が重ならないようにしておくのが賢明です。
例えば、例年8月には資金繰りが悪化するのが決まっているという事業者の方であれば、6月決算を選択してしまうと法人税の納付期限は8月ということになってしまいますから避けましょう。
法人税は特別な場合を除いては分割払いはできませんし、もし納付期限に支払いができないようなことになると延滞税と言った形でペナルティを課せられてしまいますから注意しておかなくてはなりません。
売上の上がりやすい月は事業年度の最初に持ってくる
定期的に売上があがる時期が毎年決まっているという事業者の方の場合、できるだけ事業年度の前半にそれらの月がまわってくるように決算月を決めることをおすすめします。
例えば、8月には売上がたくさん上がるというのであれば、決算月を6月などにしておいて、8月が期首に近い方にくるようにするといった具合です。
なぜ売上が上がりやすい月を事業年度の前半に持ってくるのが良いかというと、事業の見通しをしやすいようにすることで、節税対策を早めに行いやすくなるからです。
1年でもっとも売上が上がる月が8月なのであれば、事業年度の早い時期に8月の実績値のデータが確定することで、残りの月の売上もある程度予想が立てやすいですよね。
節税対策というのは基本的には利益が上がりすぎた年に経費を増やして利益を圧縮することを指しますから、例えば期首から3ヶ月のタイミングでのみ変更することができる役員報酬(社長個人に渡るお金)を調整することで法人の利益を少なくすることが考えられます。
繁忙期を考慮して決算月を決める
また、繁忙期に会社の決算申告の作業を行う時期が重なってしまうと、ただでさえ忙しい時期にさらに法人税の申告というボリュームの大きな仕事が増えることになります。
法人税の申告作業は決算月後2ヶ月以内に行わなくてはなりません。
個人事業主だったときには決算の作業はそれほど負担も大きくなかったかもしれませんが、法人税の申告作業はぐっと難易度が高くなります。
加えて節税対策として行えることも個人事業主として活動していたときよりも多くなりますから、決算作業を行う前後の月は慎重に判断しなくてはならない事項が増えるのが普通です。
中小企業者の方の場合、法人税の申告については顧問税理士に代行してもらうことが多いですが、必要書類をそろえたり、決算月の経理処理などは普段よりも負担が大きくなります。
まとめ
今回は、定期的に売上があがる時期から会社の決算月を決める方法について解説させていただきました。
会社設立に関する手続きでは、ちょっとしたことで事業に良い影響を与えたり、悪い影響を与えたりということはよくあることです。
会社設立に関することで疑問点や判断に迷うことが生じた場合には司法書士や税理士といった専門家にアドバイスを受けるようにしましょう。
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